『脱原発』で選挙に勝つ難しさ――山口県知事選は自公推薦の山本氏が当選
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29日に投開票が行なわれた山口県知事選は、元国土交通審議官の山本繁太郎氏(自民党・公明党推薦)が環境NPO代表の飯田哲也氏らを破り、初当選を決めた。脱原発(上関原発計画)とオスプレイ(米軍岩国基地に搬入済み)、日本中が注目する話題も争点になったが、「シングルイシューで争われる知事選は反対」という一定の民意が示された形だ。
事前の世論調査等では、山本氏が優勢だったものの、脱原発を強く訴える飯田氏の追い上げが伝えられて、その行方が注目された知事選。注目の高さから今回の投票率は前回・前々回を若干上回った模様だが、飯田氏への決定的な追い風とはならなかった。自民党王国と呼ばれるお国柄も響いたと思われる。
飯田氏の落選で全国的な脱原発運動に急ブレーキがかかるとは思えない。しかし脱原発を前面に押し出して選挙を戦う難しさは浮き彫りになった。代替エネルギーの確保や具体策の提示といった事項は短期間での解決が容易ではなく、そもそも知事の仕事はエネルギー問題のみに留まらない。
山本氏の「官僚出身」「自公推薦」の肩書きは決してプラスのイメージではない。それでも「中央とのパイプを生かして現実的な政策を遂行して欲しい」民意を背景に当選を果たした。マニフェストの第一項目に挙げる「産業力・観光力の増強に全力」を注ぎ、雇用対策等の実行力が求められることになりそうだ。
画像: 新山口県知事の山本繁太郎氏のマニフェストより
http://www.shigetaro.jp/wps/wp-content/themes/shigetaro/pdf/manifesto.pdf
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