ASUSのゲーミングスマホ「ROG Phone 9 Pro」レビュー トリガーボタンのシャッターや背面LEDのミニゲームなど遊び心ある進化に注目

ASUS JAPANは、ゲーミングスマートフォンの新製品「ROG Phone 9」「ROG Phone 9 Pro」「ROG Phone 9 Pro Edition」を3月28日に発売することを発表しました。2024年5月に発売した「ROG Phone 8」シリーズの後継モデルとなる製品で、いずれもSoCにQualcomm Snapdragon 8 Elite、リフレッシュレート最大185HzでLTPOの1~120Hz可変リフレッシュレートに対応する6.78型フルHD+ディスプレイを搭載。ROG Phone 9は12GB RAMと256GBストレージ、上位モデルのROG Phone 9 Proは16GB RAMと512GBストレージ、最上位モデルのROG Phone 9 Pro Editionは24GB RAMと1TBストレージを搭載します。今回はROG Phone 9 Proをお借りしたので、レビューにてご紹介します。

シックなデザインに表現力アップした背面LED

外観は前モデル同様、ふだん使いになじむシックなデザインを採用。本体サイズはH163.8×W77×D8.9mmと、前モデルのW76.8から少しだけ幅が増えたのを除きほぼ同じサイズとなっています。お借りした9 Proと9 Pro Editionはファントムブラックのみで、背面はさらさらとした手触りのマットな素材を採用。ROG Phone 9は光沢のある素材とマット素材を組み合わせたファントムブラックとストームホワイトの2色をラインアップしています。

背面のミニLEDでアニメーション表示ができる「AniMe Vision」は、9 Proと9 Pro Editionは648個のLEDを搭載し、表現力がパワーアップ。日本語や中国語の文字が表示できるようになった他、カスタムGIFファイルのアップロードに対応しました。ROG Phone 9は85個のミニLEDを搭載します。

薄型ながら充実したインタフェースをそろえています。ディスプレイ面から見て右側面には電源ボタンと音量ボタン、両手で横持ちにした際に使えるショルダートリガーとして利用する超音波ボタン「AirTrigger」を搭載。

左側面には、Power DeliveryとDisplayPort Altモードによる映像出力に対応するUSB Type-C(USB 3.1)ポートを搭載します。側面ポートにARグラスを接続して、目の前の大画面でゲームや動画を楽しむことも可能。

底面のUSBポートはUSB Type-C(USB 2.0)で、映像出力には非対応です。底面にはSIMトレー、ヘッドホン端子も搭載しています。

側面、底面ともに付属の65W充電器で急速充電が可能。最大15WのQiワイヤレス充電にも対応します。バッテリー容量は5800mAh。充電器へ接続する際、バッテリーへ充電せずにシステムのみに電力を供給するバイパス充電に設定すれば、発熱やバッテリーの劣化を抑えることができます。

本体はIP65/IP68の防水・防塵に対応。NFC/FeliCaに対応し、前モデル同様「おサイフケータイ」が利用できます。

高パフォーマンスのゲーム機能にAI性能も強化

最新のSoCと充実したメモリー、前モデルから20%向上した冷却性能により、「ゼンレスゾーンゼロ」「PUBG MOBILE」といったリッチなゲームアプリが滑らかに動作します。

バックグラウンドのメモリーを一斉解放してゲームアプリのパフォーマンスを最大限に高める「Xモード」、パフォーマンスやゲームに関する設定ができる「Armoury Crate」アプリの機能をゲーム中にオーバーレイで呼び出せる「Game Genie」といった、ROG Phoneシリーズのゲーム支援機能もそのまま利用可能。

AirTriggerには、Game Genieから画面のタップ操作をショルダートリガーへ割り当ててゲーム操作に利用可能。PUBGでは左トリガーにエイム、右トリガーにトリガーを割り当てて快適にプレイし、無事ドン勝を達成できました。

