おむすび、鳩、狐!?都内の神社の個性的すぎるお札&おみくじをめぐる旅
こんにちは。社寺やトラベルを中心に情報発信をしている、ライターの大浦春堂です。今回は東京を1泊2日でお散歩しながら、神社で入手できる、お札やおみくじ、お守りなどのかわいい縁起物を集める旅をしてきました。神社の由緒や神様を、見どころとともにご紹介していきましょう。
東京駅
集めたくなる!華やかな月次花御札
JR東京駅から旅をスタート。徒歩8分ほどの二重橋前駅から東京メトロ千代田線で6分、根津駅で下車し徒歩5分ほどで「根津神社」に到着です。根津神社は1,900年以上前の創建と伝わる古社。現存する豪華絢爛な朱塗りの本殿は江戸時代のもので、ほかにも神社の正門である唐門や楼門はすべて国の重要文化財に指定されています。
1706年(宝永3年)に完成した本殿
明治の文豪・夏目漱石は、境内をよく散歩していたそうです。
根津神社の境内には、ほかにも神様をお祀りした小さなお社・末社があります。参拝者が奉納した鳥居が続く乙女稲荷神社はそのひとつ。
この美しい鳥居の参道と、4月中旬から下旬にかけて約100種3,000株ものつつじが咲く「つつじ苑」は、ぜひ写真に収めたいスポットです。
根津神社のお参り後にチェックしたいのが、授与所で入手できる「月次花御札(つきなみはなみふだ)」です。紅梅や菖蒲など毎月絵柄が変わる木製の御札で、日本の四季の移ろいが華やかに描かれています。5月5日の端午の節句から9月9日の重陽の節句までの期間には邪気を祓うとされる飾り物「薬玉(くすだま)」の柄も登場。毎月通って、一枚一枚集めていく楽しさを味わってみては。ちなみに一年分まとめての授与も可能だそうです。
通常、御札は1年間で神社に返納しますが、花御札はずっと持ち続けることができます。
鶏はな
東京ならではの味、東京軍鶏の親子丼
ランチは、根津神社の北の鳥居を出て右折して徒歩すぐのところにある、「鶏はな」という東京軍鶏が食べられるお店に寄りました。
香ばしく焼き上げた軍鶏肉をとろっとろの卵でとじた「東京軍鶏 親子丼」は絶品! 食材として使用されている東京軍鶏は、東京都から「とうきょう特産食材」として認定されているそうです。じんわりと体を温めてくれる、セットの軍鶏スープはコラーゲンもたっぷり。鶏のうまみを存分に堪能できました。
王子稲荷神社
狐の縁起物
鶏はなを出て11分ほど歩き、東大前駅から東京メトロ南北線で8分、王子駅で下車します。北口から歩いて5分ほどのところにあるのが「王子稲荷神社」です。江戸の名所として浮世絵にも描かれたスポットで、江戸時代から続く「凧市」は火防守護のご利益があるとされる凧を求める人で賑わいます。
王子稲荷神社で人気の縁起物は、歌舞伎の衣装を纏った狐が描かれた紙に竹串を刺した「暫狐(しばらくぎつね)」。歌舞伎役者の9代目・市川團十郎が演目「暫」を上演する際に神社で祈願をしたところ、大当たりに。これにちなんで作られたからくり人形で、王子稲荷の土産として人気を博したそうです。張り子製の狐の人形「願掛け狐」はペンで願い事を書いて奉納しても、持ち帰って飾っても◎。
このほかにも参道に連なるお店では、一年を通じて狐の面や手ぬぐいなど狐のグッズを販売しているので、参拝のお土産におすすめです。
なかでも「王子 石鍋商店」は、明治時代から甘味処として営業しています。ここの酒まんじゅうは、狐の焼印入り!
