現役フリーランスからみたVのお金の話!便利情報のまとめつき(indiVTubers)

現役フリーランスからみたVのお金の話!便利情報のまとめつき

今回は『indiVTubers』よりしらたま。さんの記事からご寄稿いただきました。

現役フリーランスからみたVのお金の話!便利情報のまとめつき(indiVTubers)

しらたま。ちゃんねる

金の話しをしようか。

こんばんは。新人紹介の記事を優先しようかどうか迷ったのですが、要望があったのでお金の話をすることにしました。

V界隈のお金の話とかあんまり表に出ないので、「企業からデビューしたけど待遇が悪い」なんて話も聞くようになってまいりましたので……

ざっくりと情報まとめてみます。また、フリーランスが利用している便利サイトの情報なんかもセットで提供していきますので、「独立したい」まで考えている人は参考にしてくださいな。

目次
1.動画の広告収入だけで生きていくのは難しい
2.スーパーチャットで得られる収入は額面の7割、アップルだと更に減る
3.企業勢って儲かってるの?
4.YouTube以外の収益源を確保することが重要に
5.サービス販売のちょっとした前例
6.独立を視野に入れる人のためのお役立ちサイト情報まとめ
 6.1.フリーランス協会
 6.2.Freelance basics
 6.3.国民年金基金
 6.4.追記

動画の広告収入だけで生きていくのは難しい

はーい。あんまり表に出ない動画収入の話ですが、まずは理由から。

かつてYouTubeの動画再生の広告単価は1再生0.1円など高い水準でした。しかし、実際には広告を見ない人や飛ばす人が多いだけでなく、「小学生など購買に結びつかない層」がみていることがわかったため、広告単価を見直すようになりました。

広告単価の見直しは都度行われているだけでなく、実際にどの程度広告を見られたか、最後まで見られた回数や、リンクのクリック、クリック後の実際の購入などのデータとリンクしてます。

成果が出るほど広告単価は上がる仕組みで、飛ばされた回数などが多ければ単価が下がっていくわけですね。また、各種契約の関係で動画のクリック単価を明かせない人も多いので、なかなか情報が出回らない&そもそも見直しが入るから正確性にも欠けてしまうということに……

私が現在把握している範囲だと、広告単価は1再生あたり0.01円程度になるようです。

単純計算だと1000万再生で10万円くらい貰えます! ヤッタネ!

……はい。実際は視聴者層の購買に結びつくような情報を発信するなど工夫をすれば広告単価も上がる可能性があるのですが、基本動画で食っていくのは無理ゲーに近いです。

広告収入よりもメンバーシップ登録で1人月490円投げてもらった方が収益源としては強かったり。だって、手数料差し引きで広告収入計算すると3万5000再生分くらいはありますからね!

数字が生々しいのは仕方がないです。それがリアルですもの。

指摘があったため追記:0.01円固定というわけではなく、実績や広告の挿入方法などによって変動するため、もっと高い金額をもらっている人もいます。

スーパーチャットで得られる収入は額面の7割、アップルだと更に減る

はい。では、動画収入と一緒に収益源の柱となるスーパーチャットの話ですが……

額面の3割はYouTubeの手数料で持っていかれます。まぁ、海外企業ですし、あんまり額面が高すぎると法律が云々とか色々でてくるのですが……

これでも投げ銭の割合としてはかなり良いです。

更に加えるとAppleのスマホやタブレットでスーパーチャットを投げると「 iTunes」というAppleのシステムに手数料を取られ、更にYouTube(親会社はgoogle)に投げられることになるので最初の額面の2割くらいは減った状態でスーパーチャットが送られます

日本のiPhonのシェアは市場の4割くらいなので、実際に届く金額は7割を割り込むと考えた方がいいですね。

シェア率なんかをチェックしたい方はこちら
「iPhoneシェア率が異常!世界と逆をいく日本のスマホ市場【2018年11月】」2018年10月29日『bitWave』
https://bitwave.showcase-tv.com/iphone%E5%BC%B7%E3%81%99%E3%81%8E%EF%BD%9C%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%83%91%E3%82%B4%E3%82%B9%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%9B%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%82%B7/

企業勢って儲かってるの?

