【2月20日は旅券の日】日本のパスポート、実は5色あるって知ってた?
(C) Ayae Ejima
2月20日は、「旅券の日」。日本のパスポートの色が赤と紺に分けられるのは、皆さんご存知でしょう。しかし、それは一般旅券だけの話。実は日本のパスポートには、緑や茶色など、全部で5色もあるのです。普段なかなか目にすることのない、それらのパスポートの正体とは・・・?パスポートの種類を色の違いから解説します。
紺(有効期限5年の一般旅券)
希望すれば誰でも申請できるのが、一般旅券。単に「パスポート」というときは、たいてい一般旅券のことを指していますね。よく知られているように、日本の一般旅券には2種類の色があり、その違いは有効期限の長さです。
紺色のパスポートは、5年間と有効期限が短いのが特長。20歳以上の人は、5年または10年、好きなほうを選べますが、20歳未満の人は有効期限が5年未満のパスポート、つまり紺色のパスポートしか持つことができません。紺色をした有効期限5年のパスポートの申請費用は、11,000円。ただし、12歳未満の場合は6,000円に減額されます。
赤(有効期限10年の一般旅券)
日本人の大人が持つパスポートとして、最も一般的な色が赤。こちらも紺色のパスポート同様、一般旅券に区分され、有効期限は10年間です。20歳以上の人のみ取得ができ、申請費用は16,000円。1年あたりのコストは紺色のパスポートよりも割安になっています。
緑(公用旅券)
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あまり見かける機会のない緑色の旅券は、「公用旅券」と呼ばれるもので、国の用務で海外に渡航する人や、その同伴者のみに発行される特別なパスポートです。公用旅券が発行されるのは、国会議員や公的機関の職員など。
加えて、日本国政のODAの一環として派遣される青年海外協力隊の隊員や、アジアで日本語や日本文化を紹介する活動を行っている「日本語パートナーズ」のパートナーズなどにも公用旅券が発行されています。
一般旅券は単に「PASSPORT」と記載されているのに対し、公用旅券の表紙には「OFFICIAL PASSPORT」と表記されています。公用旅券を持つということは、国を代表して海外でなんらかの任務にあたることを意味するのです。
濃茶(外交旅券)
めったに見ることのない濃い茶色のパスポートは、外交旅券に区分されるもの。皇族や三権の長(内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官)、外交官などが公務で海外渡航する際に使用し、券面には「DIPLOMATIC PASSPORT」と表記されています。
茶(緊急旅券)
外交旅券と色が似ている茶色の旅券に、「緊急旅券」と呼ばれるものがあります。海外旅行先でパスポートの紛失や盗難に遭った場合、海外滞在中にパスポートの有効期限が切れてしまった場合など、緊急時に通常のパスポートに代わって発行されるつなぎのパスポートで、券面には、「EMERGENCY PASSPORT」と記載されています。
通常のパスポートよりも短期間で発行できるかわりに、有効期限はわずか1年。一般旅券とは違ってICチップは入っておらず、ICチップを作成する設備がない外国の在外公館でパスポートを更新しようとすると、一時的にこの緊急旅券が発給される場合もあります。
世界のパスポートの色は?
日本の一般旅券の色は、赤と紺ですが、世界のパスポートの色はどうなっているのでしょう。パスポートの色やデザインを規定する国際的なルールはありませんが、赤系、青系、緑系、黒に分けられます。
ヨーロッパやヨーロッパの植民地だった国は赤系を採用していることが多く、青系が多いのは、アメリカ大陸とオセアニア。緑系は、アフリカ大陸や中東、南アジアに多く、特にイスラム教の国でよく使われています。
数は少ないものの、ニュージーランドをはじめ、黒いパスポートを発行している国もいくつかあります。「パスポートといえば、色つき」という印象が強いだけに、黒のパスポートはスタイリッシュで新鮮に見えますね。
知ってみると、意外に奥が深いパスポートの世界。今後海外に出かけるときは、出入国審査の列に並んでいる世界の人々のパスポートを見て、「どこの国かな」なんて考えてみれば、海外旅行がもっと楽しくなるかもしれません。
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