NON STYLE井上が教える、ビジネスで使える「ネガティブ→ポジティブ転換力」

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ブログやSNSで毎日のように暴言を吐かれ、日常のことを書き込んだだけで炎上する…“炎上芸人”ことNON STYLE(ノンスタイル)井上裕介さん。数々の悪口を自分の中でプラスに転換し、前向きに切り返す手腕は実に見事だ。

前編に引き続き、ネガティブな現状をポジティブに脳内転換する術を教えてもらうとともに、今回はビジネスパーソンの悩みを井上さんならばどう捉えるかを伺った。

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井上裕介さん

お笑いコンビ「NON STYLE」のツッコミ担当。ボケ担当の石田明と2000年5月にコンビ結成。2007年、「NHK爆笑オンエアバトルチャンピオン大会」優勝、2008年「M-1グランプリ2008」優勝、「よしもとブサイクランキング」3年連続首位獲得で殿堂入りなど、数々の輝かしいタイトルを持つ。著書に『スーパー・ポジティヴ・シンキング』(ヨシモトブックス)。現在日めくりカレンダー『まいにち、ポジティヴ!』がヒット中。

■100人に断られても、1000人目に運命の出会いがあるかもしれない!

自分の仕事や境遇に悩む『リクナビNEXTジャーナル』読者から、井上さんにいくつか質問が届いた。井上さんならどのようにポジティブに捉えるだろうか?

――「個人宅への飛び込み営業をしているが、なかなかドアを開けてもらえないし、罵倒されることも多い。こんな状況を、井上さんならどう前向きに捉えますか?」という質問が来ています。

100人、200人に断られても、1000人目にめちゃくちゃいい出会いがあるかもしれない。そう思って飛び込み続けますね。

営業の仕事って、名刺を武器に、セールスを目的に、どんなところにも飛び込んで行けますよね。例えば僕が、いきなり個人宅のチャイムを鳴らしたところで、単なる不審者です(笑)。そんなに出会いが得られる仕事って、他にない。素晴らしい仕事ですよ。

まだ全然知名度のない若手の頃、自分たちでライブのチケットを売らなきゃいけなくて、よく街に出て声を掛けまくりました。気持ちの半分以上は「ナンパ」でしたけど(笑)、振り向いてもらえるまで粘り強く声をかけ続けるのは大変でした。

「今日は忙しいねんけど…」と逃げようとする女の子に、「じゃあ別の日に来てよ!チケットが欲しくなったら連絡ちょうだい!」とむりやりにでも電話番号を渡す。すると、たまーに電話がかかってくることがあるんです。嬉しかったですね。

仕事は向き不向きもあるから、向いていない人がひたすら飛び込んでも、受注は取れないかもしれない。でも、もしかしたら運命の女性と出会えるかもしれないって思ったらどうでしょう?その出会いは、今日なのかも?と、飛び込むパワーが生まれてきますよね。

■企画が通らないときは、「時代のせいだ」と切り替えスパッと前へ進む

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――「絶対にイケると思った自信の企画が、プレゼンで通らなかった。そういうときは、どのように前向きに捉えますか?」という質問です。井上さんも、自分たちで作った渾身のネタがウケなかった…など、似たようなご経験がありそうですが、いかがでしょう?

僕らのネタが受けなかった時は、「時代が早すぎた」と言ってますけどね(笑)。

世の中のスゴい発明って大体、初めは「なんじゃこりゃ」って言われてますよね。みんなが「素晴らしい」と評価するまで、時間がかかるものです。

とはいえ、全く反省せず時代のせいだけにしても成長がないので(笑)、脳みその半分では「時代が早すぎた」と自分を肯定し、もう半分では「もっと改善すべきところはなかったか」と自分の能力を疑う。そのバランスを保ちつつ、前に進むのがいいと思います。

一番悪いのは、中途半端にウダウダ考え続けること。勝てない勝負をダラダラ続けるのが、一番もったいない。ダメならダメで、スパンと切り替えて次に行くこと。ダメだった企画もいったん横に置いといたら、数年後に芽が出たりすることもあります。

