秋の旅は飛騨高山&白川郷に決まり。母と娘の旅って最高!

秋の旅は飛騨高山&白川郷に決まり。母と娘の旅って最高!

母には、若い頃から憧れていた場所があった。
それは、白川郷――。
テレビや写真で見ていて「行ってみたいなー」とずっと思っていたのだが、今までの人生で白川郷はもちろん、飛騨高山方面に出張の機会はなかった。

白川郷の風景

それならばプライベートの旅行で行けばよかったのだが、我が家の家族旅行には常に小学生がいたため、必然的に海やプールがメインの旅に。小学生に白川郷は、あまりに渋すぎる。

しかし、気づいたら長女チアキはもう中学二年生。そろそろ、‟古き良き日本のかほり”がわかるお年頃なのでは? と思い立ち、私は「母娘二人旅」を再び提案したのだった。

が、
「白川郷? なにそれ?」
と、相変わらず我が家のJC(女子中学生)はそっけない。写真を見せても「へー」ってな感じだ。

しかし、ここで諦めては私の長きにわたるビジネスウーマン人生が否定されることになる。母は、飛騨高山のレトロな街並み、美味しいスイーツや飛騨グルメの数々をスマホ片手に鬼プレゼン。とどめには、
「この場所は、ある映画の舞台になったと言われている。それは、『君の名は。』だ」
と、以前家族みんなで観た映画名で畳みかけた。

すると、
「キミのゼンゼンゼンセ?」(※『君の名は。』主題歌の有名なフレーズ)
と、反応が。

私は指を立てて長女にザッツライトを伝え、次に
「君の前前々世から僕は 君を探しはじめたよー♪」
(前前前世/作詞・作曲:野田洋次郎)とサビを歌い、長女を笑わせた。

その時、「クライアント(長女)が落ちた」という確かな手ごたえを、母は感じたものだった。

かくして、我々は飛騨高山&白川郷、1泊2日の母娘旅へ繰り出すことになる。

【行程】
【母娘旅】飛騨高山&白川郷でレトロ散歩
まずは飛騨牛で腹ごしらえ
長女、初の人力車で、さんまち通りを散策!
『君の名は。』の聖地、日枝神社へ
いざ!憧れの白川郷へ

【母娘旅】飛騨高山&白川郷でレトロ散歩

白川郷をバックに立つライター川崎

白川郷がちらっと見えて、いきなりテンションの上がった46歳

東京駅から北陸新幹線で約2時間10分かけて、富山駅へ。
JR富山駅からバスに乗って高山市内へ向かう途中の休憩所で、まさかの「白川郷チラリズム」。旅程では、明日が白川郷へ行く日なので、ぐっと我慢してバスに戻る。

「待ってろよ! 白川郷!」

と、窓の向こうにつぶやく母、いつになくハイテンションな母に、JCはただただ冷ややかな視線を投げかけるのであった。

まずは飛騨牛で腹ごしらえ

飛騨牛の握り寿司

まずは飛騨牛で腹ごしらえ

高山市に着いた途端、長女は空腹を訴えた。
「観光の前に、まずは腹ごしらえ」ということで、JR高山駅から徒歩約15分の場所にある、「飛騨 こって牛」に直行する。
お寿司も肉も大好きな長女は旺盛な食欲で、
「ママ、これやばい!」
と言いながら平らげた。この「やばい」の意味は、よくわかる。飛騨牛最高ランク「5等級」の握り寿司は、いくらでも食べられるぐらいあっさり。それなのにお口の中で贅沢にとろけるの。ダイエット中の女子の皆さんは、食べすぎ注意ですよ!
飛騨こって牛の中庭

「飛騨こって牛」は、店の入り口で注文して、奥にある素敵な中庭でも食べることができる。ビールありますので、お父さんたちもぜひ!

長女、初の人力車で、さんまち通りを散策!

長女が人力車に乗ったことがないというので、飛騨こって牛のお店から徒歩2分ぐらいの所で乗車! 私たちを乗せてくれたのは、飛騨高山・観光人力車「ごくらく舎」の女性の車夫さん。初めてだわ、恐縮してしまうわで、普段は厚顔(こうがん)な長女が、この旅で一番ひるんでいた。
さんまち通りと人力車の女性車夫さん

和の街並みが美しいさんまち通りと女性車夫さん

でも、車夫さんがさんまち通りや高山市のことをたくさん教えてくれて、自分たちだけで回るよりずっとずっと楽しかった。意味や歴史を知らないで見るのと、知識があった上で見るのでは景色が違うということを、長女はこの人力車体験で会得してくれたのでは? と母は勝手に思っている。
さんまち通りの木造建築との軒下の植物

あちこちで見ることができる、木造建築と植物のコントラストにうっとり
お土産屋さんで売られているラムネ

目にも涼しいお土産屋さんのラムネとか。販売中

それにしても、さんまち通りは最高だった。
土産店やスイーツ店など、たくさんの店が軒を連ねている。食べ歩きにも最適で、甘いものとしょっぱいものの無限ループが胃をじわじわ拡張させてくれる。要は、美しい街並み、買い物、美味しいものという、女たちの欲望(年齢問わず)を、この街はがっつり満たしてくれるのだ。「〝飛騨高山観光名所ナンバー1”の看板に偽りはなし!」と、母はうなった。
レトロなパッケージの薬が並ぶ

