時を超えて思い出のソフトに再会!? 「名前入りカセット博物館」

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今ではゲームソフトもダウンロード販売が主流になりつつあるが、一昔前はカセットやディスクなどの“パッケージ販売”しか選択肢がなかった。
パッケージ販売のメリットとして、「モノが手元に残るので所有感が味わえる」「飽きたら中古ショップやオンラインのオークション・フリマサービスで手軽に売れる」などが挙げられるが、最大のメリットは「ソフトの貸し借りができる」ではないだろうか。(しかしその真逆のデメリットとして「窃盗(借りパク)の危険性もある」も挙げられるのだが)
昔から少年少女たちの間には「もちものにはなまえをかく」という習慣があり、ゲームソフト、特にファミコンカセットには、前述の借りパク防止や、(主に友人宅での)紛失防止のため、また、「このソフトを所有している」という見せびらかしのために、カセットにダイレクトで名前を書くことが多かった。
そのように名前の書かれたゲームソフトを、収集・管理し、持ち主へ返すための活動を行なっているのが、「ハッピーミール」関純治氏が館長を務める非営利団体「名前入りカセット博物館」である。同団体は現在1000本以上の名前入りカセットを所蔵している。
そこで、今回は、過去に開催されたイベント(2018年5月「名前入りカセット博物館mini」、2018年12月「ファミコンの思い出展」)で展示されていた、名前入りカセットの一部を紹介する。
まずはよくありがちな、通常(?)の、所有者の名前が書かれたカセット。
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「やすはらひろき」さんの所有していた「アトランチスの謎」(税込105円)。
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「鈴木」さんの「エグゼドエグゼス」。今はなき「ファミコンショップブルート」のシールが貼ってあるので、ブルートで購入したのか、ブルートへ買取に出したのか。
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「つじ本こうたろう」さんの、自称“マイティイボンジャク”!?果たして中身はテクモの「マイティボンジャック」なのか…?(マイティボンジャックのカセットは黄色なので、その可能性は高い)
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「島田 啓」さんの「スーパーマリオブラザーズ」だが、よく見るとその上にも名前シールが貼られていて、ボールペンのような筆記用具でグチャグチャに消されている。さらに、島田 啓という名前の横には「のバカ」と書き込まれている。
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「こばやし あきひろ」さんの「アスレチックワールド」(ファミリートレーナー専用)だが、名前の横の「S62.3.12 バースデイプレゼント」の書き込みが意味深である。今から32年前に誕生日記念で買ってもらったソフトだということは見ての通りだと思うが、せっかくの誕生日プレゼントを中古ソフト屋に売った理由が気になって仕方ない。送り主と持ち主の関係も謎だが……。
中古ファミコンカセットによくあるものとして、名前の他に、持ち主の少年少女が、カセットにシールをベタベタ貼るというパターン。上記のような定番の名前シールをはじめ、ソフトの内容と無関係なシールや、ブームが過ぎた「ビックリマン」シールとの合わせ技など、シールの貼られ方や状態などに目を向けると、妙な趣があり、味わい深い。
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「わたなべ」さんの「ポパイの英語遊び」には、「にこにこぷん」じゃじゃ丸のシールが。シールは「ニッポンハム」商品のおまけだったのか。
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「ゆうすけ」さんの「ゾイド 中央大陸の戦い」。リモコンもしくはテレビに貼る「ビデオ」シールが何とも時代を感じさせる。
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「河本」さんの「クルクルランド」は任天堂のソフトなのに、ナムコットのシールが貼られている。
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「バイナリィランド」だがパックンフラワーのシールが貼られている。持ち主だった「おざわさとし」さんはバイナリィランドよりマリオが欲しかったのか。
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カネボウ「ガムラツイスト」の「ザ・ミイラカンス」が貼られ、もはや原形を留めていない「新人類」。
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中には、ファミコンカセットを買い取って販売する際に、中古ショップが貼ったと思われるシールもある。「スーパーゲームショップ」「そふぱる」「アスク・チェーン」…今は出会えないショップばかりだ。
そして、元の持ち主が同一人物であると考えられるカセットも少なくない。
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「しおみつ」さんの「本将棋 内藤九段将棋秘伝」と「4人打ち麻雀」。なかなかシブいチョイスである。
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「恵」さん、「はしもと(ハシモト)3501」さんのカセット。果たして恵さんハシモト3501さんともに、同一人物なのかが気になるところだ。
また、中には著名人が所有していた(?)と思われるようなソフトもある。
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「SHOGUN」はヘクトから発売されたシミュレーションゲーム。「マツモトヒトシ」と書かれており、一時は「ダウンタウン松本人志のカセットではないか」と言われていたが、2018年8月12日の「ワイドナショー」で松本自身が否定している。
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控えめな文字で「MIHO NAKAYAMA」。「おにゃんこTOWN」という女子力高めなチョイスもまた、“本人説”を強くしているのかもしれない!?
