ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう
  • 『ミッション:インポッシブル/フォール・アウト』サイモン・ペッグインタビュー「ベンジーがイーサンに唯一勝てる場所」とは?
  • 『ブレードランナー 2049』ハリソン・フォードインタビュー「仕事は好きなんだ。役に立ちたい。チャレンジが好き」
  • 『パシフィック・リム:アップライジング』監督&ジョン・ボイエガに「ぼくのかんがえたさいきょうのかいじゅう」を見てもらった!
  • 注目俳優・太賀インタビュー「誰しもが漠然とした不安を抱える10代だった」 映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』
  • 『アントマン&ワスプ』エヴァンジェリン・リリーインタビュー「7歳の息子がワスプになりきっているのをこっそり見てしまったの!」
  • 性別や年代によって楽しみ方が変わる映画『妻ふり』 榮倉奈々&安田顕インタビュー
  • 『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で大大活躍中! チューバッカさん直撃インタビュー:動画  
  • 『スーサイド・スクワッド』のダイバーシティを担う二人に直撃 「人間関係を構築するのに必要なこと教えよう」
  • コムアイ(水曜日のカンパネラ)インタビュー「お風呂に入った猫がシュッと細くなってしまうところが情けなくて愛しい」
  • 柄本佑が前田敦子を絶賛「“僕のあっちゃん、私のあっちゃん”にしたくなる魅力がある」
  • 窪塚洋介が明かす未体験への挑戦と驚き 映画『沈黙-サイレンス-』でハリウッドデビューを飾る
  • 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でカイロ・レンはどうなっちゃうの? アダム・ドライヴァーを直撃!
  • 『レディ・プレイヤー1』キャストインタビューで判明!「実際にこの映画をテーマにしたゲームが発売予定だよ」
  • 『ジュマンジ』でタフな美女戦士を熱演! カレン・ギランの好きなゲームは「メガドライブ『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』」
  • 俳優・中村倫也インタビュー「女子の周りから固める恋愛作成は逆効果な気がします(笑)」
  • 大泉洋『探偵はBARにいる』シリーズへの愛を語る「“好きなんだけど映画館には行かない”だと続かない」

体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

科学の心と低線量被ばく

科学の心と低線量被曝

この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
※こちらは6月25日に書かれたものです。

科学の心と低線量被ばく

先日、ある読者の方から「低線量でDNAの損傷がない」という論文を送っていただきました。それは健康に関する医療ニュースでその中に論文が紹介され、理科系とおぼしき人が「このような論文があるのだから、規制は厳しすぎる」というコメントをつけていました。

科学に携わるものとして、残念ですが、エセ科学者がこの世に多いことも確かです.とくに「政権にすり寄る科学者」がいるのはある意味で仕方が無いと思います.

スターリン時代のソ連ではすべてのことに政治が優先され、その中で「ルイセンコ学派」が誕生しました。「共産主義の元で育つ穀類や野菜は良く育つ」という理論で、このばからしい理論が当時のソ連の学会を支配したのです。

科学は「何が正しいかわからない」という疑いが第一ですから、共産主義の元で植物の生育が違うということが起こっても良いのですが、このような画期的な結論をだすには長い間の慎重な研究が必要です。でもルイセンコ学派の場合は「そのほうがお金がもらえるから、名誉が得られるから」というのが動機ですからもちろん科学でも何でも無いのです.

* * * * *

かつて「石けん・洗剤論争」というのがあり、主婦を中心として「洗剤は環境を汚す」という神話が誕生したことがあります。私はそのようなことがあり得るのか調べるために、当時知られていた200ほどの論文を読んでみました。

その結果、確かに洗剤が環境を汚染するという論文はあるのですが、それがある特定の研究機関だけで、その結果は他の研究機関ではデータとして認められていませんでした。

次に40ばかりある「洗剤は環境を汚染する」というデータのチェックをしました。そうすると論文ですからある程度の信頼性があるのですがやや特殊でデータも少なく、結論にも飛躍が見られました。

つまり、科学論文は結果を示すだけではなく、それに対する著者(学者)の考えが書いてあるものなのですが、それがつじつまが合っていないのです.新しい発見はそれまでの知見で説明できないことがあるのですが、それでも「なぜ、同じ界面活性剤で違いがあるのか?」というぐらいの説明か一部の研究が必要です.

もう一つ、私たちは「実験データ」と「科学的原理原則」の関係も核にします.たとえば被ばくなら、エネルギーの高い電磁波(放射線)と高分子物質(人体)の関係はさまざまな研究でわかっていて、それと被ばくデータの関係を考えます.

また、 人間は原始的動物やマウスなどと違って、放射線の損傷に対して素早く修復する力を持っています.だから、ただDNAが破損したからそのままガンになるというものでもありません.

* * * * *

つまり、石けんと洗剤の問題でも、低線量被ばくと健康の問題でも

科学は慎重です.そしてわからない時には「危険側」に重点を置き、徐々にその限界を明らかにするという原則を守ります.その意味では、「石けんと洗剤」という問題は、「石けんでも洗剤でも使用する量を減らす」というのは安全側なのですが、「石けんと洗剤のどちらが危険」という判断は「危険側」がないのです。

低線量被ばくは問題がないという論文は多くあります。同時に危険という論文もあります。このようなとき科学は謙虚に「わからないから安全側に」というのが「科学の心」と言うものです.

一般の人をだますのは専門家にとって簡単なことですが、同時に専門家は「専門家の倫理」によってそれを厳しく戒めています.最近の低線量被ばくの報道を見ますと、ルイセンコ学派(お金と名誉)の人や、科学の心を持たない人、それに専門家の倫理に厳しくない人が目立ちます.
(平成24年6月25日)

平成24年6月25日『科学の心と低線量被ばく』 武田邦彦氏音声ファイル『ニコニコ動画』
http://www.nicovideo.jp/watch/1340940281


執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

寄稿の記事一覧をみる

記者:

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。