【深ヨミ】メディア別ではアナログが好調 2019年 上半期のアルバム販売動向を調査

【深ヨミ】メディア別ではアナログが好調 2019年 上半期のアルバム販売動向を調査

 2019年上半期のフィジカルアルバムセールスにおいて、アナログ盤が数量ベースで前年比1.4倍に伸びている。

 SoundScan Japanの『2019年上半期の売上動向』より、アルバムの売上金額が約681億円で前年比104.8%(2018年同期のアルバム売上金額は約649億円)であったことは既報の通りだが、ここではメディアに着目して前年との違いを調査してみた。

 グラフ1(billboard-japan.com/d_news/image/78049/2)、グラフ2(billboard-japan.com/d_news/image/78049/3)に示す通り、2018年、2019年ともに99.2%がCDであり、アルバムの売上の大半を占めていることに変わりはない。しかしそれ以外の部分を見てみると、アナログが2018年上半期の74,254枚から107,850枚と、約1.4倍に伸びているが、カセットやSACD、ブルーレイアルバムなどはどれも前年同期を下回っていることがわかった。ジャンルとしては何が売れているのか、ジャンル構成を調べた結果をグラフ3(billboard-japan.com/d_news/image/78049/4)に示す。

 グラフから明らかな通り、売上枚数の多くをJ-POPが占めており、一番伸びているのもこのジャンルである。それに対し、洋楽はほぼ横ばい、ジャズとクラシックは前年同期に比べ少し伸びている程度であることがわかる。作品別のトップ5は以下の通り。

2018年上半期アナログアルバムトップ5

1位:THE BAWDIES『THIS IS THE BEST』3,924枚
2位:椎名林檎『逆輸入 ~航空局~』2,968枚
3位:(V.A.)『EIICHI OHTAKI Song Book ? 大瀧詠一作品集Vol.3 「夢で逢えたら」』2,722枚
4位:シリア・ポール『夢で逢えたらVOX』1,915枚
5位:中島みゆき『相聞』1,596枚
(計測期間は2018年1月1日~2018年7月1日)

2019年上半期アナログアルバムトップ5

1位:星野源『POP VIRUS』12,746枚
2位:星野源『YELLOW DANCER』11,061枚
3位:細野晴臣『HOCHONO HOUSE』5,479枚
4位:B’z『NEW LOVE』1,877枚
5位:YUKI『forme』1,629枚
(計測期間は2018年12月31日~2019年6月30日)

 近年、アナログ盤をリリースするアーティストが増えているが、セールスとしてはそれほど大きくはないことが多かった。しかし2019年上半期には星野源の『POP VIRUS』、『YELLOW DANCER』の2作品のように1万枚超を売上げる作品も現れ、売上の水準を引き上げている。これからも一つの選択肢として拡大していくか、今後の動向に注目したい。

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