【原発20キロ圏内のリアル】表示されない放射線量モニタリングポスト――浪江町小丸多目的集会所
数値が表示されないモニタリングポスト
浪江町小丸多目的集会所。高瀬川渓谷という、清流に恵まれた美しい渓谷が近い。ここは双葉郡に文科省が置いたモニタリングポストの中で、最も高い数値を示している場所だ。しかし、ここでは数値が表示されていない。
通常、放射線量を測るモニタリングポストは電光表示器に測定結果が表示されている。しかしここではモニタリングポストが故障しているらしく、数値が表示されていないのだ。近づいてみてみると、モニタリングポストには蜘蛛の巣がはっていた。
手持ちの線量計で測ると空間線量は39.45μSv/h。
側溝を測ると1070μSv/h、つまり1ミリSv/hを超えていた。
現地ではその数値を知ることができず、壊れているものと思っていたら、文科省のサイトでは、この小丸集会所の数値も発表され続けていた。
モニタリングポスト自体は故障しておらず、電光表示器のみが停止してしまっているのだろうか。
文科省に問い合わせてみた。名前は教えてもらえなかったが、文部科学省原子力災害支援課の方に回答していただいた。
まず、このモニタリングポストはソーラーパネルで動いており、ソーラーパネルのバッテリーを優先で使うのは、「測定」「表示」の順となっているそうだ。現地で表示されていなくても、測定データーは送られてきてるので、測定はできているはず、とのこと。
「直近の値ではなく、バッテリーが切れる前の数値を送り続けている可能性は?」
ときいてみたところ、10分に一度、測定値を出して、データ送信をする仕組みだが、測定値の小数点以下がバラついているので、その可能性はないそうだ。
ちなみに、自分の線量計の方が10マイクロ以上高い数値が出るのは何故かきくと
「設置する時にコンクリで基礎を作るので、遮蔽されるのかもしれない」
という答えだった。
電光表示器については「今日直しにいく」と言っていた。
※「原発20キロ圏内のリアル」は、福島第一原発警戒区域20キロメートル圏内の現在の姿を写真とともにお届けするガジェット通信連載企画です。
連載「原発20キロ圏内のリアル」で福島第一原発警戒区域20キロメートル圏内の現在の姿を写真とともにお届けします。
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