片手で持てる新感覚! 超小型PC Viliv S5レビュー
『Viliv S5』とは、韓国YUKYUNG Technologies社が開発した超小型のパソコン(PC)です。先日BRULÉ社が日本での取り扱いを発表し、7月8日より予約受付を開始しています。すでに海外では販売を開始しているモデルですが、ついに日本上陸です!BRULÉ社では日本語版のWindowsをインストールし日本語化した上で販売するとのことで、「え?海外製?」という方でも安心です。ガジェット通信編集部では、この超小型PC・Viliv S5を発売前にお借りすることができましたので、さっそく触ってみることにしました!
外観はぱっと見て「これがPCである」とはわからないほどコンパクト。『ニンテンドーDS Lite』と並べてみても、一回り大きいくらいのサイズに収まっています。片手にすっぽりと収まってしまいます。ただし、重さはニンテンドーDSとは違い少々重量感があります。「重い!」というわけではなく、中身がぎっちり詰まった安心感のある重さ、とでも言えばいいでしょうか。持つと、あ、これはPCなんだな、ということを実感します。
質感は悪くありません。安っぽい感じはまったくなく、シンプルなフロントパネルのデザインとあいまって見た目だけなら液晶テレビやカーナビを眺めているような感じです。デジタルガジェットとしての所有感も上々でしょう。
起動すれば中身は普通のWindows PCなわけですが、このViliv S5、思い切ったことにキーボードがありません。ではキー入力はどうするのか?というと、ソフトウェアキーボードを使用します。ソフトウェアキーボードは画面右側のボタンを押すと瞬時にポップアップし、両手で本体をつかんで両親指を使用する、いわゆる「親指タッチ」に最適化した形式でキーボードが表示されます。また、キータッチごとに内蔵のバイブレータが一瞬ぶるっとふるえ、キータッチがあったことを感触で伝えられるようになっています。このような工夫により、文章の入力まではなかなか厳しいものの、短文やURL・キーワードの入力程度なら普段の利用で困ることはないでしょう。
USB端子は1つ。ほかにminiサイズのUSB端子もついていますが、これは「母艦」PCとの接続に使う特殊なUSB端子となります。USB通信機器とUSBカメラなどを同時に使用したい場合は、USBハブを使用するか、Bluetoothなどの無線通信を併用する必要があります。
また、特筆すべき点としては「ACアダプタが小さい!」こと。ACアダプタの容量は5V 3A。ノートPCのACアダプタが5Vってのはまた珍しいのではないでしょうか?モバイラーにはこのACアダプタはちょっとうれしいですね。
実際のPCの速度感は、スペック以上にサクサクした印象を受けます。Windowsの起動や終了も非常に早く、下手したらサスペンドを使う必要すらないかも(いちいちシャットダウン・起動してもそれほどストレスではないかも?)とおもわせるほどの速度。起動した後も通常の利用ではまったくストレスを感じませんでした。『YouTube』の視聴もサクサクです(ただし、HD画質の再生はさすがにCPU能力が追いつきませんでした)。しばらく操作した後、廃熱は全体、特に背面がほんのり暖かい程度。排気口もあるのですが、ファンの音や「熱い」と思えるような個所はまったく確認できませんでした。CPUに負荷をかけ続ければまた変化があるかもしれませんが、このデバイスが想定しているであろう通常のインターネット利用ではまったく不快感はないのではないでしょうか。
まとめますと、難点は、キーボードがない、USBの口が1個、スマートなWANへの接続方法が限られる……すなわち、Bluetooth/無線LAN/USBで接続できるわけですが、USB通信機器をこのきょう体につけるとちょっと持ちにくいのでBluetooth接続可能な環境か無線LANのモバイルアクセスポイントを用意したくなる……、ポケットに入れるにはちょっとだけ大きい。そして利点は、なんといってもこのサイズで実用的なフルWindows PCが動作する。GPSも内蔵、と、これにつきます。
利点と難点をともに理解した上で、自分の用途にこれはハマる!という方にとっては、この上なく「買い」の一品ではないでしょうか。
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