世界最強オールブラックスのハカにどう対抗すれば良いのか 2008年のウェールズ戦は異様な雰囲気に包まれた

access_time create folderエンタメ
世界最強オールブラックスのハカにどう対抗すれば良いのか 2008年のウェールズ戦は異様な雰囲気に包まれた

世界最高のラグビー。それはニュージーランド代表(オールブラックス)と言って良いでしょう。そのプレイもさることながら、試合前のウォークライ。いわゆるハカというニュージーランドの先住民族マオリ族の舞踊がファンの人気を博しています。今や、ハカは試合前の儀式として認識されていますが、実はかなりイレギュラーなのです。
ラグビーは、
1 両チーム30人がグラウンドにそれぞれのポジションに着く
2 レフリーが笛を吹く
3 キックオフ(試合開始)
という手順で試合が成立します。ラグビーは規律を重んじるスポーツです。選手はレフリーにほとんど抗議をしない事でも分かると思います。しかし、ニュージーランドは1と2の間に、「ちょっと俺たちの闘志を高まらせる為と相手をリスペクトする為にマオリ族のハカをやらせてくれ」とハカを始める訳ですから。
ハカの歴史は古く(1900年代と言われる)、ニュージーランドを含めた南太平洋のチーム(サモア、フィジー、トンガ)の国と対戦する際はウォークライが前提となっています。
その迫力はテレビ画面で見ても、会場で見ても十分伝わってきます。190cm100kgくらいのラガーマンたちが、相手を睨みつけながらウォークライをする模様は、相手チームの闘志を削ぎかねません。
しかしハカに対して「ふざけんな」と思う、荒々しいチームも当然います。そこでハカに対して最も、凄まじい対抗をした、ある国の「ハカ対策」を挙げてみたいと思います。
参考記事:飛田給熱中行軍! ラグビーワールドカップで死の彷徨 2020東京五輪で観客が熱中症死するこれだけの理由 | TABLO
2008年のウェールズ戦は異様な雰囲気でした。ニュージーランドラグビー史上最高の選手と言われるキャプテン、リッチー・マコゥ(フランカー)を擁しまさにスター集団。ウェールズとの力は圧倒的に差があると言われていました。
試合前、両チームがグラウンドで相対します。オールブラックスはハカの体制を取ります。ウェールズはチームメイトと肩を組むわけでもなくただ、呆然と立ち尽くしているように見えます(後述しますが「呆然」とではなかったのです)。
ハカはリッチー・マコゥの他、怪物と言われたセンター、マア・ノヌーらと共に行われていきます。観客の声援は最高潮に達していきます。そしてハカを躍り終えた後、「それ」は起こりました。
レフリーがボールを蹴りながら、両チームの間に向かって行きます。通常、両チームはハカが終了した時点で各ポジションに散って、試合が始まるのですが、ウェールズの選手は睨むでもなく、一見無表情でずっとその場に立ち尽くしたままです。
オールブラックスの選手たちも「おや?」という感じで、一度ポジショニングしようとしましたがそのままの状態になります。
レフリーは両チームを分けようとしますが、ウェールズは引きません。無表情のまま相手を睨むでもなく、視線をそらさずそのまま立っています。
ここで観客は初めて、異様な事態に気づきます。ハカを見て盛り上がったとは質の違う声援がグラウンドを包みます。
そう、ウェールズは茫然と立ち尽くしていたのではなく、覚悟を決めていたのです。格上のオールプラックスに対して静かな闘志で圧倒していたのです。その様は、まさにウェールズのニックネーム「レッドドラゴン」です。龍が暴れる前に目を覚まし、敵をじっと見つめているかのようでした。
それが約数数10秒続きます。レフリーはオールブラックス、ウェールズに試合を始めるように言いますがウェールズはその場から一歩も引こうとしません。これが殺気というものでしょう。ヤンキーがオラオラするのは全く違う、本物の殺気。静かな闘志を秘めたウェールズの男たちの顔。覚悟を決めたウェールズの選手たちの心情が表情に出ていました。
試合の結果は、下馬評通りオールブラックスの勝利。しかし、この試合で見せたウェールズの気迫はラグビー史上に残るものでした(因みにフランス代表が、センターラインぎりぎりまで迫ったシーンもありましたがウェールズの気迫をここでは取ります)。
ハカは今やすっかり定番となりましたが、こういった、テレビで言う「放送事故」並みのラガーマンたちの意地の張り合いも見たいものです。(文◎編集部 画像は全てYouTubeより)
あわせて読む:お前が言うな? 「ラグビーファンは渋谷の交差点で騒がない」と発言したスリムクラブ真栄田氏に大批判でノーサイドならず | TABLO

関連記事リンク(外部サイト)

タピオカ・ミルクティーを飲み続けた結果、死を覚悟した女性 今から恐ろしい話をします
『売国奴ナンバー』を恐れる富裕層 不買運動続く韓国で「日本車の牙城」 レクサスを襲う新たな試練
金融庁「年金ムリだから自分で2千万円貯金して」が大炎上 ホームレスにならない為にまずやるべきこと

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 世界最強オールブラックスのハカにどう対抗すれば良いのか 2008年のウェールズ戦は異様な雰囲気に包まれた
access_time create folderエンタメ
local_offer
TABLO

TABLO

TABLOとは アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。 「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」 人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。 「人に優しく」 これは報道する側にも言えることだと思います。 現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。 なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。 しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

ウェブサイト: https://tablo.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。