Teslaの蓄電バッテリーシステムをEV充電のElectrify Americaが導入へ

独フォルクスワーゲンの子会社で、米国で充電ステーションを展開しているElectrify Americaは4日、Tesla社の蓄電バッテリーシステムを導入すると発表した。

出力の最適化と運用コストの抑制が目的で、新規に設置する充電ステーション100カ所以上に展開する計画だ。

・ピーク需要に対応

Electrify Americaは、電気自動車が急速に増えつつある米国で充電ステーションの設置を積極的に進めている。独自の設置はもちろん、小売大手ウォルマートと提携したり、プラグを差し込むだけで支払いが自動で済ませられる新サービスの導入を計画したりと、ユーザーの使い勝手にも配慮している。

そして今回のTeslaの蓄電バッテリーシステムは効率的な運営に寄与するものだ。蓄電バッテリーに電力をためておくことで需要のピーク時にもハイパワーで対応でき、しかもコストを下げられる。

・350kW出力の急速充電

Electrify Americaによると、350kW出力の210kWバッテリーシステムを採用する。出力350kWの急速充電では、理論上1分あたり20マイル(約32キロ)を走行できるだけの電気を賄えるとのことで、これは現在広く使われている一般的な50kW出力充電ステーションの7倍の速さとなる。

Electrify AmericaはTeslaの蓄電バッテリーシステムを、年内に100カ所以上の新設ステーションに導入する計画だ。

今回の取り組みはElectrify Americaの親会社VWも独自の充電・蓄電技術を開発していることを考えれば奇妙に映る。しかし実際に展開する“モノ”をいま必要とし、そこでTeslaの製品が候補となったと推測される。この選択は、スピード感を持って急速充電ステーションの設置を進めていくことをElectrify Americaが優先した結果ともいえそうだ。

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