【茨城の穴場】水戸駅から気軽に行ける珍スポットがいっぱい!
茨城という場所がある。水戸黄門、水戸納豆、偕楽園(かいらくえん)など有名なものがたくさん存在する。ただ茨城県の魅力度は47都道府県で最下位だ。東京からも近いのに、いろいろあるのに、最下位なのだ。
そこで今回は、多く知られている茨城ではなく、みなさんがまだ知らない「水戸駅から気軽に行ける茨城の珍スポット」を紹介したいと思う。地味ともいえるかもしれないけれど、行くと意外に興奮する珍スポットだ。最下位なんてことはないはずなのだ。
【行程】
茨城へのお誘い
モルちゃんは5億600万年前の古代石
巨人が壁を越えてきたような世界観@大串貝塚
茨城といえば「宝島」らしい
石切場が美しいという発見
埴輪(はにわ)も大きくなる茨城
亀印製菓で200年前から変わらぬ味を
茨城いいね、マジで!
茨城へのお誘い
茨城について一般的に知られていることといえば、先にも書いたようなものや、牛久の大仏、サッカーの鹿島アントラーズ、日本で二番目に大きな湖「霞ヶ浦」などが挙がる。ただ「それだけではない」と、びゅうたび編集部から言われ、茨城でオススメの珍スポットを紹介された。
特急ひたちに乗って水戸駅へ!
私は九州出身なので、残念ながら茨城については詳しくない。たぶん3回くらい行ったことがあるだけだ。しかし、JR東京駅からJR水戸駅までは、常磐線の特急に乗って、約1時間で行ける。近いから、ぜひ面白いスポットを知っておきたい。
水戸駅に到着です!
モルちゃんは5億600万年前の古代石
水戸駅で「びゅうレンタカー」を借り、日立市を目指した。水戸駅からだと1時間ほど。編集部の情報によると、ここにゆるキャラ「モルちゃん」がいて、それが石像になっているそうだ。石像になったゆるキャラ。もうなんだかゆるくない、固そうだ。
日立駅に、到着しました!
日立駅はガラス張りで、海が見え、とてもきれいだった。しかし、目的は日立駅ではない。石像だ。駅からつながる日立地区3モール商店街へと歩く。駅から近い順に、「パティオモール」「まいもーる」「ぎんざもーる」。それぞれにゆるキャラ「モルちゃん」の石像があるのだ。
「パティオモール」にある……モルちゃん像!
意外と小ぶりだ。日立市で発見された日本最古の地層から採れた約5億600万年前の古代石を加工して作られている。月曜日の次の日は火曜日くらい当たり前に置かれているけれど、5億600万年前はカンブリア紀という時代らしく、日本で出土した地層としては最も古いそうです。つまり、めちゃくちゃ歴史と由緒ある石なのだ。石像自体は2011年にできたものだけど。
「まいもーる」のモルちゃん「ぎんざもーる」のモルちゃん
途中、あまりに当たり前のように置いてあるので、逆に気づかずにめちゃくちゃ探した。ただ、各商店街のメイン通りにあるので気をつけていれば見つけられるはずだ。ロマンがあるじゃない、約5億600万年前の古代石で作られているのだ。触れられることが奇跡。それぞれにお祈りの仕方が書いてあるので、各自試してみてください。
ひもを回したりします!
人それぞれだけど、私は古いものに興奮するタイプなので、約5億600万年前の古代石というところに興奮している。あと驚いたんだけれど、モルちゃんは石像の方がかわいい。リアルなモルちゃんはゆるいというより、教頭先生かな、という感じなのだ。
これが本当のモルちゃん(年齢5億600万1歳)
巨人が壁を越えてきたような世界観@大串貝塚
次は水戸市塩崎町にある「大串貝塚ふれあい公園」に行く。水戸駅から車で20分ほどの場所。ここに巨人像「ダイダラボウ」がある。奈良時代に編さんされた『常陸国風土記』にも、このダイダラボウの伝説は出てくる。それがある公園なのだ。
大串貝塚ふれあい公園に来ました!猫もいました!