レトロな薬屋さんのシャレオツな薬たち。思わず「ケロリン」を購入
組紐を持つ長女

飛騨高山まちの体験交流館では、組紐作りを体験できる。組紐は『君の名は。』でおばーちゃんが作っていた記憶が。教えてもらいながら上手に作れて満足げな長女

さんまち通りの散策を終え、この日は高山駅周辺のひだホテルプラザにチェックイン。夕食はフレンチで再び美味しい飛騨牛を。夜景の見える天空大浴場で温泉を堪能して、ぐっすり休んだ2人であった。

『君の名は。』の聖地、日枝神社へ

翌日は、高山駅からタクシーに10分ほど乗車。『君の名は。』に出てくる神社では? といわれている日枝神社へ。映画公開時は参拝者であふれていたそう。樹齢推定1000年の大杉もあり、マイナスイオンが半端ない荘厳な神社。

高山の日枝神社の鳥居 日枝神社にお参りする長女

娘は、「あれも!」「ここもそうじゃね?」と、映画『君の名は。』のシーンを神社のあちこちに当てはめては喜んでいた。最後はちゃっかりしっかりお参りしてお願い事を。

いざ!憧れの白川郷へ

日枝神社からタクシーで約10分、高山濃飛バスセンターへ移動し、濃飛バスに乗って約50分、とうとう憧れの白川郷へ。
白川郷の風景

あいにく小雨が降っていたけど、雨の白川郷もまたしっとりと美しいのであった
白川郷をバックに写る長女

見るものすべてがインスタ映え! それが飛騨高山&白川郷!
白川郷内にある山本屋さんのおそば

美味しそうなおそば屋さんがいくつかあって、私たちは山本屋さんへ。コシと香りのあるそばが美味美味♪
白川郷の湯の建物外観

白川郷を散策し尽くした後は〆の温泉へ。「白川郷の湯」の露天風呂やスチームサウナで汗をかいて「極楽~♪」を連呼する、おっさん同士みたいな母と娘

白川郷は、長年想像していた以上に幽玄(ゆうげん)で美しい所だった。
外国人観光客と一緒になって、私も「アメージング! アメージング!」言いっぱなしだった。

そして、どうして私が白川郷にあんなに憧れていたのか、実際に来てみてわかったことがある。私には(長女にも)子どもの頃、「田舎のおじーちゃんおばーちゃんの家」がなかった。だから、友達の夏休みの話を聞いたり、昔話を読んだり、「ふるさと」という曲を聴いたりした時に繰り返し思い描いてきたのは、絵本の中のようにデフォルメされた「田舎の里」で、それは白川郷そのものだったのだ。

白川郷を後にする時、もうひとつ昔から引っかかっていたことがあって、それを長女に聞いてみた。
「ふるさとっていう童謡さ、『山はあおき故郷、水は清き故郷』ってあるじゃない?水が清きはわかるんだけど、山って青くないよね? 緑? 茶色? なんで青いのかなぁ」

長女は、「さあ? しらねー」と言って、帰りのバス停の方角へすたすた行ってしまう。相変わらずそっけないJCだぜ!

そして、「最後の一枚撮るよ!」と言ったら、長女は毎年夏にパレードで踊るサンバのキメポーズで対応。

サンバのキメポーズ

帰りの新幹線の中、今回の母娘旅を振り返って思ったことは、「飛騨高山&白川郷」は1泊2日ではとても回り切れないということで、観光名所も見足りないし、ご当地グルメも食べ足りてない。それぐらい、母娘にとって魅力的なものがあふれている場所だった。

いつか、今度は次女も連れて、もう一度リベンジしたい。その時は3泊ぐらいしたい! と、野望をメラメラさせていたら、

「ママ! 見て!」
と、窓側の長女が写真を撮りながら興奮している。

「ママ、虹だよ!」
見ると本当に、進行方向に、きれいな虹がかかっていた。
北陸新幹線の車窓から見えた虹

北陸新幹線の車窓から見えた虹

「あと、ママ!山が青いよ!」

見ると、夕日が沈む前の山々は見事に青いのだった。

「よかったね、ママ♪ 青くて」

と、普段そっけないJCが、この時ばかりは弾んだ声でそう言った。

ああ、本当だね。
山は青かった。
そんなことを、アラフィフになって知ることができるなんて。
子どもの頃思い描いていた景色を、将来自分の娘と一緒に見ることができるなんて。

人生も、旅も、思いがけないことがいっぱいで、
だからこそやっぱり、

最高に面白い。

Alt:ライター川崎と長女のツーショット

関連記事リンク(外部サイト)

伊豆でインスタ映えするなら…身も心も癒やされる女子旅へ!
善光寺の御朱印がすごかった! 22の御朱印をいただく長野週末旅
フクロウカフェ、忍者レストラン……外国人に人気の都内のスポットに行ってみた
【東北&関東甲信越の絶景】 インスタ映え間違いなしのスポット5選
東北の絶品駅弁。仙台、盛岡、秋田で探してみた

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 秋の旅は飛騨高山&白川郷に決まり。母と娘の旅って最高!
びゅうたび

びゅうたび

旅するメディア「びゅうたび」は、ライターが現地を取材し、どんな旅をしたのかをモデルコースとともにお届け。個性たっぷりのライター陣が、独自の視点で書く新鮮な情報を、臨場感たっぷりにご紹介します。

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。