敬老の日に“セカンドキャリア”をプレゼントは新常識!? 100歳でも働ける仕事を本気で探すリクルートの「からだ測定」とは

access_time create folder政治・経済・社会

「からだ測定」で目指す未来は? 担当者に聞いてみた

人材不足が叫ばれる今、「からだ測定」を通じて目指すシニアの雇用の在り方について、リクルートの担当・宇佐川邦子さんに話を聞いてみた。

――「からだ測定」はどのような目的で生まれたプロジェクトですか?

宇佐川:一言でいうと、就労において年齢の壁を突破したいという思いから生まれました。雇用する企業側が年齢で不安を感じるだけでなく、働く側も年齢によって諦めていることが多いように感じていたのです。「もう歳だから……」と。リクルートが大切にしている価値観として“個の尊重”、“多様性の理解”というものがあります。私は、年齢も立場も条件も異なるあらゆる人が、自分の個性や特性を生かして、大きく言えば、自分の時間的・体力的な制約も生かして、活躍できる場をご提供できないかと、ずっと考えていました。その結果、シニアの方々が楽しみながら個性や強みを発見し、雇用創出につながるこの「からだ測定」を作ろうと思ったのです。最も多様性があるシニアが個々人を活かすことができる仕組みができれば、誰にとっても優しい、活用できる仕組みになると思っています。

さらに、仕事も色々な業務が混じっています。例えば一口にコンビニ店員と言っても、仕事内容はレジ、商品の陳列や管理、清掃など7つくらいに分解することができます。短時間でその一部分だけでも担ってもらえれば助かると考えれば、シニアが働く機会はもっと増えるはずです。個々人が持ち合わせている能力と、それぞれの仕事で必要とされる能力をうまくマッチングできれば、年齢だけで就労機会を奪われるような息苦しさを解消できるのでは、と思いました。

―「からだ測定」を採用する企業側にも意識改革が必要なんですね。

宇佐川:参加されたシニアの方には測定結果と具体的な仕事内容が結びついたレポートがフィードバックされますが、参加企業にはあらかじめ業務分解を行い、短時間の仕事(週15~20時間くらいのプチ勤務)をつくっていただき、それぞれの仕事に求められる能力を確認いただいています。業務を整理して必要なポジションと求められる人材を再認識することで、能力が適正であれば年齢や性別は関係がないことをご理解いただけるのです。

――「からだ測定」を通して個人と企業の双方に啓発していくわけですね。2017年1月に事業を立ち上げてから、実際にシニアの新規就労につながっている事例はどのくらい把握されていますか?

宇佐川:手ごたえは感じていますが、実のところ正確な数字までは追いきれていません。というのも、まだ新規事業開発の過程ということもあり、取り組みの出口としては、地域の人材センターやハローワークにおつなぎして就労までフォローしていただいているからです。今後の展開としては、地域の支援者につなぐことに加え、もし働くことに興味があればその場でリクルートに登録していただき、企業側に紹介するところまでダイレクトに取り組めるような仕組みを作りたいと思っています。

――「人生100年時代」を念頭に社会システムの改革が各所で議論されていますが、からだ測定を通じてはどのような未来を目指していますか?

宇佐川:個々人が、能力やライフイベント、志向にあわせてずっと働き続けられる社会を目指していきたいです。これからは正社員やフルタイムが当たり前じゃない世の中になっていくと思います。何かの理由で仕事の量を減らしたり、一時的に離れたりしなくてはならない場面もあると思いますが、状況に応じてその人に適した仕事や働き方を紹介できるのが理想です。そのためには、自身の身体の状況を把握しておく必要があるし、世の中にどんな仕事があり、どんな能力が求められるのか理解することが重要です。

身体や認知の能力は個人差はありますが、年齢に比例して変化があるため、一年に一度は「からだ測定」で測定していただき、「健康や体力維持・向上の励みになる!」「来年の測定が楽しみ!」と思っていただけるツールとしても役立てていきたいです。また、シニアの新規就労だけでなく、既存の従業員が高齢化していく中で、能力の把握や仕事内容の見直しに活用するケースも考えられると思います。「からだ測定」は、そんな社会づくりの一端を担えるサービスを目指したいと考えています。

もし自身の両親や祖父母が手持ちぶさたで、その可能性が狭まっているのはもったいないと考えている人は、長寿を祝う敬老の日をきっかけに、そのセカンドキャリアについて話し合ってみるのも良いかもしれない。まずは「からだ測定」を勧めるところから始めてみてはいかがだろうか。

前のページ 1 2
access_time create folder政治・経済・社会
よしだたつき

よしだたつき

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

人魚Days
ガジェ通制作ライブ
→ガジェ通制作生放送一覧