心が折れそうな時に効く新渡戸稲造の名言

 仕事で失敗を繰り返したり、結果が出ない時期が続くと、消極的になってしまったり、仕事自体が嫌になってしまったりします。
 そんな時、心の支えとなってくれる言葉を持っていると、気持ちが折れそうな自分を奮いたたせることができるもの。
 教育者・農学者の新渡戸稲造の著書『武士道と修養』(実業之日本社/刊)は、「克己心」、「礼節」、「誠の心」といった、日本人が忘れかけている武士道の精神がつづられている一冊ですが、その中に、困難に負けない勇気の養い方を語っている箇所がありますので、今回は一部紹介します。

■事が起きたら最悪の事態を想定すればいい
 稲造は、勇気を養う方法として、ある出来事に遭遇した時、それが極限に達したらどうなるかを考えてみることを挙げています。
 例えば、仕事でミスをしてしまったとしたら、そのミスに起因する最悪の事態とはどのようなものかを考えてみるのです。
 あらかじめ想定しておけば、少々状況が悪化してもうろたえずに済み、少しでも救いが見つかれば儲けものだと思えます。
 いい状態は長くは続かず、いつか悪いことが起こる。
 普段からこのような心構えでいれば、少々の失敗でくじけない心ができあがるはずです。

■あの黒雲の後ろには太陽が輝いている
 反対に、今まさに困難な状況にある時は、その困難の後ろにある光に思いを馳せることが大事です。
 切羽詰った状況で、もうダメだと思う時こそ死生の境界。そこで気力を落とせば地獄となり、発奮できれば長い間の苦労がまたたく間に消滅することがあると稲造はいいます。
 困難はいつか快楽に到達する順序だと心得て、目の前の問題に立ち向かいましょう。

■進む勇気と退く勇気があってこそ真実の勇気
 勇気は前に進むことだけではありません。やみくもに前進するのではなく、時にはじっと耐えることもまた勇気です。
 耐えて時機を待ったり、目の前の名誉利益に目を向けず、自分の本分を守ることは、行動を起こすことと比べると地味で人目につきません。
 しかし、稲造は勇気を養うためには「退く勇気」、つまり、耐え忍ぶ力も養わなければいけないとしています。

 今回は「勇気」を取り上げましたが、本書には誠実に生きるために心にとめておくべき稲造の至言が多岐にわたってつづられています。
 日々の生活のなかで「人としてどう生きるべきか」ということは忘れられがちです。ふとした時に自分を振り返る意味でも、新渡戸をはじめとした偉人たちの言葉に目を向けてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)



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