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これはケイブ所属のコンポーザー「松本大輔」氏のカセットだった…?(カセットは「けいさんゲーム 算数2年」)
…と、ありとあらゆる妄想が捗るのも名前入りカセットの魅力のひとつでもある。
もはやこれは“名前入り”カセットと言ってもいいものなのか!?と思ってしまうような、名前やソフト名以外の何かが書かれているソフトも少なくない。
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固有名詞はないが自己主張が激しい「おれのカセット」。その上には黒く塗りつぶされた(?)跡がある。
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「ファザナドゥ」に書かれた「ボンベルタ」。果たしてボンベルタとは何なのか?一説には、ボンベルタというのは“店の名前”で、店頭のデモ機で使われていたソフトだったともいわれているが、真相は闇の中である。
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「ゴルフ」に書かれていたのは…昔のTwitterマーク!?
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「ゴルフ」に「ブー」。もはや意味不明である。嫌がらせに書いたのだろうか。
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推理系アドベンチャーゲーム「ポートピア連続殺人事件」の無慈悲なネタバレ…。“犯人はヤス”という言葉は有名だが、それをわざわざカセットに書き込むお節介ぶりが涙を誘う。さらに「(フミエと実は兄妹)」というストーリーの根幹にかかわるネタバレまでしっかり書かれている。“いともたやすく行われるえげつない行為”とはまさにこのことか。
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名前や文字はなく、オレンジ色の部分が銀色に塗り替えられた「クルクルランド」。DIYスピリッツ溢れるカセットだが、これを買い取った中古ショップの懐の深さも評価したい。
中古ショップで売られている名前入りカセットは大抵箱のない“裸の状態”だが、ごく稀に、箱付きの名前入りカセットもあるという。
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箱に「支部用」と書かれた「ファミリースクール」。ちなみに同作は第一生命の非売品カセットである。
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「中谷 匡」さんの「究極ハリキリスタジアム」。箱付きのカセットだが、それだけではなかった。
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なんと、鉛筆で書かれたパスワードが2枚入っていた。
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パスワードはどちらも、ちらしの裏側に書かれており、ひとつは島倉千代子歌手生活35周年記念特別公演、もうひとつはレディースローンのちらしだった。金利についてはノーコメントとさせていただく。ちらしのエリアから察するに、持ち主は千葉県北西部在住だったのか。
ちなみに、ここまでファミコンカセットばかり紹介してきたが、スーパーファミコンやゲームボーイ、果てはNES、SNES(海外版ファミコン、スーパーファミコン)のカセット等々、名前入りカセットのコレクションは多岐にわたっている。
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「たまごっち」のシールが貼られた「ドラゴンクエストV」。持ち主はドラクエよりもたまごっちを遊びたかったに違いない。
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裏側に「死」と書かれたゲームボーイカセット。縁起でもないが、子供の考えそうなことである。
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太いペンで名前の書かれたNESカセット。
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名前入りSNESカセットもある。
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関氏がドバイで購入したという「ポケモン金」。ヴァージンの値段シールで隠れているが、よく見るとカセットの左側に、油性マジックで名前のようなものが書かれている。
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「Teresa」と書かれたNES「リンクの冒険」。関氏曰く、このカセットとの出会いが、名前入りカセット収集活動を始めるきっかけとなったという。
もし、「Nicheee!」読者の中に、過去、名前が入ったカセットを中古ショップやリサイクルショップに売ったことがあるという人がいたら、名前入りカセット博物館公式サイト( https://bonusstage.net/famicassearch/ )のカセット検索で探してみてほしい。
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