高木神社
高木神社のおにぎり絵馬
JR王子駅から京浜東北線・根岸線でJR秋葉原駅へ。中央線・総武線に乗り換えたらJR浅草橋駅で下車。さらに都営地下鉄浅草線に乗り換えて都営地下鉄押上駅まで、トータル35分ほど。そこから7分ほど歩くと「高木神社」に到着です。
高皇産靈神(たかみむすびのかみ)という神様をお祀りしていることから、人と人のご縁を結ぶ「縁結び」のご利益があるといわれています。「結び」にかけて、授与所にはおにぎり形のかわいい絵馬や御朱印帖、御守がいっぱい!
人気のおにぎり形の絵馬は欠品していることも多いので、神社へ確認してからお出かけを。
再び押上駅から都営地下鉄浅草線で浅草橋駅へ、中央線・総武線に乗り換えてJR水道橋駅までトータル約20分。駅近くのホテルにチェックインして1日目の旅は終了です。
鳩森八幡神社
キュートな鳩みくじと将棋盤を模した王手勝守
ホテルをチェックアウトしたら水道橋駅から中央線・総武線で千駄ケ谷駅まで9分。駅から新国立競技場を横目に歩いて4分ほどで「鳩森八幡神社(はとのもりはちまんじんじゃ)」に到着です。
鳩森八幡神社は860年の創建と伝えられ、境内には東京都の有形民俗文化財に指定されている富士塚があります。富士塚とは江戸時代に富士山を模して作られた築山(人工的に作られた山)で、本物の富士山を登るのと同じく霊験あらたかだとされました。
都心のど真ん中にありながら、静かに佇む神社で、近くで働く会社員や小さな子ども達の憩いの場にもなっています。
「千駄ケ谷の富士塚」と呼ばれるこちらの築山には、富士山と同じく登山道があります。案内板に沿って登ってみましょう。足元は険しい岩場なので、スニーカーの着用がおすすめ。
富士塚の頂上からは境内を一望できます
お参りの後には社名にちなんだ「鳩みくじ」を引いてみましょう。ほかにも近くに将棋会館道場があることから、将棋盤を模した「王手勝守(おうてかちまもり)」も人気です。
おみくじは吉凶にかかわらず、持ち帰って暮らしの指針とするもの。結んで帰る時には指定のおみくじ納所へ。
船橋屋
新宿で食べる老舗の江戸前天ぷら
千駄ケ谷駅から中央線・総武線で4分のJR新宿駅へ向かい、東口から徒歩2分のところにある老舗の天ぷら屋「船橋屋」で、お昼に天ぷら7品とごはん、お味噌汁、香の物がついた「花」をいただきました。
胡麻油をブレンドした油で香ばしく揚げた天ぷらは、いくらでもペロリと食べられます。ほかにも豊洲で仕入れた旬のお魚をいただけるコースや、お刺身などの一品料理も豊富なので、お腹を空かせてから行きたいお店です。
阿佐ヶ谷神明宮
花すがた、神むすび……御朱印帳もかわいい!
新宿駅に戻り、中央線で7分、阿佐ケ谷駅に向かいます。「阿佐ヶ谷神明宮(あさがやしんめいぐう)」は北口を出たら歩いて4分ほどのところにあります。東京23区内の駅前と思えないほど、境内には自然がいっぱいです。
伊勢神宮と同じく、天照大御神をお祀りしている神社で、厄年の災いだけでなく、さまざまな災難や厄事を取り除く「八難除(はちなんよけ)」の御祈祷が有名です。「最近ツイてない」「悪いことばかり起きる」といったときにも、こちらで御祈祷してもらうことができます。
こちらでは、かわいい御朱印帳や花の形をした御守「花すがた」が入手できます。「神むすび」は神様が宿る御守なので、足に巻きつけるのは避けましょう。
阿佐ヶ谷神明宮から徒歩と中央線で約30分、東京駅まで戻ります。
今回は、1泊2日でかわいい縁起物や御守を入手できる神社をめぐりました。都心の中心部にある神社ばかりなので列車での移動が非常に楽で、東京のランドマーク観光とあわせてお参りできる場所ばかり。江戸の風情が残る神社めぐりは、近代的な東京とは別の一面を知るきっかけにもなるはずです。ぜひ新しい発見をしに、お出かけしてみてください。
東京駅
掲載情報は2020年3月31日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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