『PCエンジン mini』レビュー:懐かしさとともに自分の半生と向かい合う時間をくれるハード
アーケードの再現度がスゴイ! シューティングが面白い

『R-TYPE』のインパクトによって、筆者の周囲にはアーケードゲームを劣化なく遊ぶなら『PCエンジン』という認識ができつつあった。さらに、中学生になって周囲に「ゲームを遊ぶならアーケードゲーム」的な認識も生まれてきたので、ますます『PCエンジン』の存在感は増していったように思う。そんな時期を代表するタイトルのひとつが『スプラッターハウス』だ。アーケードゲーム『スプラッターハウス』の移植作。映画『13日の金曜日』のジェイソン似の主人公が、グロテスクな化け物と戦いながら恋人奪還を目指す横スクロールアクション。一応ファミコンにも移植されているのだが、子ども向けにデフォルメされた『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』という別作品になっている。このため、『PCエンジン』向けにストレートに移植された時のインパクトは強かった。

さらに『スプラッターハウス』以上のインパクトを与えたのが『源平討魔伝』。筆者の周囲ではアーケード版『源平討魔伝』の評価は別格だった。ステージによって見下ろし型アクション、横スクロールジャンプアクション、巨大キャラによる剣撃アクション……と大きく変わるゲーム性。さらに、人形浄瑠璃『出世景清』を原作とした圧倒的な世界観。『源平討魔伝』はファミコンに移植される際、ジャンルをボードゲームというまったく別ジャンルに変えて移植されることになった。その時も周囲の反応は、「さすがに『源平討魔伝』をファミコンには移植できないだろ」というものだったように思う。そんな『源平討魔伝』がPCエンジンでほぼ忠実に移植されたのだから、相当なインパクトだった。筆者の人生においても思い入れの深い作品だ。

『ストリートファイターII』によって格ゲーブームが起きる前、アーケードの花形と言ったらシューティングゲームだった。なので、アーケードの移植タイトルに強い『PCエンジン』には、当然のごとくシューティングゲームが多い。しかし、『PCエンジン』のシューティングはアーケードの移植版だから面白いのではなく、オリジナルタイトルでも面白いものが多かった。そんな中で筆者の思い入れが強いのは『ガンヘッド』。『ガンヘッド』は、ロボットものの特撮映画『ガンヘッド』を原作としたゲーム……なのだけど、ぶっちゃけ原作とゲームはほとんど関係がない。本作はゲームメーカーのコンパイルが制作した縦スクロールシューティングゲーム。
コンパイルは、後に『ぷよぷよ』を生み出すことになるが、『ザナック』や『アレスタ』シリーズといった良作シューティングで知られるゲームメーカーでもある。当時筆者は『MSX2+』というPCを持っており、『アレスタ』シリーズが大好きだったので、本作の思い入れが強い。ちなみに本作も『J.J. & Jeff』同様、『Blazing Lazers』という海外版が収録されている。

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