知らんかった! 薄毛に関するエトセトラ「薄毛をチェックするにはアレが有効」
薄毛のセルフチェックに使えるモノって?
薄毛そのものは、なかなか自分ではわかりづらいもの。かといって、他人はもちろんのこと、家族ですら指摘しづらい事の一つ。
「洗面所で合わせ鏡」が割と一般的なのだが、正直めんどくさいし「そこまでして見たくない」という気持ちもある(確かに自分の“想像以上”に進行しているパターンとか、考えたくない……)。
実は、自分の頭皮状態をチェックするのにもっとも手っ取り早いのは、ケータイのカメラで「自撮り」する方法。地味にメリットも多い。
まず、写真が残せるので、過去と現在の比較が容易なのだ。毎日とは言わず、数週間あるいは2~3か月ごとのチェックを行うことで、進行状況を客観的に比較することが可能となる。
これが他人にチェックしてもらった場合はどうだろう。「うーん、結構キてるねえ」とか言われて「結構ってどのくらいだよ!」となるのがオチだろう。そう考えれば、写真ログとして残すのはかなり有効なのだ。
どうせ写真で残すのであれば、頭頂部だけではなく「正面×側面×頭頂部」のワンセットで残しておくのがおススメだ。
薄毛に「あの方法」は役立たない?ウソと本当
男性型の脱毛症(AGA)に限って言えば、薄毛は言うまでもなく大昔からの男の悩み。かつらや植毛、育毛剤やケア用品、そして専用シャンプーなど“薄毛対策用品”の出現と消滅が、悩みの深さを物語っている。
しかし、市販されている多くの“薄毛ケア用品”には、イメージ先行ばかりで効果に疑問視されるものも多く含まれているのだ。
日本皮膚科学会という社団法人の発行した『男性型脱毛診療ガイドライン2010』には、脱毛治療・成分などについて詳しく記載されている。
「塩化カルプロニウム」「t-フラバノン」「アデノシン」「サイトプリン・ペンタデカン」…いずれも耳慣れない成分の名前ばかりであるが、ちょっと調べると市販の対策用品ではメジャー級の成分であることがわかる。
実はこれらすべて、「行うことを考慮してもよいが,十分な根拠がない」という評価がされてしまっているのだ。
また、育毛シャンプーや育毛剤は毛母細胞のある真皮まで浸透することは無い。これらの製品が提唱する「毛穴の脂が原因」というのも、誤りともされている。
実は間違った情報が多い“薄毛知識”、十分注意したい。
薄毛対策の「情報強者」
お医者さんによれば、最近はネットやツールを駆使して、多くの情報を携えた患者さんが増えてきているという。
「特に若者はネットで薄毛や治療を徹底的に調べ、理解してから来院する傾向が強い」と語る。
これは、効果の無い“ケア用品”のまん延や、科学的根拠の無い処置を高額で販売する“育毛サロン”によるトラブルなどが背景にあると見られる。
また、これらの「薄毛情強」は30代に多いらしい。30代、40代のうちに薄毛専門医での治療を行うと、薄毛が改善されるということをわかったうえで来院するケースがほとんどなのだそうだ。
“正しい薄毛の原因”と科学的な治療
薄毛治療の研究はここ10年ほど。これまでは「遺伝」「男性ホルモン」などさまざまな原因が取りざたされていたが、科学的な要因はすでに判明しているという。
男性型脱毛症(AGA)の原因は、DHTというホルモン。代表的な男性ホルモン(テストステロン)と酵素(5αリダクターゼII型)の働きで生じるDHTが、結果的に発毛の抑制作用成分の発生につながっているのだ。
かいつまんで言うと「DHTを抑えれば薄毛は治療可能」というわけだ。
現在、DHTの発生を抑える薬として厚生労働省に認可されているのは『フィナステリド(商品名:プロペシア)』という内服薬だけである。
AGAの98%に有効であるとも言われている『フィナステリド』だが、法律上は医師しか処方できない。育毛サロンではなく専門医に問い合わせるのが近道だ。
ちなみに内服薬は1か月分で1万円前後が一つの目安となっているようだ。個人差はあるだろうが、3か月から10か月で効果が表れるケースがみられる(後述サイト参考)。
一昔前では「治らない」とされていた薄毛。状況は変わって、現在では有用な選択肢があるのはありがたい。
とりあえず自分の“現状”が気になる人は、冒頭でおススメした「ケータイ自撮り」でセルフチェックしてみては?
取材協力:銀座HSクリニック
http://hsclinic.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。