2020年1月公開『ラストレター』が初登場4位、その魅力とは。

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写真①メイン ラストレター
 1月17日に公開された岩井俊二監督最新作『ラストレター』が国内新作映画の中で、実質、興行成績1位を記録している。1月18日~19日の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社提供)で総合4位に初登場。これは、この週に新作旧作合わせてのランキングのため、この中でその週に初登場した新作5本の内では1位にあたる。土日だけですでに1億円の興行収入と、好調な滑り出しを見せている。 
ストーリーは岩井俊二監督の出身地・宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まるふたつの世代の男女の恋愛と、それぞれの心の再生と成長を描く。すでに各媒体へのコメントにあるが、本作は自身の25年前の名作「Love Letter」(1995年)に呼応する作品であり、雑誌「SWITCH」の特集でも、「チャンオクの手紙」を膨らませたものであり、岩井作品の集大成であると自身で書いている。キャスティングは、すでに岩井作品に出演経験のある、松たか子や豊川悦司に加え、新たに神木隆之介や福山雅治といったビックネームが参戦。絶大なる人気の広瀬すずや新人の森七菜の起用もあり、豪華キャストが勢ぞろい。広瀬すずと森七菜が一人二役を演じ分けているところなどは、『Love letter』の中山美穂を思い出す人も多いだろう。また、書けない小説家という役柄で、普段とは違ったキャラクターに挑戦した福山雅治の演技にも注目したい。
劇中、登場人物の不可思議な行動や突発的な事件は、やがて自然な微笑を生む。出演者と一緒に謎解きをしながら物語を追うような。手紙を書くシーンが続いても、感情移入ができ、興味が尽きない。音楽の効果も大きい。主題歌は出演者のひとりである森七菜のデビュー曲「カエルノウタ」。フレーズやメロディが頭の中でループ再生している。映像は自然の風景と日常の風景、人物といった各カットは、まるで写真集をみているような感覚に陥る。シーンによっては、親しい人がビデオを回していたような親密感を持つ。
また、岩井監督作品が連日、BS放送等で特集が組まれていて、環境のある人は自宅にいながらして、岩井作品の旧作を振り返ることができる。映画公開初日には、「Love Letter」「スワロウテイル」「四月物語」と3本まとめてWOWOWで放送されていた。私も一気に三作品を観た。少なからずも、手紙つながりの意図を少しは理解できただろうか。

手紙のモチーフについては、SNSなどの普及でスピードコミュニケーションが当たり前の時代に、ゆったりとした時間の経過の中で、お互いの気持ちやコミュニケーションをはぐくむ「手紙を書く」ことの大切さを伝えてくれた。

自分の話で言うと、15年以上も前になるが、母の葬式に母あてに手紙を書いた。自分への反省と母への感謝、母がいないけど、「これから頑張るよ」という決意表明だった。自分と向き合う、いい時間になった。

ある意味、岩井監督作品の集大成といわれるべきこの作品を、ぜひ、劇場で確かめて欲しい。
【コピーライト】(c)2020「ラストレター」製作委員会【公開日】2020年1月17日【公式サイト】https://last-letter-movie.jp/

(Written by フルタイム 佐藤正子)

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