部下のやる気を高めて成功に導くための6つの質問
仕事の成否に必要なものはなんでしょうか。個々のスキルやモチベーションももちろん大切です。しかし、忘れてはならないのが仕事はチームで行うということ。上司と部下の関係、部下同士の関係と、人間関係が何よりも大切になってきます。
その中で、上司の立場にある人は、部下たちの不満や問題を取り除き、チームのモチベーションを高めていかなくてはいけません。
『しつもん仕事術』(日経BP社/刊)は質問を通じて仕事力をあげたり、部下たちのやる気を高めたりする方法を、“質問家”の松田充弘氏が伝授する一冊。その中から、上司が部下を成功に導くための6つの質問をご紹介します。
■「今、何がうまくいっている?」
ほめることは部下のやる気を引き出すためにも大切です。しかし、どうほめていいか分からないという人も多いはず。
そんなとき、まずはほめる材料を見つけなくてはいけません。この「今、何がうまくいっている?」はそのための質問です。ほめる部分を相手から引き出し、「いいね」「よく頑張ったね」とねぎらいの言葉をかけてあげましょう。もし「ありません」と返されたら、「小さなことでもかまわない」と言ってください。地味なこと、小さなことでも本人が頑張っているポイントを見つけ「○○してくれてありがとう」とほめてあげるのです。
■「終わったとき、どんな状態になっていたら最高?」
チームでプロジェクトを進めるときは、まずこの質問をメンバーに投げかけましょう。
同じ行動も目標があるのとないのとでは大違い。目標はモチベーションに大きく関わります。成功後の姿をチームで共有し、そのために何をすべきか、自分の役割は何か、今日からできることは、といった具体的なアクションにつなげるのです。
■「どのようにしたらうまくいくと思う?」
部下が問題に直面して悩んでいるとき、上司はどうしても「なぜできないんだ」と思ってしまいがちです。だからといって、責任を追及するための尋問は不毛であり、何も生み出しません。
質問は、部下が自ら課題を発見し、解決できるように導くためにすべきもの。「どうしたらうまくいくと思う?」と声をかけて、部下が自分で解決できるように助けてあげましょう。
■「自分たちの共通点は何だろう?」
人はお互いの共通点を見つけると、心理的距離が近いて親近感を抱くようになります。これは心理学の用語で「類似性の法則」と呼ばれます。
共通点を見出すこの質問を使ってチームの一体感を生み出すことで、目的への結束を強めることができます。ちなみに、見出す共通点は好きな音楽、趣味など、仕事以外の話題の方がいいでしょう。
■「何の制限もないとしたら、どんなアイデアがある?」
制約の中で生み出されたアイデアは、「できそうなアイデア」だけがあがりがちです。つまり、発想の枠を自分で狭めてしまうケースがあるのです。この質問は、その枠を取っ払うためのもの。アイデアを数多く出したいときに非常に有効な質問ですが、そのアイデアに対して、否定的なジャッジをすることは禁止です。
■「うまくいきそう?」「今の大変度は何%ぐらい?」「どんなサポートが欲しい?」
これらの質問は、部下の大変さをわかってあげるためにする質問です。
「うまくいきそう」と聞いて瞬時に「ハイ!」という返答がない場合は間違いなく何らかの問題がおきていると松田さんはいいます。トラブルの芽を早めに摘み取りつつ、部下のやる気をアップさせるために「うまくいきそう?」は使いこなしたいものです。
また、部下が困っているときは、どんなサポートか欲しいかを聞くことでさまざまな要望が上がってくるはず。相手が困っているときほど、信頼関係は築きやすいものです。部下が問題を抱えているときは信頼関係を深めるチャンスといえます。
チームは上司が指示するだけでなく、部下たち自身が自ら問題に気づき、その問題を解決するように行動できなければ成長しません。率先して質問していくことが組織のレベルアップにつながっていくのです。
もし、部下にかける言葉に困ったときは、この6つを使ってみてはいかがでしょうか。チームの成長の大きなきっかけになるかも知れませんよ。
(新刊JP編集部)
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