こういう数字を見て「企業勢ってやってけるの?」と思った方は正解。大体赤字です。現状で言えば収益を上げて十分に会社を回せるだけの利益をだしている企業はほとんどないわけです。

むしろ市場を開拓してシェアを広げるための投資の段階であり、収益を上げられないリスクを背負ってやっているところの方が多いのです。親分ことキズナアイちゃんは赤字の状態のまま年単位で走っていたわけで……

本当に頭が下がります。

市場の勢いを見て参入した企業などもありますが、そもそもVtuberという「タレント」の運営スキルが低かったり、市場の状況を見誤ったりですでに撤退しているケースも存在します。

現在進行形で「サポート不足だなぁ」と思ってしまう企業も珍しくないので、「オーディションに受かったら企業がブラックだった」なんて話も透けて見えたり……

半年とか年単位で赤字状態を覚悟して人材育成を行いつつ市場の成熟を待つか、本当に才能のある人のみを選抜して強力にバックアップするかとかしないと黒字は難しい状態だと思ってください。

ちなみに、それだけのマネジメントスキル持ってるならV界隈以外で働いた方が儲けられる可能性が高いんですけどね。

YouTube以外の収益源を確保することが重要に

はい。ということで、YouTubeだけで収益を得てVの者が生活していくのが難しいのはわかっていただけましたでしょうか。ぶっちゃけ生活が成立するくらい化成でいる人は稀ですし、企業所属でもそれは変りません。

企業Vで登録者数などがブーストされても企業の取り分で収益が持っていかれたりしたら相当厳しいですからね。月給製でもらえるなら相当な厚遇になります。

数字がでてないのに取り分もってかれる零細企業Vはめちゃくちゃ大変だろうなぁ……と個人的には思っています。待遇面の情報は表に出なくても、個人勢と同じくらい応援したくなる場合もありますからね。

類似する仕事で探して収入の話をしてしまうと、ライブチャットとかで得られる収入が稼いだお金の3~4割って言えばわかりやすいですかね?

サーバーや広告費、イベント運営費などでお金が持ってかれるので、スーパーチャットと比べると数字的に見劣りします。ただし、収益化のスピードが全く違うこと、利用者層が違うことから最近は力を要れているプラットフォームが増えています。

イチナナやSHOWROOMは報酬の詳細を公開していないのですが、最近伸びているプラットフォームの一つになっていますね。IRIAMも独自の史上を形成していて強い。

まぁ、プラットフォームを別にしても、重要になるのが配信や動画以外の収益源です。FANBOXやAmazonほしい物リストなどは有名ですね。

FANBOX*1 の手数料は2019年1月1日より10%になりましたが、それでも安定した収入元の確保に役立ちます。Fantia*2 はキャンペーンで手数料を3.6%(通常10.8%)まで下げているので、月額で支援を受けるならトップクラスの効率になっています。

新興サービスだとFantasfic*3 が商品の販売と月額会員サービスの両方をもっていて手数料が10%~5%まで。1人招待するごとに手数料が割引になります。

後はBOOTH*4 (手数料3.6%)でボイスのダウンロード販売をしたり、SKIMA*5 などの媒体でイラストを販売したり……収益源を確保する方法はいくらでも。

*1:『pixiv FANBOX』
https://www.pixiv.net/fanbox

*2:『fantia』
https://fantia.jp/

*3:『Fantasfic』
https://fantasfic.fun/

*4:『BOOTH』
https://booth.pm/ja

*5:『SKIMA』
https://skima.jp/

過去記事でも各種手数料の情報などは発信しているので参考にしてみて下さい

「販売手数料ってどれくらい?クリエイター向け各種サービスの手数料まとめ」2018年11月18日『indiVTubers』
https://indivtubers.com/archives/3198

「【Vtuber向け】Live2Dモデル依頼受注者リストまとめ【その1】」2018年12月20日『indiVTubers』
https://indivtubers.com/archives/3891

サービス販売のちょっとした前例

私は文章一本で食べているフリーライターで、クラウドソーシングという「ネット上から不特定多数の人に仕事を依頼してマッチングをはかる」仕組みを利用し、自宅から出ずに仕事を完結させています。

いわゆる「ノマドワーカー」に近いスタイルですね。

立場上実際にフリーランスとして働くためのノウハウを聞かれることが多いのですが、アドバイスから実際に行動に移す前例ができました。

Aviutl入門講座 https://www.lancers.jp/menu/detail/92847 … #ランサーズストア
一つお試しに初めて見ようと思いますなのじゃ
これから動画編集を始めてみたい!
けど導入も操作もよくわからん!
そんな新規のVTuberの方々は多いのではないでしょうか?
基本的な
Aviutlの導入、基本操作、知ってると便利な機能教えます!

