1996年から所持していたパソコン10台を振り返ってみた ベストは「Let‘s note」 ワーストは…|中川淳一郎

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1996年から所持していたパソコン10台を振り返ってみた ベストは「Let‘s note」 ワーストは…|中川淳一郎

 
最近の若者はスマホ使いに慣れた結果、パソコン(PC)の使い方が分からないし、むしろスマホの方が原稿は早く書ける――そういった意見もあるが、現在46歳の自分(スマホは持っていない)にとっては、PCこそ快適さNo.1ツールだと思っている。
1996年から2020年にかけて買ったPCを10台並べてみると、以下のようになっている。
 
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Aptiva(IBM)→Mebius(SHARP)→Gateway21→Dell→Sofmap→Let’s note(Panasonic)→NEC→Let’s note→LENOVO→Let’s note
Let’s noteが途中から入っているが、デスクトップPCとノートPCを併用してこの10年ほど使っている。小学館に週2回通うようになってから2台持ちとなった。小学館や海外旅行、国内出張を含めた外で使用するのがノートPCだが、今は事務所用でも大画面の2代目Let’s noteを使っている。あまりにもLENOVOがポンコツ過ぎたからだ。
何しろ、高速でタイピングをするとWordがかなりの頻度で落ちてしまい、まったく仕事にならなかったのだ。安かったが、「あんなクソPCを買わなければ良かった」と心から思う。結局8ヶ月しか使わなかった。今の事務所PCは7年使い続けているLet’s noteで、外で使っているのが2年ものの小型Let’s noteだ。
さて、はじめてPCを買ったのは1996年1月のことだった。IBMからAptivaというPCが登場していた。中谷美紀がサンバを踊るCMが印象的だったが、決めコピーは「よく遊び、よく働き、よく安い。人間万歳パソコン」だった。
 
参考記事:懐かしい! 中谷美紀がサンバを踊るIBMパソコンのCM 人間万歳!
 
この時は大学3年生の春休み直前にあたり、そろそろ卒論を書き始める必要があるため、PCを購入することにした。同級生で現在は大学教授をしている友人は自宅にPCを持っているため、一緒に秋葉原へ行き、彼に選んでもらうことにした。関西出身の彼はこう言った。
 
「あのな、今はモデム内蔵PCがええねん。Aptivaはモデムが内臓されてるからインターネットに繋げることができるねん。これにせぇ。あと、パソコンってもんは、常に新しいものが出るけど、『その段階の最高スペックのものを買え』」
この助言に従い、モデム内蔵(って若者には意味分からないかも……。要するにインターネットに接続できるPCという意味)のAptivaを24万8000円払って購入した。結局友人が言うところの「モデム内蔵だとネットが繋げる」の意味は当時はよく分からず、プロバイダと契約することもなくこのAptivaは結局はワープロとエクセルと内蔵ゲームをするだけの機能しか使わなかった。
だが、フロッピーディスクに保存するワープロで原稿を書くよりもハードディスクに文章を保存できることは圧倒的に優れていたため、プリンターを購入し、レポートや年賀状、そして卒論はこれで書くことができた。広告会社の新入社員として研修期間中に各部署の課題を提出するにしても、当時PCとプリンターを自宅に持っている者はあまりいなかったため、私は活字で印刷したテストの課題を出すことができた。
そうしたこともあり、希望した部署の試験ではどうやら全体で1位になれたようで、その部署への配属となった。本当は別部署を希望していたものの、その部署も第3希望の第3位に入れていたため、配属となった。
これが1997年頃のPCをめぐる風景だったが、その後、どんな大学生でもPCは使いこなすようになった。
 
おすすめ記事:拷問! PCなき平成初期の雑誌作り 誰もが興奮した紙メディアはこうして作られていた(私が編集したページ付き)|中川淳一郎 | TABLO
 
ところが2013年あたりから風向きは変わる。
当時一緒にイベントに何度も出演していた投資家・ブロガーの山本一郎氏は東大のプロジェクトに参画していたため大学生事情に詳しかったが、「最近の学生はパソコンよりもスマホのフリック入力の方が速いんですよ!」と言っていた。
結果的に私は2020年になってもスマホを持っておらず、すべての原稿執筆やメール、SNSの利用はPC頼りだが、まさかあの「最新鋭ツール」と言われたPCが若者にとっては「オワコン」扱いになるとは思ってもいなかった。
さらに、子連れの夫婦と一緒に飲み会などをすると大抵はタブレットを持っており、大人が会話をしている間、子供達はYouTubeを見るなどしている。
「パソコンこそ新時代の象徴」という時代が終わったことが「令和」を感じさせる。(文◎中川淳一郎 連載『俺の平成史』)
 
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TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

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