「適時」と「適宜」は似ている言葉だけど意味が違う!使い分けるポイントは?
「適時(てきじ)」と「適宜(てきぎ)」は意味がとてもよく似ている言葉ですが、読み方も似ているので使うとき迷ってしまいませんか?
ビジネスシーンでも頻繁に使われますので、正しい使い方を覚えておきたいですよね。いつでも間違えずに使えるように、ここでしっかりと確認しておきましょう!
「適時」と「適宜」の意味
「適時」と「適宜」はとてもよく似た言葉ですが、違う意味を持っています。
適時の意味
『適時』には、「その場面や状況にふさわしい時」「ちょうど良い時」という意味があります。
<例>
・10時の開演に合わせて、適時お集まりください
・適時休憩をお取りください
適宜の意味
『適宜』には、2つの意味があります。
「その場面や状況に合わせて」や「ちょうど良い」という意味と、「状況に応じて各自で判断し行動する」という意味です。
<例>
・質問等ございましたら、適宜対応いたします
・状況に応じて適宜お買い求めください
・味をみながら適宜砂糖を足してください
・適宜、必要な持ち物をご用意ください
使い分けるポイント
それぞれの意味と例を見てもとてもよく似ているため、まだ使い方に迷ってしまいそうですね。ここからは使い分けるポイントをご紹介いたします。
ポイントは漢字の意味を理解することですよ。
「時」と「宜」の意味を考える
「適時」と「適宜」に言葉で使われている「適」の漢字は、「ふさわしい」「よく当てはまる」という意味があります。
それでは「時」と「宜」にはどのような意味があるのでしょうか?
「時」の意味
「時」の漢字は時間を表します。すなわち「適時」は、「適当な時間」「ちょうど良い時」になります。
「適時」の「ちょうど良い」の対象は時間に限られているのです。
「宜」の意味
「宜」の漢字には、「都合が良い」「程よい」という意味があります。「適宜」は時間だけではなく、数量やタイミング、行動など広い範囲を対象に「ちょうど良い」というときに使います。
「ちょうど良い大きさ」「ちょうど良い速さ」「ちょうど良い進め方」など広い対象に使える、「ちょうど良い」なのです。
「適時」「適宜」の類義語
「適時」と「適宜」の類義語を見て、より理解を深めましょう。
適時の類義語
・「頃合い」
「ちょうどよい時、時点、時期」という意味で、適時よりも広い時間を表すときにも使います。
・「潮時」
「ちょうどよい時、時点、時期」という意味と、「物事を終わらせるのに適した時期」という意味を持ちます。
他にも、「頃」「好機」などが「適時」の類義語です。
適宜の類義語
・「適切」
適宜ととてもよく似た意味を持っており、「状況・目的やその場面などにふさわしいこと」という意味です。少し違うところは、「適宜」には行動が伴うときに使われることです。
・「適当」
2つの意味を持つ言葉です。「ある条件・目的・要求などにうまくあてはまること。ほどよいこと。」というときに使われるのは「適宜」の類義語です。
もう1つの意味「いい加減なやり方」は、類義語にはなりません。
・「必要に応じて」
「適宜」とほぼ同じ意味で使われます。
他にも、「適正」「手頃」「場合により」「しかるべく」「ふさわしい」「ケースバイケース」「臨機応変」などが「適宜」の類義語です。
英語で言うと?
では、英語での表現はどうなるのでしょう?
適時の英語
「適時」を英語で表現すると「timely」です。日本語の会話でも取り入れやすいので、普段から使われている方もいらっしゃると思います。英語の方が意味を理解しやすいかもしれませんね。
適宜の英語
「適宜」を英語で表現すると「必要に応じて」の意味を持つ「as appropriate」になります。
もしくは「適切」を表す「proper」「suitable」「appropriate」が使われますが、この3つはそれぞれ使い方が異なります。
・「proper」
正しいか間違っているかの判断で正しい場合
・「suitable」
適切な道具を使う場合
・「appropriate」
状況や背景を含めて適切に判断すること
まとめ
「適時」と「適宜」の意味と違いをお分かりいただけたでしょうか?
『適時』は「ふさわしい時間」のことで、『適宜』は「ふさわしいこと全て」「各自判断する」という意味でした。今まで雰囲気で使用していた言葉でしたが、これからは意味を理解して正しく使うことができそうですね。
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