事実が真実をねじ曲げてしまった実話……イーストウッド監督最新作『リチャード・ジュエル』物語のカギを握る5人の登場人物をご紹介

『アメリカン・スナイパー』、『ハドソン川の奇跡』など、実話を基にした傑作を世界に問い続けてきた監督クリント・イーストウッド。2020年に90歳を迎える巨匠の第40作目となる『リチャード・ジュエル』は、1996年アトランタ爆破事件をめぐる緊迫の実話サスペンス。1月17日より公開となります。

『リチャード・ジュエル』
爆弾の第一発見者として数多くの人命を救った英雄が、僅か3日後に第一容疑者として捜査対象となる。この情報が漏洩し、メディアが実名報道され、名誉だけではなくプライバシーまでも奪われてしまう。そんな時、リチャードの無実を信じる弁護士ワトソンが立ち上がる。だが、ふたりの前には事件解決を急ぐFBIの強引な捜査、そしてスクープという獲物を狙うメディアリンチの罠が待ち受けていた。

本作『リチャード・ジュエル』には、実は”悪人”がひとりも登場しません。待望の日本公開前に、実話サスペンスのカギを握る5人のキーパーソンをまとめてご紹介します!

■リチャード・ジュエル:ポール・ウォルターハウザー
1996年アトランタの公園で不審な荷物を発見した警備員。事件の第一発見者として讃えられるが、警官への憧れやガンマニアであることから第一容疑者とされてしまう。幼い頃から警官に憧れ、いつの日か法執行官となって、二人暮らしの母に少しでも贅沢をさせたいと願う息子でもある。弁護士のワトソンとは、1986年に備品係をしていた職場で知り合っている。

■ワトソン・ブライアント:サム・ロックウェル
リチャードと出会った頃はアトランタ市庁舎で弁護士として働いていた。その後独立し、1996年当時はアシスタントのナディアと個人事務所を設けていた。誠実で実直、歯に衣着せぬ物言いでクライアントを守ろうとする正義漢。無実を信じて闘う決意をしたワトソンは、父親的な存在としてリチャードを励まし続ける。

■ボビ・ジュエル:キャシー・ベイツ 第77回ゴールデン・グローブ賞《助演女優賞》ノミネート
1996年当時、保険の勧誘員として働きながら、34歳になる息子と二人で暮らしていた。事件で大活躍した我が子が報道される姿を誇らしく見つめていたが、その数日後に、事態は思わぬ方向へと進んでいく。容疑者とされた息子を常に信じ続けた勇敢な女性だ。

■トム・ショウ:ジョン・ハム
事件に直面した複数のFBI捜査官から設定された人物。事件現場となった公園を担当し、事件の陣頭指揮を執る。国際的なイベントで起こった事件解決のために、犯人逮捕を最優先に容疑者リチャードを追い詰めていく。

■キャシー・スクラッグス:オリビア・ワイルド
地元メディアの女性記者として、常にスクープを狙う敏腕女性記者。FBIの捜査情報をいち早く耳にした彼女は、リチャードが第一容疑者だと実名報道し、一面トップの記事をものにするが…。

『リチャード・ジュエル』は、爆弾犯にされたリチャード、潔白を信じる無謀な弁護士ワトソン、彼らを見守る母ボビが体験した苦難の88日間を描きます。

映画には必ず悪人が登場すると思われる方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。リチャードを追求するFBI捜査官トム・ショウは、国家の威信をかけて懸命に容疑者逮捕を目指しただけ。ワトソンを激怒させた女性記者キャシーも、地元メディアの記者としての使命を果たそうと奮闘しただけ。一見悪人と思われがちな彼らは、所属組織に対して忠実に使命を果たそうとしただけなのです。

「この物語は、今、我々の周りで起きていることとすごく似ている」というクリント・イーストウッド監督最新作は、事実が真実をねじ曲げてしまった実話を描きます。SNSが定着した現代社会では、思わぬ所で「加害者」や「被害者」になってしまう危険に満ちている。監督は、「23年前の事件でリチャードが体験した苦難が現代人に対する大きな教訓になるとするなら、それこそが英雄ではないか」と語っています。

クリント・イーストウッドが、今を生きるすべての人に捧げる実話サスペンス『リチャード・ジュエル』は、1月17日(金)全国ロードショー。

『リチャード・ジュエル』
http://wwws.warnerbros.co.jp/richard-jewelljp/

(C)2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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