日本三大花火大会『長岡まつり』に行ってきた
日本の夏といえばやっぱり花火。日本に花火大会は数多くありますが、戦争の慰霊と震災復興という2大テーマで花火大会を開催されているのが新潟県・長岡市の『長岡まつり大花火大会(通称:長岡まつり)』( http://nagaokamatsuri.com/ )です。日本三大花火大会の一つでもある長岡まつりを、実際に見に行って来ました!
長岡ってこんなとこ
長岡市は新潟県中部にある市です。「長岡ってどんなとこ?」というあなたに、長岡一口メモを。
・戦国時代には上杉謙信がこの地を治めた
・江戸時代以降は越後長岡藩として栄えた
・現在は新潟市に次いで人口の多い市
・夏は暑いが冬は豪雪。お米とお酒の名産地
・東京からは上越新幹線で80分
長岡まつりが行われるきっかけとなったのが、長岡空襲。太平洋戦争末期の1945年(昭和20)年8月1日の午後10時過ぎに長岡市で起きた空襲で、長岡の街は激しく焼け、多くの人が犠牲となりました。この空襲でなくなった方のために開催された慰霊祭が、長岡まつりの前身と言われています。
現在でも8/1日には、前夜祭として慰霊のための灯篭流しと白一色の花火の打ち上げが行われます。これは慰霊と平和の祈りをこめた花火ですが、お年寄りの中には「花火の音が爆撃を思い出させる」というご意見もあるようです。
暑さと席取りに注意!
長岡まつり中、駅前は昼前から大賑わい。祭りの2日間での人出は約80万人。長岡まつりに合わせて帰省する人と、東京方面からの観光客でごった返しです。長岡の夏はハンパなく暑い上、人が多いのでので熱中症に注意です。さらに、花火の席取りが大変なのも『長岡まつり』の特徴。信濃川のほとりで花火があがるのですが、打ち上げ場所の全長は約5km。つまり、どちらかの端に寄ってしまうと花火が見づらい!
会場には有料指定席・有料自由席・無料観覧席とが用意されていますが、暑い中、信濃川の土手で席取りをするのはかなり大変。前もってチケットを押さえるか、多少見辛くても我慢するかどちらか。私は2日は有料自由席で、3日は無料観覧席で花火を見ることができました。無料席では花火大会のアナウンスが聞こえづらかったり、花火が見切れてしまったりしたので、ばっちり花火を見たい人は有料席をおすすめします。
正三尺玉と震災復興花火『フェニックス』
長岡まつりの花火は2夜連続で20000発。「打ち上げ、開始でございます!」のアナウンスとともに次々と花火が上がります。中でも人気なのが『正三尺玉』と『フェニックス』です。
正三尺玉とは、約1mの大きな火薬玉のこと。花火の単位は”号”や”寸・尺”で表されますが、一般的な花火が2~4号だとすると、正三尺玉は30号の超ビッグサイズ!長岡市は日本ではじめて正三尺玉の打ち上げに成功し、正三尺玉の発祥地として有名です。バシンッという轟音と共に、夜空いっぱいの大きな花火が打ち上がります!でかっ!
もう一つの目玉が、『フェニックス』。フェニックスはは新潟中越地震の復興祈願花火です。2004年の新潟中越地震では、長岡市は最大震度7を観測。死者68人、負傷者4805人の人的被害の他、住宅や道路にも甚大な被害が及びました。さらにこの年は地震に加え、水害と豪雪の自然災害も重なり、長岡市にとって大変な1年となりました。
翌年、災害からの復興を頑張る長岡市の人びとをを励ますために企画されたのが、復興祈願花火『フェニックス』。平原綾香の『Jupiter』のメロディーに乗せて花火があがる様が印象的。なんでも、震災直後この曲が新潟県内のラジオ局で多くリクエストされたためだそう。
花火に合わせて3分に縮小された『Jupiter』が響き渡る中、打ち上げ幅約3kmの距離で打ち上げられるフェニックスは、スケール感がものすごい!平原綾香の力強い歌声と、目の前いっぱいに広がる眩しい花火は感動的。長くて短い3分間ですが、記憶に残ることまちがいなし。是非一度生で見ることをおすすめします!
ちなみに今年の長岡祭りは、映画『この空の花』とのタイアップ花火が上がったこともあり、例年以上に華麗だったようです。ただキレイなだけじゃない、感動的な花火を体験したい方は来年あたり『長岡まつり』に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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