血液の状態をモニタリングできる画期的なスマートリストバンドが誕生

米ラトガース大学の研究チームは、2018年8月、血球や細菌、大気中の微粒子などを短時間で多量に定量観測する「サイトメトリー」の仕組みを実装したスマートリストバンドの開発に成功。

その成果をまとめた研究論文が、学術雑誌「Microsystems & Nanoengineering」で公開された。

・血球数をバイオセンサーが測定し、ワイヤレスでスマホにデータ転送

プラスチック製のリストバンドには、回路基盤のほか、金電極を内蔵したヒトの髪の毛よりも細い管とつながるバイオセンサーが組み込まれている。

血液サンプルを針で刺して採取し、管を通じてバイオセンサーに送ると、血球数が自動で計測され、回路基板が電気信号を処理してデータ化し、Bluetoothでワイヤレスに転送する仕組みだ。

ワイヤレスで転送されたデータは、専用アプリを介してAndroid端末で閲覧することができる。

また、この仕組みは大気中の微粒子の計測にも導入でき、ユーザーの周辺の大気環境をモニタリングするツールとしても応用可能だという。

・血液の状態が日常的にモニタリング可能に!?

「Fitbit」シリーズに代表される既存のスマートリストバンドでは、心拍数や歩数、消費カロリー、睡眠時間など、計測できる項目が限られているのが現状だ。

今回、新たに開発されたこのスマートリストバンドは、血球数をカウントすることで血液の状態を日常的にモニタリングできる、次世代型の健康管理ウェアラブル端末として、その実用化にも期待が寄せられている。(文 松岡由希子)

Rutgers University

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