100以上の海外フェスに参加した筆者が40か国、120以上のフェスをナビゲート

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100以上の海外フェスに参加した筆者が40か国、120以上のフェスをナビゲート

 音楽フェスというと、フジロック・フェスティバルやサマーソニックなど国内で開催されるものを想像する方が多いのでは? けれど世界に目を向けてみると、日本とは驚くほど規格外な規模や雰囲気のフェスも数多く存在します。

 本書は海外フェスを旅の一つの目的に設定した、ちょっと目新しいガイド本。これまで100以上の海外フェスに実際に参加したという筆者・津田昌太朗さんならではの目線で40か国、120以上のフェスが紹介されています。

 本書を開いて魅了されるのは、いたるところに挿入されている写真の数々。オリジナル写真やフェス公式のフォトグラファーによる写真が使われているそうですが、その場の迫力や熱狂がそのまま伝わってくるかのよう! 筆者にとってフェスティバルの正体とは「ほんの数日の間だけ、非現実の世界を具現化させた最高峰のエンターテインメント」だそうですが、そうした非日常な空間へと一気にいざなわれます。

 そして写真とともに、各フェスの紹介では概要、見どころ、最近の出演アーティスト、開催地やスケジュール、アクセスなどの情報を掲載。それにとどまらず、著者が実際に足を運んでセレクトした、フェス周辺都市の著名な観光情報から音楽スポットなどまで載っています。

 100以上のステージを楽しめる世界最強のフェス「グラストンベリーフェスティバル」(イギリス)、宇宙とコンタクトする最先端フェス「ソナー」 (スペイン)、毎年ドレスコードが変わる仮装フェス「ベスティバル」(イギリス)など好奇心を刺激されるフェスが本書には並びますが、その中からベルギーのボームで開催される音楽フェス「トゥモローランド」を例にとってみると……。

 まずは「ここは遊園地か、サーカスの劇場か?」といったメインステージの写真にド肝を抜かれます。このフェスは毎年ストーリーに沿ったステージ装飾や舞台演出を行うことで独自の世界観を確立。EDMの流行とともに非日常のファンタジーを体験できるフェスとして、今では毎年40万人が来場する世界最大規模のフェスとなっているといいます。

 筆者は「確実に死ぬまでに体験しておくべきフェスのひとつ」とまで書いており、音楽好きであれば心かき立てられること間違いナシ。とはいえ、ベルギーという国自体にはあまり詳しくないという皆さんも多いはず。

 そこでフェス情報の次に掲載されているのがベルギーの観光情報。首都ブリュッセルで訪れるべきスポットや過ごし方から、「実は会場となるボームから一番近い観光地はアントワープ」といった役立つ知識まで紹介されています。

 また、海外フェスで活躍する日本人アーティスト、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、DJ KSUKEのインタビューも掲載。アーティスト目線での海外フェスの魅力や日本のフェスとの違い、さらに参加したときの楽しみ方、そしておすすめ海外フェスもピックアップされており興味深い!

 このほかにも巻末には、海外フェスのチケットの取り方から持ち物、会場の過ごし方、宿泊など、著者がよく聞かれるという質問と、それに対する回答も。いたれりつくせりな内容で、海外フェスビギナーも安心できることと思います。

 「フェス×旅」の素晴らしさを全体から感じ取れる本書。海外フェスに出かけたい人はもちろん、あわただしい日常から離れてつかの間の非日常感を楽しみたい人にもオススメの一冊となっています。

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