受託開発脳から自社開発脳へ切り替えの7つの壁
この記事は田向祐介さんのブログ『ヴェルクのブログ ~ IT起業の記録』からご寄稿いただきました。
受託開発脳から自社開発脳へ切り替えの7つの壁
これ、思ったより大変でした。
自分含め、うちにいるメンバー全員、これまでの経歴では受託開発をメインにやっていたため、自社サービス開発の経験はかなり少なかったです。
でも、ヴェルクでは、受託開発をしつつ、時間を作って色々と作っていこう、というスタンスのため、起業直後から色々と企画を考えていました。
でも、受託開発脳から自社開発脳への切り替えは思った以上に苦労しました。
要件定義等でお客さんと一緒に要件を考えたりしますが、最終的に「やりたい事」を持っているのはお客さんになります。
要件定義の前の企画やグランドデザインと言った分野はお客さんの戦略に沿ったものになります。
だから、最終的には、誰かが答えを持っている事が殆どです。
そのため、ゼロからそれを考える事があまりないんですよね。
いざ、ゼロから自分たちで企画を考えようと思った時、いろいろと壁がありました。
1. 本当の意味でのブレスト
本当の意味でのブレストが苦手です。
どうしても、すぐに答えを探したり、綺麗な回答を出そうとしてしまいます。
それはそれで必要な思考フレームワークですが、自由な発想が必要な場合は妨げになってしまいます。
2. 自分のアイデアの問題点を直視するのが苦手
最初に「いい!」と思って始めた企画でも、途中で問題点に気づいたり、 引っかかりがあってもそのまま突き進んでしまいがちです。
誰しも自分のアイデアの課題を指摘したくはないです。
でも、これをしないと、適切な改善はできません。
3. 人を巻き込むのが苦手
基本的に、要件として決まったものを作るのが受託開発です。
そのため、いろいろな人を巻き込んで試行錯誤するということに慣れていません。
身の回りに意見を聞いて反応が良ければそれでよしとしてしまいがちだし、逆に、ネガティブな意見は流してしまいがちです。
4. 誰かが答えを持っていると思ってしまう
受託開発の場合は、大抵、お客さんが最終判断をしてくれますが自社開発の場合は自分たちで最終判断をする必要があります。
5. 自分たちとの戦い
ちょっと面倒な実装やスケジュールに対して、自分たちに甘くなりがちです。
受託開発の場合は、お客さんに対するコミットがありますがそれがない場合、自分達で厳しくしないといけません。
6. 最初にウケなかったら諦めてしまう
いきなりヒットするサービスなんて殆ど無いはずです。
頭では分かっているのですが、受託開発の場合、良いモノを作ればお客さんが評価してくれます。
7. 継続的改善が苦手
受託開発の場合、システムリリース後、実際の利用現場を見ることはあまりありません。
自分達で問題点を分析して改善していくということは、頭では分かっていても、なかなか継続的にできませんでした。
この1年ちょっとの間で、自分たちでいろいろと作ってみて企画のたびに、こういう課題を感じて、次に活かしていくことを繰り返して、だいぶ自社開発脳に切り替えられるようになってきた気がします。
受託開発で必要とされるスキル、自社開発で必要とされるスキル、それぞれ特性は違いますが、どちらも経験積んで、自由に使いこなせるようになるとすごく幅が広がっていいですね。
執筆: この記事は田向祐介さんのブログ『ヴェルクのブログ ~ IT起業の記録』からご寄稿いただきました。
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