公園でまず目についたのは、発掘したものが展示されている「埋蔵文化財センター」の入り口に貼ってある「猫の侵入防止を呼びかける張り紙」。猫なんていないのに……と公園内に歩みを進めると、猫が出現した。かわいい。そして、さらに出現する。そう、ダイダラボウが。
ダイダラボウ!デカい!!!
15メートルほどある巨大なダイダラボウ。高い壁で囲まれた街に、壁を越えてやってくる巨人みたいだ。ちなみにこのダイダラボウは気のいい巨人で、日陰で作物が育たなかった村のために山を移動させたり、洪水が起きないように千波湖を作ったりしている。でも、彼が一番日陰を作りそうだ。
ダイダラボウの中には入ることができ、登ることもできます!
やはり大きいことはいいことだ。迫力がある。この公園は、それだけではない。国指定遺跡である、縄文時代に作られた「大串貝塚」があるのだ。私は縄文時代が好きだ。縄文時代の遺跡からよく見つかる動物の骨やツノで作られた釣り針を自作して、釣りをしたこともある。
これが大串貝塚
貝塚といっても、今は雑木林のような感じ。言われなければ、ここが貝塚とはわからない。でも、間違いなく貝塚なのだ。貝塚と向かい合わせの場所にベンチもある。そこに座り、貝塚を眺める。ロマンだ。ロマンの塊だ。ここで縄文時代の人は暮らしていたのだ。地味だけれど興奮した。
ずっと見てられるよね!
茨城といえば「宝島」らしい
モルちゃん像で1時間半、ダイダラボウでやっぱり1時間半も時間を取られた。地味だけどずっとなでちゃうし、地味だけどずっと縄文時代に思いをはせてしまったのだ。もう晩ご飯の時間だ。水戸駅から車で20分ほどの「焼肉 宝島 水戸渡里店」を訪れた。
焼肉 宝島 水戸渡里店です!
私が住んでいた地域にはなかったので知らなかったけれど、茨城で焼肉といえば「宝島」らしい。30年ほど前にできて、10年ほど前から食べ放題も始まった。創業当時の牛ハラミを使った「宝島セット」も復活している。
お店の荻沼さんオススメの、石焼風ビビンバ定食を頼みました!(税別1,490円)
スタッフの荻沼さんがオススメしてくれた「石焼ビビンバ定食」を頼んだ。こちらは長年愛され続けている定番メニューとのことで、女性にも人気だ。秘伝のタレが美味しさの秘密らしい。カルビも付いてくるし、さらに定食はご飯のお代わり無限。ビビンバなのに、ご飯も頼めるのだ。
ビビンバを混ぜて…… カルビを焼いて……はい、美味しい!!!
めちゃくちゃ美味しい。これは30年続きますな、と納得の味だった。そして、これは私の持論だけど、ご飯の大盛りを「日本昔ばなしみたいに」と頼んだ時に、日本昔ばなしみたいによそってくれるお店は例外なくいいお店です。
こちらがいいお店の証です!
バンバンご飯が進む。カルビでご飯を食べ、ビビンバでご飯を食べる。進むな、箸が止まらないな、となる。食べ放題も税別1,980円からと安い。本当に私はこういうお店が好きなのだ。美味しいし、お店の人も優しい。だって、日本昔ばなしだもの。
石切場が美しいという発見
水戸駅近くのホテルで1泊して、次の日は朝から、笠間市稲田を目指して車を走らせた。1時間くらいで目的地の「石切山脈」(いしきりさんみゃく)に到着した。ここは明治30年代初め頃から採石が始まった場所。日本橋や東京証券取引所に使われている稲田石の産地なのだ。
石切山脈にやってきました!!!はい、どーん!!!
