映像コンテンツ配信サービス利用への期待高まる 7割がレンタル利用も「返却が不便」

『映像コンテンツ視聴に関する意識調査』スマホやタブレットでの視聴が増える?

レンタルビデオ利用者の95%が不満を感じている――サーベイリサーチセンターが実施した『映像コンテンツ視聴に関する意識調査』では、映像配信サービスが続々と登場するなか、いまだレンタルビデオショップ利用が7割にも上ることが明らかになりました。しかし、その反面レンタルビデオショップ利用への不満も多く、利用サービスや視聴環境ともに変化の兆しが見えています。

映像コンテンツ利用ジャンル1位は「映画」

『映像コンテンツ視聴に関する意識調査』図1

同調査では、ビデオコンテンツサービス(レンタルビデオ、宅配レンタルサービス、VOD、有料映像配信サービスなど)を月一回以上利用する人を対象に利用状況を質問。その結果、「レンタルビデオショップ(70.6%)」「無料映像配信サービス(40.0%)」「宅配レンタル(32.3%)」が上位にランクインしました。映像コンテンツ視聴ではいまだにレンタルが主流のようです。

『映像コンテンツ視聴に関する意識調査』図2

利用コンテンツのジャンルは「映画(洋画90.2%、邦画84.1%)」が高く、利用本数(一か月当たり)は「テレビドラマ(海外、3.29本)」「映画(洋画、2.82本)」「アニメ(2.51本)」と続きました。

レンタルビデオ利用に95%が不満な理由

『映像コンテンツ視聴に関する意識調査』図3

しかし、レンタルビデオ利用者の95%が何らかの不満を感じていることも判明。不満に感じる点は「返却が面倒(66.1%)」「見たい新作が貸し出し中で借りられない(62.3%)」「店舗へ行くのが面倒(46.9%)」がトップに挙げられています。つまり、「不便を感じながらも利用している」人が多いということになるでしょうか。特に、新作を借りに行って棚になかった場合、ムダ足になってガッカリすることがよくありますよね。

映像配信サービス「今後の利用意向」は高い

『映像コンテンツ視聴に関する意識調査』図5

レンタルビデオ利用で感じている「返却や店舗に行く面倒さ」は、ネットで利用する映像配信サービスには一切ありません。このため、現在の利用状況と今後の利用意向「有り」とする割合を比較すると、「有料VOD(16.8%→57.9%)」「有料携帯コンテンツ(5.4%→39.6%)」と大幅に高くなり、今後の利用者拡大が見込まれます。

また、映像配信サービスの定額料金(月額)の許容料金は、「1000円まで(42.3%)」「500円まで(67.9%)」という結果になりました。

スマホ&タブレット普及が映像配信サービス利用を後押し

『映像コンテンツ視聴に関する意識調査』

映像コンテンツ利用者の視聴環境についてはどうでしょうか? 現在は、「テレビ(80.5%)」「パソコン(74.8%)」での視聴が圧倒的ですが、今後の利用意向で見ると「スマートフォン(46.1%)」「タブレット端末(44.6%)」と続いています。今後は携帯デバイスでの視聴増加が期待されます。

また、携帯デバイスで映像コンテンツを視聴する場所・シーンについては、「自宅(72.2%)」が最も多く、「移動中(電車・バスなど、12.4%)」「空き時間・ひまつぶし(会社・学校など、10.7%)」という回答が得られました。

スマートフォンやタブレット端末で、映像コンテンツを利用するなら、映像配信サービスを利用するほうが手軽です。スマートフォンやタブレット端末のさらなる普及は、レンタルビデオ利用から映像配信サービス利用へと、映像コンテンツ視聴のスタイル変化を促す大きな要因になりそうです。

近い将来、私たちの映像コンテンツ視聴スタイルは大きく変化していくかもしれませんね。
 
 ※トップ画像『足成』より。
 

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Kyoko Sugimoto

京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。

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