kz/キズナアイ/長谷川白紙らが参加したポーター・ロビンソン主催チャリティフェスティバルのレポートが到着
収益を全てコロナウィルス救済支援に寄付するオンラインフェスティバル【Secret Sky Music Festival】が日本時間の5月10日に開催された。
ポーター・ロビンソン主催で行われたこのイベントは2019年の【Second Sky】に引き続きフランスの盟友Madeonや、オランダのDJ San Holo、スウェーデンのアーティストNanobii、日本からキズナアイ、長谷川白紙、kz(livetune)といった世界各国のアーティストがライブ配信で参加し、オンライン上を賑わせた。
約14時間にも及ぶライブストリーミング配信は述べ25万人もの人々が視聴し、架空のフェスティバル会場を催した特設サイトには世界中からたくさんの音楽ファンが集まった。 バーチャル空間に作られた会場では終始パフォーマンスに対するコメントが溢れ、ここ日本でも#SecretskyがTwitterのトレンドにランクインするなど大きな盛り上がりを見せた。以下、ライブレポートとアーティストコメントが到着。
Porter Robinsonが昨年開催した自身のフェス「Second Sky Music Festival」のオンライン版とも言える「Secret Sky Music Festival」はスタートからPorterのマスコットキャラクターであるDJ Potaroで幕を開け、2番手にはFlying LotusのBrainfeederからのリリースで人気を集めるLouis ColeによるユニットKNOWERがライブをするという豪華さでネット越しの我々観客を早くから魅了した。それ以降もPorterの審美眼によってキュレーションされたラインナップはフェスを華やかに彩り、日本からの参戦となった長谷川白紙は圧倒的な世界観のライブを見せつけ、kz(livetune)はDJと映像の見事なコラボレーションのみならず自らも光の粒子となって度胆を抜く演出を見せてくれた。
同じく日本を代表しての出演となったバーチャルYouTuberキズナアイのライブを終え、遂に出番となったのはPorter Robinsonの盟友であるMadeon。3月のロックダウン期間中に公開された彼のライブセット“IRONING BOARD SESSION 1”と同じMadeonのデザインポスターが多数張られた部屋からパッドを使って一曲目に演奏されたのは自身の「Be Fine」、スタートから今年の1月に行われた素晴らしい来日公演を思い出させてくれた。次にBrasstracksによるKanye Westの「All of the Lights」カヴァー、What So Notなどの楽曲をシームレスに繋ぎ、自身の楽曲も織り交ぜながらジャンルもBPMも縦横無尽に行き来し、四つ打ちパートではDiploのハウストラックも使いながら彼が大きな影響を受けているフレンチエレクトロの系譜を感じさせるDJスタイルをたっぷりと披露。そして驚くべきは部屋の中でのライブだと思われていたのが、DJが進むに連れ部屋の壁が溶け出し歪み出し、気付くと完全に背景が真っ暗になりMadeon自身も色が変わったりと、来日公演で体験したVJの世界観が目の前に繰り広げられていた。印象的だったのは四つ打ちの流れからBROCKHAMPTON「SUGAR」~The Weeknd「Blinding Lights」などのR&Bを差し込み気持ち良い緩急つけながらも得意のエレクトロサウンドを展開。中でもFlumeとToro Y moiによる「The Difference」や同フェスの出演者でもあるAnamanaguchiなどインディーダンスの流れも盛り込みMadeonの音楽嗜好の広さを見せ付けながらも自分の世界観に綺麗に落とし込むプロデューサーとしての手腕を見せ付けてくれた。後半は来日時のハイライトにもなった「Miracle」、Porterとの名曲「Shelter」、「Heavy With Hoping」の他アーティストによるカヴァーと畳み掛け、ラストにはFrank OceanのAaliyah「At Your Best (You Are Love)」の傑作カヴァー、The Clashの「Train in Vain」で終始Madeonのルーツを感じさせる音楽愛に溢れるセットとなった。
続いて本フェスの主催者であるPorter Robinsonが登場。DJ機材にプロジェクターによるVJを本人にも被せたシンプルなセットながらも気負いのない雰囲気が、それまでイベントスタートからSNSで一緒に観客と盛り上がっていたPorter自身のフェスを心底楽しんでいる感とラフな感覚が妙にマッチしているように思えた。1曲目から新曲「Something Comforting」と「Sad Machine」のマッシュアップという容赦ないスタートを切り、続いてMura Masaの新作からClairoをフィーチャーした「I Don’t Think I can Do This Again」とThe 1975「I Like America & America Likes Me」とのマッシュアップでひたすらにエモーショナルな感情を揺らし続ける。自身の「Easy」や「Language」などのダンスチューンでエナジーを高めつつ、James Blake、Caribouなどの繊細でPorterの世界観ともリンクする楽曲を並べつつ、Lil Bをフィーチャーしたフリースタイル、アニメソングやゲームサウンド、宇多田ヒカル、パソコン音楽クラブなど日本人アーティストの楽曲を盛り込むなどこちらもMadeonとは別の角度で彼らしさを表現していた。さらに「Shelter」や「Get Your Wish」などを中盤に出し惜しみなくプレイし、後半には自身の楽曲をメインに構成するもAvril Lavigne「I’m With You」と「Language」のマッシュアップ、「Something Comforting」にフェス出演者のkz(livetune)の名曲「Tell Your World」をマッシュアップするなど、常に飽きさせることなく驚きとエモーショナルさを与え続けてくれる。そしてVJの文字で最後の1曲として紹介されたのが新曲「Look At The Sky」。青く澄んだ大空をバックにVJに歌詞が浮かび上がる。「Look at the sky. I’m still here. I’ll be alive next year. I can something good.」という歌詞には現在の皆が置かれた状況とPorterなりの決意表明にも似たメッセージがリンクし、最後に相応しい忘れられない演出となった。(ライブレポート:TJO)
◎Kz(livetune) コメント
「Secret Sky」、参加できてとても嬉しく思います。
またみんなで一緒に遊びたいねという気持ちも込めてポーターとも馴染み深いmograでやらせていただきました。僕らなりの楽しさを感じてもらえれば幸いです。
◎Kizuna AI コメント
Secret Sky Music Festival、最高でした!
世界的に活躍されているアーティストさんがたくさん出ていて、そこに私が混ぜてもらえたというのが本当に光栄でしたし、世の中に対して大きな意義を発信していく音楽フェスに出演させていただけて、すごく嬉しかったです。これからも歌やダンスをもっと頑張って、たくさんの人に届けていきたいなと思いました!!
◎長谷川白紙 コメント
今回のSecret Skyでは元々大好きなアーティストも多く参加していたので、わたしもそこに加われることが非常に光栄で、かつとても楽しかったです。更に、今回このオンライン・フェスティバルは——もしかしたらPorter自身の所感とは異なるかもしれませんが——現実世界のフェスティバルとは違った領域に到達しているように感じました。今一度主催のPorter Robinsonと全てのアーティスト、スタッフの皆様に多大なる敬意と感謝を表します。
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