そのアクセルは勇気か蛮勇か『Moto X Mayhem』【iPhone】

オープニング画面

 
携帯型ゲーム機『ゲームボーイ』が、『テトリス』というゲームソフトで大爆発をしていた昔のお話。アタリ社からは“Lynx(リンクス)”という携帯型ゲーム機が発売されていました。回転拡大縮小機能やらカラー液晶やらと当時においては最先端の機能を保有し、かつ8人同時プレイ可能な『ガントレット』や名シューティングゲーム『プルーライトニング』等、イカれた、いやイカした海外ゲームが発売されていたりと、国産ゲームにしか触れる機会が無かった当時の子供ゲーマー(筆者)には異彩を放つ、XBOXよりも前に登場した“黒船”でありました。
 
その反面、携帯型ゲーム機と呼ぶよりも“鈍器”と呼ぶのが相応しいと思えるほどの大きさと、単三電池を6本も使用するわりには3時間程度しか持たない燃費の悪さという、致命的とも言える欠点もありました。が、そんなパワー重視・燃費無視なアメリカンスタイルの魅力に、惚れる人は惚れるドクタッペッパーのように尖がったゲーム機でもあったわけです。
 
恋は盲目、あばたもえくぼとは言ったもんです。そんな“Lynx”の中でも、一番のお気に入りだったのが『カリフォルニアゲームズ』。名前の通りサーフィン、スケードボード、BMX、リフティングとカリフォルニアで親しまれているスポーツが堪能できるゲームでした。
 

操作はシンプル

 
『カリフォルニアゲームス』の中で最も人気が高かったのは、かのファミ通編集部でも大会が行われていたサーフィン(制限時間内にどれだけのアクロバチックなジャンプを決められるか? という内容)でしたが、個人的に面白かったのは、サーフィンではなくBMX。起伏の激しいコースを十字キーの左右に設定されたアクセル・ブレーキで制御し、さらにAボタンのジャンプとBボタンの回転のみで障害物をかわしていくというゲームでした。
 
まぁ個人的にハマった一番の理由であり想定外に面白かったのは「着地に失敗した際の異常ともいえるキャラクターの吹っ飛び方」という点だったのですが。スピードが乗らず半回転で頭から落ちる主人公、ワダチに激突し体だけが放り出される主人公、下り坂にて猛スピードでの大回転に成功したものの、その勢いのまま地面へ叩きつけられる主人公と、子供心ながらも「ああ、いま人を殺してしまったのだ……」と思えるほどの説得力があり、それが無駄に緊張感を与えてくれる素敵なゲームでした。
 
上のようなイメージが強く残ったのは、主人公がデフォルメされていない普通の人間型であったこと、また地面にぶつかる音、ザザザッと砂利の上を滑る音、それらがリアルであったことも理由かもしれません。要は生々しかったんですね。もちろん真っ当な部分(どれだけの速さでゴールを目指すか? はたまた回転をふんだんに取り入れ高得点を狙うか?)と攻略する面白さも、しっかりと存在していること、つまり基礎がしっかりとしているからこそプラスαな部分が楽しめたのは間違いありませんが。
 

Moto X Mayhem

 
という訳で長々と『カルフォルニアゲームス』、しかもその中のBMXがいかに楽しいかを語ってまいりましたが、今回御紹介するゲーム『Moto X Mayhem』は、それを思い出させてくれた、非常に似ている感じのゲームです。また本作品は元々Flashゲームで、比較するとFlash版の方が面白いものの、iPhone版で感じた『カリフォルニアゲームズ』のBMXらしさは皆無。これはiPhone版が、かなりスピード感のある作りであるため。まずは、『http://www.teagames.com/games/tgmotocross/play.php』にあるFlash版をプレイしてみてから、その移植である本作品を購入するか否か検討されてはいかがでしょうか。
 
Moto X Mayhem
Occamy Games
http://www.motoxmayhem.com/
115円
iTunes Storeへはコチラ。

 
(C)Occamy Games
 
 

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ひげおやじ

インターネットの賑わっているところに大概参加をしながら約20年。 ここ最近はニコニコなどの動画サイトを根城にしつつ、何だかよく分からない生活を送る。 生放送においては過去に、日本全国を生放送をしつつ巡ったり、ヨハネスブルグ、ジンバブエ、カザフスタンなど「そもそも回線は大丈夫なの?」といった場所から生放送を行ったことも。 しかし、一番好きな場所は『自分の部屋』とのたまう、自称「世界で一番忙しいニート」・「世界で一番仕事をしない自宅警備員」。

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