平等という罠

平等という罠

今回は疑似科学ニュースのメカAGさんの記事からご寄稿いただきました。

平等という罠

そろそろ世代論(高齢者叩き)も飽きられてるんじゃないかと思うのだが、馬鹿の一つ覚えのように繰り返している人たちがいる。まあ高齢者叩きをすればとりあえず若者にウケるということなのだろう。しかもどういうわけか高齢者叩きは他民族叩きよりも良心が痛まないらしい。不思議な事だ。

「taxpayer – 四公六民、七老三若、九流一蓄」2012年07月27日『404 Blog Not Found』
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51814424.html

平等という言葉がみんな好きだけれど、平等という視点自体が偏見を含んでいることに気づいていない人が多い。平等の不平等性については古典的な話がよく語られる。ノッポとチビには同じサイズのベッドをあてがうのが平等か、ノッポには長いベッド、チビには短いベッドをあてがうのが平等か。

消費税や国民健康保険料の逆進性というのは、結局これと同じ問題なのだよね。別に消費税や保険料に限らず、あらゆるものは逆進性があるだろう。例えば水道料金。貧乏人でも金持ちでも使う水の量はそれほど変わらないだろうから、相対的には貧乏人の方が所得に占める水道料金は高い。水道料金には逆進性がある!不平等だ!

こういう話を突き詰めていくと、結局すべての価格は所得に対する相対価格にすべきなんじゃなかろうか。同じリンゴ1個買う場合も、所得が低い人と高い人では値段を変える。いっそ価格を金額じゃなくて所得に対するパーセンテージにしたらいい。このリンゴは月収の1%ですよ、とか。これなら高い所得の人も低い所得の人もまったく平等だ。そもそも所得の意味すらなくなる。完璧な平等。

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逆進性云々というのはそういうことだよね。所得の多い人が多く税金を払うことの妥当性というのは、それほど強固なものではないはず。同じサービスを受けるのに、所得の多い人はたくさん金を払わなければならないって、そんなに絶対的に正しいことなのだろうか。

もちろん弱者は保護すべきという考えは、それなりに正しいのだが、それをあたかも生得の権利のように考えるのはいかがなものか。行き着くところは完全に平等な社会、旧ソ連のような共産主義社会。

ソ連が脅威だった時代は、みんな「あんな社会にしちゃいけない」という歯止めがかかっていたのに、ソ連が崩壊して反面教師がなくなったら、皮肉なことに西側諸国が共産主義化しはじめた(苦笑)。

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あと、これも毎度馬鹿の一つ覚えの、個人資産の大半は高齢者によって所有されているから、個人資産に課税すれば、金の回転がよくなり景気も回復するという話。

俺にはそうは思えないけどね。個人資産って株券とかだよね(もちろん現金も含まれるけど)。株券を持ってると損するんじゃ、誰も株を買わなくなっちゃうんじゃないの?

経済を活性化するには、そうではなく現金だけの価値を下げることが必要。つまりインフレにすること。現金のまま持っていると損をするから、いろいろなものに投資し資産を増やそうとするわけだ。

だいたい「高齢者」とか「金持ち」という限定で巧妙に思考が誘導されているけど、もし若者である自分が、自分の貯金に課税されたら、慌てて貯金を下ろして金を使いまくるか?逆だろう。余計金を使わなくなる。それは高齢者だろうが若者であろうが同じ事。

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高齢者は金をもってるから、なんとかして吐き出させようという思考は、隣に国は豊かそうだから、侵略して彼らの富を自分のものにしちゃおうというのと同じ発想。

追記2012-07-29

はてブから。

それでも若者にお金出さないと、経済の活力は維持されないわけで。。

そういう考えがそもそも騙されている。若者に金を回すと経済が活性化するという主張をきちんと根拠をあげて述べている人っているの?若者ウケを狙った識者が創りだした幻想。

金融知識が無いために理屈が間違ってる。残念

あなたがなにを勘違いしているか見当つくけど、一言で済ます相手にわざわざ説明してやる義理はないねぇ(笑)。

個人の金融資産の56%が預貯金です>http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2012/2012win08web.pdf のP2

こういうの困るんだよね。「だから何?」としか言いようがない。想像で反論するけれど、以前も述べたが預金というのは銀行によって企業に貸し出され社会に再投資されているわけで、大金庫に札束が死蔵されているわけではない(そんなことをしたら預金の利子を払わなければならない分、赤字になってしまう)。だから預金者が間接的に企業に金を貸して(投資して)いることになる。

執筆: この記事は疑似科学ニュースのメカAGさんからご寄稿いただきました。

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