BANsのリアルイベントの裏方を務めたキアロヒさんが、【Aviutl入門講座】をランサーズストア*6 経由で販売しています。

*6:『ランサーズストア』
https://www.lancers.jp/store?ref=header_logo

ポイントになるのが「2時間の講座を受けられるなら、2時間分現役Vtuberに聞くお悩みサービスに応用することもできるんじゃないか?」 という点。

一つサービスを販売したらそれで終わりではなく、更に応用を加えたサービスが開発できる可能性があるのですよね。

また、サービス販売の場を作るということは、自分を目立たせる看板が増やせるということでもあります。どこからファンがつくかはわから無いのですから、看板はあちこち立てた方が良い。

今後はVtuberならではの経験を生かした「相談サービスやコーチングサービス」増えていくと予想しております。中には「コラボ1時間○○円&持ち込み企画or司会進行つき」みたいな物も出てくるんじゃないですかね?

え? お金取ったら炎上しそう?

内容非公開にして守秘義務つきの契約結べば問題ないのでは? 

フリーランスで喰っていくなら頭やわらかくして実利をとった方がいいです。アーティストとして意地を通したいならまた別の道がありますけどね。

大手クラウドソーシングサイトは

条件交渉→仮契約→前金の入金を確認して仕事→必要に応じてマイルストーン払いで分割→状況に応じて追加払い 

などの対応も取れるので、うまく使えば未入金のリスクを防ぎつつ収入源を確保できます。納品さえしてしまえば2週間程度で勝手に承認おりるのでクライアントが逃げるのが難しいんですよ。

ここら辺の話はまた別な機会にでも詳しくしますが、私がクラウドソーシング中心で直接契約の仕事をほとんどしないのは支払いの保証が取れることが重要だからだったり。

独立を視野に入れる人のためのお役立ちサイト情報まとめ

はい、では、最後に独立を視野に入れる人のためのお役立ち情報をまとめます。フリーランスが使いやすい法律相談や福利厚生サービスを提供しているサイトや、年金などの将来の不安に備えるサイトなどですね。

有料サービスではありますが、転ばぬ先の杖などとしても利用できます。

 
フリーランス協会
https://www.freelance-jp.org/

自営業者、個人事業主向けの保険などを提供しているのが特徴。

ポイントになるのが、「情報漏えい」「著作権侵害」といったリスクや、病気や怪我による収入減を支えるための保険があること。

大手企業が導入するレジャーの優待やフィットネス施設利用の割引を受けられる福利厚生プランも存在します。

 
Freelance basics
https://freelance-basics.jp/

個人事業主になると苦労が重なりやすい、請求サービス、会計サービス、法律相談などを融合させたサービス。月額制で各種サービスを利用可能で、

【フリーランスに会社機能を】

がコンセプト。投げられるところはなげてクリエイティブな仕事に集中したいという人は入ってみるのも方法かも?

法律相談もできるので、リスク管理に不安がある人は積極的に活用するのもおすすめ。

 
国民年金基金
https://www.npfa.or.jp/

国民年金だけでは将来の年金が不安という人のために作られた公的な個人年金制度。自営業者と厚生年金加入者では年金の金額が大きく変るため、将来に備えたいという人は検討したい仕組みの一つ。

メリットは「支払ったお金が全額税控除に使える」こと。最低支払い金額などは年齢によって異なり、1口から加入が可能。金額を上積みしたい場合は基本的なプランを換えるか2口、3口と増やしていくことになります。

デメリットは解約して払い戻しを要求することができないこと。民間の個人年金とは仕組みが異なるので、どちらが向いているかはしっかり調べてから利用してくださいね。

 

追記

2019年1月6日追記

0.01円という数字が一人歩きしているようなので追記を行いました。

金額は固定というわけではなく、実績や広告の挿入方法などによって変動するため、もっと高い金額をもらっている人もいます。

広告単価を上げるための工夫もできるということで……

 
執筆: この記事は「indiVTubers』よりしらたま。さんの記事からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2019年1月17日時点のものです。

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