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深刻化する保守とリベラルの認識のズレ ニュース報道やSNSに触れているほど偏向し高学歴リベラルほどエリート意識で凝り固まる

アメリカのトランプ大統領を筆頭に、今、政治の世界では過激な言動がもてはやされる傾向が強まっている。大雑把に分けると、保守とリベラルという2つの価値観の対立が進行し、それぞれの支持者はお互いを嫌い、憎んでいるようにさえ見える。

しかし、アメリカ人を対象に行われた最近の意識調査によると、保守とリベラルは互いに相手のことを極端な見解を持つ人々であると想像しているだけであって、実はそれほど分裂していないのかもしれない。

この調査は非営利の研究機関“More in Common”が2018年の中間選挙の直後に、全米の2100人を対象に行ったもの。共和党支持者(ざっくり保守とする)か民主党支持者(ざっくりリベラル)か、あるいは支持政党なしかの立場を明らかにしてもらった上で、移民政策、銃規制、人種差別、宗教差別、性差別、気候変動、警察の態度など、人々の関心の高い政治テーマについて、対立政党の支持者はどう考えていると思うかを尋ねた。
https://perceptiongap.us/the-perception-gap-quiz/[リンク]

民主党支持者なら各テーマについて「はい」か「いいえ」の二択で答えた上で、「共和党支持者の何%がそう考えていると思うか」をスライドバーを動かして回答していく。

その結果、民主党支持者は共和党支持者について平均19%、共和党支持者は民主党支持者について平均27%の認識のズレのあることが分かった。

民主党支持者から見た共和党支持者像。「適切に管理された移民はアメリカにとって良い」と考える共和党支持者は実際には80%以上いるのに、民主党支持者の目には50%ほどしかいないと見えていることが分かる。逆に、「トランプは性格に難のある人物だ」という問いに対しての認識の差はほとんどなかった。政策には賛同するものの「トランプはバカだ」と思っている共和党支持者は多い。

共和党支持者から見た民主党支持者像。「警官はだいたい悪いヤツ」と考える民主党支持者は実際には2割もいないのに、共和党支持者は「半分以上の民主党支持者は警官に対して悪いイメージを持っている」と考えていることが分かる。また、「国境は完全に開かれているべきだと思うか」という質問についての認識のズレも大きかった。実際には民主党支持者にも国境管理は必要だと考えている人は多いのだ。

このような認識のズレが生じる原因について同研究所は、最も熱心で活動的な政党支持者たちが対立側の認識を深く歪めており、ニュースメディアやSNSをよく見ている人ほど認識のズレが大きくなると分析する。この辺りは“エコーチェンバー現象”として以前から指摘される通り。例えば『Twitter』では、よっぽど意識して保守・リベラル双方をフォローしていないと、どちらかに偏ったタイムラインが完成してしまう。また、特に民主党支持者については、高学歴になるほど認識のズレが大きくなっていた。高学歴の民主党支持者には共和党支持者の友人が少なく、「自分の友人の大部分は政治的信念を共有している」と思い込んでいる人が多いためだと考えられる。

よく見ているメディアごとの認識のズレの度合い。保守・右派メディアに触れている人ほど偏向度合いが大きくなる傾向がある。逆に、トランプ大統領がしばしば「フェイクニュース」と攻撃するCNNは比較的中立であると言える。政治家やメディアの中には相違を誇張し対立を煽ることで利益を得る者も多いので取捨選択には注意が必要だ。

認識のズレの大きい人は、意見の対立する相手を「嫌い」「無知な人」「偏見のある人」などと表現する傾向がある。そして対立側を極端に描写するメディアを好んで見聞きすることで敵意と不信感を深め、認識のズレをさらに広げる悪循環に陥ってしまう。

健全な民主主義には常にいくらかの見解の不一致と対立のあるものだし、それらは政治をより良くするために必要な要素でもある。しかし同時に、価値観や同意を共有する感覚、そして共通の立場を見出す意欲も民主主義には必要だ。この調査はアメリカで行われたものだが、「マスゴミ」「ネトウヨ」「パヨク」といった政治意識やメディアを類型化する用語がネットに溢れる状況を見るに、日本で同様の調査をしても結果は似たようなものだろう。相手方に対する不信を克服し、国民を分断しようとする勢力に抵抗するためにも、まずは自らの認識のズレを理解することが大切だ。

画像とソース引用:『perceptiongap.us』『いらすとや』より
https://perceptiongap.us/[リンク]

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(執筆者: ろくす) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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