Spotifyがポッドキャストに注力する方針、Appleを猛追!

音楽業界の収益は、サブスクリプションモデルの普及により急激に伸びている。その立役者ともいえるSpotifyだが、いよいよポッドキャストにも力を入れる姿勢を見せている。

Spotifyは音楽からオーディオへの転換を宣言するとともに、ポッドキャストが手軽に制作できるサービスAnchorおよび著名人を集めたポッドキャスト配信プラットフォームGimlet Mediaの買収を発表した。

Appleに次ぐ巨大ポッドキャスト配信プラットフォームの設立にはどんな意味があるのだろうか。

・ポッドキャスト配信プラットフォームのFacebookとなるか

GoogleやFacebook、Twitterが、Webページや動画配信プラットフォーム、SNSでの広告配信を牛耳るなか、じつはポッドキャスト配信プラットフォームに関しては決定的なプレイヤー不在の状況となっている。

2015年にはMidrollがポッドキャスト広告の一元管理を試みていて、データをリスニング体験向上と広告ターゲッティングに活かすという筋の良いものだったが、いかんせん市場でのシェアが及ばず不発に終わっている。

シェアNo.1のAppleも、数年前からユーザーデータを活かそうとの姿勢を見せているが、いまだ仕組みの確立に至っていない。

ここに手をつけようというのがSpotfyの思惑で、米国だけで7300万人が月1回以上、4800万人が週1回以上ポッドキャストを聴いていて、平均的なリスナーは週に7つのポッドキャストを聴いていることから、ポテンシャルは高い。

・配信者を囲い込んでAppleと差別化

Spotifyはサブスクリプションモデルと広告モデルの2本柱で収益を上げている。特に広告に関しては、昨年だけで約6億1600万ドル(約676億円)の広告収益を得ている。

つまり、Spotifyは広告モデルにおいて、すでに仕組みとノウハウを持っていて、これをポッドキャストに特化させることも考えられるだろう。

現在好調に伸びているサブスクリプションのユーザー数も、いずれ頭打ちになることから広告への注力は自然な流れだ。

また、ライセンス料の支払いが発生し、独占がむつかしい音楽コンテンツに対して、ポッドキャストでは2億人のプラットフォームで配信できること自体がインセンティブとなり、配信者の囲い込みも可能だ。

今回のGimlet MediaやAnchorの買収も、Appleとの差別化を図った独自コンテンツを増やし、配信者とユーザーを取り込むための重要な戦略となる。

Spotifyがポッドキャスト配信プラットフォームのFacebookとなれれば、音楽よりもはるかに高い収益をもたらす可能性がある。

参照元:Spotify’s Podcast Aggregation Play/Stratechery
Audio-First/Spotify NewsRoom

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