【ここは法廷だゼ!】お金だけじゃなかった! 集金人が仕事中に集めていたモノとは

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8月31日の東京簡裁、罪名は窃盗。ただでさえ普段から傍聴人の多い霞ヶ関で、さらに傍聴人が激増する夏休み時期という事もあり、あっという間に満席になってしまうのでは……と焦って20分前に法廷前にたどり着いたが、そこには2名しか並んでいなかった。ラッキーである。裁判員裁判だったら満席だったかもしれない……。

罪名は窃盗といえども、これはワイセツ事案だった。元ラグビー部のようなガチムチ体型にスーツを着込み、はちきれそうな被告人(42・保釈中)は、事件までNHK受信料の回収会社に勤務していた妻子ある男性。今年の4月に千葉の某所で女性モノのパンツを盗み、さらに6月、今度は都内某所で干されていた女性モノのパンツを盗んで逮捕、起訴された。

この事件は逮捕当時、報道されており、それによればこの犯行当時も勤務中だったという。

かねてより女性の後ろ姿や下着が好きな被告人、4年前頃から、ネットで女性の後ろ姿の写真や、下着の画像を見ていた。ネットだけにとどめておけばよいものを、調子に乗った被告人は次第に街中で女性の後ろ姿を撮影したり、女性モノの下着を購入したりするようになり、ついには3年前から、女性宅のベランダに干された下着を盗むようになった。

そして仕事で赴いた千葉某所、都内某所で犯行に及んだという。都内の犯行は、持っていた傘の取っ手に引っ掛けてパンツを盗んでいた。けっこう手慣れてる気もする。後日、女性の後ろ姿を撮影したことで現行犯逮捕された際、女性モノの下着を所持していた事から、犯行が発覚したそうだ。

被告人は起訴状に書かれていることを全て認めたため、ソツなく裁判は進んだ。まずは妻が証人出廷し今後の監督を誓う。聞けば、5歳になる双子の女児がいるという。そんな子育て奮闘中に、ダンナは傘で女性のパンツを盗み、女性の後ろ姿を撮影してよろこんでいるとしたら……離婚の二文字が頭をよぎるのではないかと思うが、証人はこれからも被告人に連れ添って行くことを誓っていた。対する被告人は「娘が産まれてコミュニケーション不足だった」と犯行の理由を説明。また、起訴はされていないが、同種の余罪がたくさんあることを警察で話しているという。

「またやってしまった、とか、見つからなくてよかった、と考えていました。やめようとは何度も考えた事があります。悪い事をしていると思いつつ、何度も同じ事を続けてしまいました……」

こう語った被告人、今は無職になってしまい、就職活動中。「仕事だけでなく、いろんなものを失う寸前……失いかけてたんですよっ!」と諭す裁判官。これまで傍聴してきて、わかっているけど同じような犯行を重ねてしまう被告人らを何度も見てきた。全てを失う日が来ないことを祈るばかりである……。

それにしても、女性の後ろ姿に興奮とは……このような嗜好を持つ男性を初めて目にしたが、案外ポピュラーなのだろうか?

画像引用元:flickr from YAHOO
http://www.flickr.com/photos/chidorian/4313807022/

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高橋 ユキ

傍聴人。近著『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)、『木嶋佳苗劇場』(宝島社)ほか古くは『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』(扶桑社)など。好きな食べ物は氷。

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