ベンチマーク結果を見ていきましょう。「3D Mark」の「Wild Life Extreme」は5662、「Geekbench 6」のシングルコアのスコアは3028、マルチコアのスコアが9567と、前回レビューしたSnapdragon 8 Gen3搭載の「ROG Phone 8 Pro」と比べて大幅にスコアが向上しています。

AIベンチマーク「Geekbench AI」のCPUベンチマークでは、Single Precision Scoreが2513という結果に。サウンドレコーダーで会話内容をリアルタイムに文字起こしする「AI 文字起こし機能」、通話内容をリアルタイムに文字起こししたり翻訳ができる「AI 通話翻訳機能」といったオンデバイスAI機能を特徴として打ち出しています。

AI機能の強化により、ゲーム支援機能も充実。ゲーム内のイベントを自動で抽出してマクロ操作が適用できる「X Sense」がバージョンアップした他、ゲーム内のテキストをキャプチャーできる「AI Grabber」はゲーム内テキストの自動翻訳に対応しました。

カメラ機能にはAI撮影機能も

カメラは5000万画素広角、1300万画素超広角、3200万画素望遠の3眼構成。広角カメラは6軸ジンバルモジュールを搭載し、電子式手ブレ補正(EIS)と組み合わせて前モデルよい強力な手ブレ補正を実現しています。望遠カメラは3倍光学ズームと10倍のデジタルズームにより、最大30倍のズームに対応します。

120°の超広角から30倍ズームまで幅広く、色鮮やかで解像感の高い撮影ができました。

顔認証にも対応する3200万画素のインカメラは、RGB画素に白の画素を追加したRGBWセンサーを採用。光の取り込みが向上し、ノイズが低減できることから、薄暗い場所でも明るく高画質な自撮りが可能になります。

カメラ機能もAIで進化。撮影時に動いている被写体の背景をぼかす「AI流し撮り」、撮影した写真の画像や文字の歪みをっ補正し、写り込んだ影を除去できる「ドキュメントキャプチャー」、被写体以外の背景をぼかして動画撮影する「ポートレート動画」といった機能が新たに追加されています。

遊び心のある機能に注目

ゲーミングスマホらしい、遊び心ある新機能にも注目です。なくてもいいけど、あると楽しい……そんな所有欲をくすぐる各種機能が用意されています。

ゲーミングスマホならではのショルダートリガーは、カメラの撮影でシャッターボタンとして利用可能。軽いタッチでシャッターを切れるので、動きのある被写体を追いかけながら撮影する際に活躍するのでは。

9 Proと9 Pro Editionには、背面のLEDとショルダートリガーでミニゲームを遊べる機能も。Armoury Crateアプリから「AniMe Play」を起動して、ブロック崩しやスネークゲーム、2Dシューティングといったレトロゲームをプレイすることができます。

こちらはユーザーインタフェースのちょっとした工夫ですが、ロック画面に指で文字を書くと天気や時計など特定のアプリを起動できる機能を搭載しています。

ゲーミングスマホらしいこだわりはアクセサリーにも。別売りの「ROG Phone Chill Case」は、なんとベイパーチャンバーを世界で初めて内蔵するスマホケース。PC(ポリカーボネート)とPMMC(ポリメタクリル酸メチル)の複合素材を採用し、ケース装着時に冷却性能が17%アップします。

価格は15万9800円から

12GB RAMと256GBストレージ構成のROG Phone 9は、希望小売価格15万9800円(税込)。記事で紹介した16GB RAMと512GBストレージ構成のROG Phone 9 Proは希望小売価格18万9800円(税込)。24GB RAMと1TBストレージ構成で、外付け冷却ユニット「AeroActive Cooler X Pro」が付属するROG Phone 9 Pro Editionは希望小売価格23万9800円(税込)です。ROG Phone 9 ProはKDDI専用モデルとなり、全国のKDDI/沖縄セルラー直営店、au Online Shopでのみの販売になるとのこと。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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