実録: 隠れ腎臓病の人に起きた10のこと

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どうもどうも、ライターの丸野裕行です。

僕の父親は52歳で亡くなりました。その原因は様々なのですが、彼の体にとって大きな負担となっていたのは慢性腎不全という病気です。

生活習慣病というのは、知らず知らずのうちに体をむしばむもの。膵炎や糖尿病とともに、腎臓病も非常に怖い病気です。

腎臓というのは、体内の水分調節をしたり、溜まった老廃物を尿として排泄させる機能を持つ臓器です。しかし、腎炎などの腎臓にダメージのあるトラブルを起こしてしまうと、血液を濾過する機能が極端に低下して体の老廃物をしっかりと排泄できなくなります。

その結果、体の中に不要なものや有害な物質が溜まってしまいます。

43歳を迎えた僕の友人の中にも、腎臓病を患っているヤツがいます。血液中の不要な老廃物と水分を強制的に除去し、不足している成分を補う人工透析を週3回ペースで行っています。

彼らが口を揃えて言うセリフは「まったく気がつかなかった」。自覚症状があまりなく、1年に一度の健康診断などで判明してしまうケースが多いのです。

人工透析というのは、何時間もかけて行わなければいけない腎不全治療です。治療を終えた後は、強烈なだるさに襲われたりするので、相当負担が大きいものと思います。

今回は、健康だと思っていたのに実は隠れ腎臓病で、突然人工透析が必要なほどの末期の腎臓病の症状に見舞われた彼らの身に起こった10の出来事について、お話していきたいと思います。

「えっ、この自覚症状って、覚えがあるんですけど……」なんて思っているそこのあなた! 今から紹介する10のチェックポイントと症状を照らし合わせ、手遅れにならないように早めに受診をしてくださいね!

腎臓病を疑う5つのポイント!

基本的なお話をしていきましょう。腎臓というのは、いったいどんな働きをしているのでしょうか?

1.体内の老廃物を尿として、体の外に排出
2.体の水分や電解質を正常に保てるように調節
3.血液を作るホルモンと血圧調節してくれるホルモンを分泌
4.食物や日光から取り入れたビタミンDの活性化を促す
5.必要のないホルモン(インスリン、成長ホルモン、PTH)を壊して排出

様々な働きをする腎臓。まず最初に、注意したい初期症状の5つを解説していきたいと思います。

腎臓病発症で起こること~その1~ おしっこが泡立つ

腎臓病で尿にたんぱくが混じると尿の粘稠度(ねんちゅうど:粘り気や密度の高さ)が上がり、尿が白く泡立つようになります。

この他、尿に濃い色(茶色、赤、橙色)が付く場合もあります。

腎臓病発症で起こること~その2~ 強烈なむくみ

体内の老廃物を排出できないと尿毒症になります。同時に体の水分も排出できないので、全身が恐ろしいほどむくみます。特に下半身がゴムまりのようにブヨブヨになってしまいます。

腎臓病発症で起こること~その3~ 皮膚が黒ずむ

腎臓が悪くなると、老廃物と水分が体内に蓄積し、ドス黒い顔色になったりします。

腎臓病発症で起こること~その4~ 尿が少なくなる

体内をアルカリ性に保ってくれる腎臓が正しく働かないと、水分が溜まってきます。すると、尿量が極端に減ります。

腎臓病発症で起こること~その5~ 独特の体臭と口臭がする

老廃物が蓄積した影響で特殊な体臭になる人がいます。腎機能低下すると独特のアンモニア臭がしてきます。これはかなりショックです。

私の友人の話によると、口臭に関しては魚が腐ったような臭いになり、口の洗浄液が手放せない状態になるといいます。

“重度の腎臓病”を疑うポイント5つ!

ここからは、重度の腎不全まっしぐらの症状を解説してたいと思います!

「この症状、心当たりがある!」とひとつでも当てはまれば、必ず病院にかかって、検診を受けてください。

腎臓病発症で起こること~その6~ 手足や唇、顔のこわばり

腎臓病が進行してしまうと、カリウムが溜まって、手指がしびれたり、口唇がしびれたりします。これは電解質を調整できないために起こる症状です。

腎臓病発症で起こること~その7~ 血尿が出る

オシッコに立ったときに、真っ赤な血尿が出てしまうのも腎臓病の特長ですが、検尿で初めて判明する人も多いようです。

さらに、体内で分泌物が固まって石状となったもの結石ができやすくなったりと、痛みを伴う症状が出ます。

腎臓病発症で起こること~その8~ 高血圧症になる

腎臓に異常をきたすと、高血圧になり、体に大きな負担をかけます。

医師にかかって降圧剤の投与をきちんと受け、正常の血圧を保たなければ、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症を起こします。

腎臓病発症で起こること~その9~ ネフローゼ症候群

ネフローゼは、腎臓障害でとんでもない量のたんぱく尿が出て、血中たんぱく量が不足しコレステロール値が上がったままの状態をいいます。健康診断などで指摘された場合は病院に行きましょう。長い間ネフローゼ症候群が持続すれば、慢性腎臓病になるリスクが増してしまいます。

腎臓病発症で起こること~その10~ 尿毒症

もし血液検査などで尿毒症を指摘された場合は病院でできるだけ早く治療を受けてください。尿毒症になると、血中にカリウムが多くなり最悪の場合は心臓が止まるということがあります。血液を人工透析でろ過しなければ、意識障害ののち、死に至ってしまいます。

僕自身、慢性膵炎を持っているので、膵性糖尿病から腎不全を起こしてしまう可能性があります。

ひとつの病気を発症すると、次々と合併症を起こしてしまうのが、消化器系の病気がもつ恐ろしいところ。

もしあなたが健康診断などで“隠れ腎臓病”の兆候を指摘された場合、あるいは前出の症状が出ている場合は、この機会に医師の診断を受けるべきです。

早期発見であれば治療の幅が広がります!

(C)写真AC

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(執筆者: 丸野裕行) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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