5年ほど前に採石を休止した採石場跡地には水がたまり、湖のようになっている。水深は35メートルもある。そこまで掘ったということだ。段々になった白と黒のシマシマの壁と青緑の水が美しい。この水、湧き水なので、山に住む動物が水を飲みに来るらしい。
車で現採石場へ! (担当の市田さん)
「採石場跡地」は無料で見学でき、「現採石場」へは事前に予約すると500円で案内してくれる。この500円は払った方がいい。解説付きで石切場を見ると本当に感動するのだ。車中でも「いま車で走っている所は、採石した結果できた道です」と担当の市田さんが教えてくれた。ここ石あったの! と驚く。
車や重機が小さく見える!近づくと、重機の大きさに驚く!
10年ほど前は全然観光地ではなかったけれど、昨年は2万人以上が訪れているそうだ。インスタ映えするから、若い人にも人気。全部が大きいと面白いのだ。石壁は高いし、重機は大きいし、そもそもこの石切場の面積が東京ドーム5個分。「雄大」のお手本のような場所だ。
埴輪(はにわ)も大きくなる茨城
次は水戸駅から車で30分ほどの「くれふしの里古墳公園」に行く。名前からもわかるように、古墳がたくさんある公園だ。また地味なんでは……と思うけれど、古墳時代の人がいた場所に自分もいられるということ。悠久の時を超えた交流、ロマンじゃない。
くれふしの里古墳公園です!!!
古墳に登れてしまうのもうれしい。中学時代の歴史の教科書で見た前方後円墳だ。その上に私はいるのだ。これだけで結構満足だった。杉林の中を通り奥に進むと、所々に土が盛り上がっているところがある。だいたいそういうのは古墳だ。この公園では普通なのだ。
盛り上がっているところは…… 古墳!そして、埴輪!!!
杉林を抜けると、開けた場所に出る。そこにあるのは大きな埴輪。でかい、でかすぎる。ダイダラボウもそうだけれど、茨城の人は大きくする傾向があるのだ。高さが17.3メートルあり、日本一大きな埴輪らしい。そりゃ、そうだろう、と思った。
ずっと見ちゃう!あれも古墳だったのか!
埴輪の頭の上に登ることができるので、登って下を見ると、さっき座っていた椅子の屋根も古墳だった。大きな埴輪があって、古墳だらけ。間違いなく古墳公園だ。ロマンだ。
埴輪からの眺め!
亀印製菓で200年前から変わらぬ味を
最後は水戸駅から車で20分ほどの「お菓子夢工場」へと行く。亀印製菓のお菓子作りを見ることのできる施設だ。亀印製菓は1852年に林亀吉が漬物商として創業、1892年よりお菓子の製造をはじめ、白あんなどをシソの葉で巻いた「水戸の梅」を発売した、歴史あるお店だ。
お菓子夢工場へ来ました! これが水戸の梅です!水戸の梅を作る工場を見学できます!
お店の人いわく、「水戸の梅」は好き嫌いが分かれるお菓子ということだったが、食べてみるとシソの味わいが甘さに合い、とても美味しかった。ただ編集部に勧められたのは、水戸の梅ではない。吉原殿中だ。
吉原殿中です!!!作っているところを見学できます。職人さんの手際の良さよ!
吉原殿中は200年も変わらぬ作り方で、今も同じ味を楽しめる。もち米をまずおもちにして、それを細かく切って焼いて、水飴と混ぜてきな粉をまぶし、細長くしていく。今も機械化はされておらず、手作りだ。その様子もずっと見ていられる。
美味しいです!!!
ここに来ると、できたてを試食することができる。やはり味が違うそうだ。たしかにちょっと柔らかい気がした。どちらにしろ美味しいのだけれど。作っているところを見られるのがいい。見ると、より美味しそうに感じるのだ。見なくても美味しいんだけどね。
工場見学と制作現場見学は、水曜と日曜がお休みなのでご注意を!
茨城いいね、マジで!
どちらかといえば、地味な茨城を見た気がする。ただその中に、ロマンと興奮があった。古代石だったり、とっても大きかったり、とっても古かったり、たまらないのだ。昔を現代で見られることが素晴らしいのだ。編集部のオススメだけを回ったけれど、大満足の1泊2日だった。有名な観光地に飽きた方にオススメです。
亀じるしのいちご大福も美味しかった! 3Lサイズのいちごが入っています!!
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