名づけ親を蹴りまくった橋本真也

 1972年にアントニオ猪木が立ちあげ、90年代まで隆盛を誇った新日本プロレス。
 その歴史の中でも、橋本真也、武藤敬司、蝶野正洋からなる闘魂三銃士の出現は一つのハイライトだろう。
 彼らの存在を強く印象づけたのは1990年2月に行われたアントニオ猪木&坂口征司VS橋本&蝶野のタッグマッチである。
 前年7月に参議院議員選挙に当選したこともあり、長州力・藤波辰爾へ世代交代を済ませ、リングの第一線から退いた猪木。その猪木に引導をわたすべく挑む橋本と蝶野、という構図だったのがこの試合である。
 
 映像とテキストで新日本プロレスの名勝負を振り返る『隔週刊 燃えろ!新日本プロレス』(集英社/刊)の2012年7月5日号は、「新時代のダイナミズム、若き闘魂三銃士!」として1990年当時の橋本・武藤・蝶野の試合を特集している。
 もちろん上記の猪木戦も収められており、試合開始前から異様に殺気立った四者の雰囲気は今見ても目を奪われる。
 特筆すべきは橋本だ。
 “闘魂三銃士”の名づけ親でもある猪木をこれでもかと蹴りまくる姿は圧巻。「強い者が勝つ」という新日本プロレスの掟を忠実に守ったとも言える橋本だが、「よくあんなに猪木さんを蹴れるな」と坂口が怒りをあらわにする、それほどの猛攻である。

 橋本は2005年に急逝、武藤も蝶野もすでに新日本プロレスを脱退しており、バラバラとなった闘魂三銃士だが、この号では長州力と三銃士の“シングル三番勝負”のトリとなった「長州力VS橋本真也」、当時猛威を振っていたアメリカ人タッグ、ザ・ロード・ウォリアーズに挑んだ「ザ・ロード・ウォリアーズVS武藤敬司&蝶野正洋」など、1990年当時のもっとも輝いていた彼らのファイトを見ることができる。
 当時を知る人にとって、本号は懐かしいばかりでなく、大いに心を燃え立たせてくれるはずだ。
(新刊JP編集部)



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