あとは、「自分の器の問題」も、あるかもしれません。

家電に詳しい人に、「実は、これからはレトロなトースターが来るんだよ」と言われると、なるほどって納得しますよね。周りの信頼を得ている人の発言ならば、ちょっと疑わしくても通る可能性があります。

つまり、プレゼンしたあなた自体が、その場でまだ評価されていないのかもしれません。

もしそんな状況ならば、僕なら「癒着」という方法を選びます(笑)。

例えばお笑い番組の収録など、仲のいい芸人が多い場の方が笑いを取りやすいんです。仲のいい彼らが思い切り笑い、いじってくれますから。

これと同じで、プレゼン相手とあらかじめ仲よくなっておけば、この企画を通すか通さないかという議論になった時に、援護してくれます。一番いいのは、「一番偉い人=キーマン」をつかむことですね。僕ならば、その人が行きそうな店に行ったり、出席するパーティーに潜り込んでみたりして、プレゼン前にあらかじめお近づきになる努力をすると思います。

■うまくいかないときは、何か未経験のことにチャレンジして現状を変えてみる

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――非常に行動的で、チャレンジングな井上さんですが、読者からは、「現状を変えたいけれど、何をすればいいかわからない。チャレンジが怖い」という声も寄せられています。

もしAからZの26種類の体験があるとして、その中の3種類しかやらないのと、26種類すべてを一通りやってみたうえでその中から3種類を選ぶのとだったら、後者の方がより自分に合った3種を選べますよね?

まだ経験もしていないことを、「チャレンジが怖いから」「面倒くさいから」という理由で排除するのは、とてももったいないと思います。1回でいいから体験してみて、その結果つまらなかったら二度とやらなければいい話。でも、もしかしたらめちゃめちゃ自分に合っているかもしれません。

僕は、人生において、できる限りの事柄を0から1にする作業をしたいと思っています。0から1とは「未経験→体験」のこと。その中に、0が1ではなく、一気に5になるものがあるはず。それが自分にめちゃめちゃ合う体験。5になったものを残し、今度は100に伸ばす努力をすれば、人生がどんどん豊かになります。

■現状を変えるにはまず、人の真似をしたり、見た目を変えることからでもいい

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失敗が怖いという気持ちはわかります。でも、もし現状を変えたいと思うのだったら、どんなことでもいいから、何か行動に移したほうがいいと思います。

例えば、もともと引っ込み思案な性格の人に、明日から明るくなれといっても無理な話ですが、もし本気で現状を変えたいと思うならば、「あの人は明るくていいな~」と思う人が着ている服や髪形を真似してみるといいですよ。見た目は、自分の意志や性格と関係なく、変えることができるから。

そうすれば、自分は変わっていなくても、「周りの視線」が変わります。そして「あれ、ファッション変えたん?」「結構似合うやん?」と、周りから会話が生まれるようになります。自分自身を取り巻く雰囲気が変わることで、あなた自身も徐々に変わっていくんじゃないかな。

僕の経験ですが、2008年に「M-1」で優勝した後、ちょっとしたスランプに陥りました。M-1という大きなレースでトップを獲ったことで、目標がなくなってしまったのです。しかも、2位のオードリーの方が注目を浴びるようになり、ますます追い詰められてしまった。

悩んだ末にやったのが、このアシンメトリーな髪型。オードリーの春日がやってウケていた7:3分けを参考にしたのです。

僕としては、「現状打破のための、ちょっとした試行錯誤の一つ」のつもりでしたが、これが「ウザい」「めっちゃブス」などと、ものすごくイジられた。結果、僕の周りに大きな笑いが生まれたんです。

ちょっと髪型を変えただけで、周りからいじられるパーセンテージがグンと増え、笑いが生まれる。そうなると、「俺、おもろいやん」と自分自身で錯覚して、頑張れる。いつの間にか、スランプは脱していましたよ。ちょっとした試行錯誤、オススメです。

どれもすぐに真似できそうな、井上さんならではの「スーパーポジティブ」への転換術。明日から実践してみてはいかがでしょうか?どれから実践しようか迷ったら、まずは髪型からでもいいかもしれませんよ!?

●井上さんインタビューの前編はこちら。

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▲心に響く金言が満載!と評判の、「日めくり まいにち、ポジティヴ!」ヨシモトブックス・刊

EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭

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