ディーゼル機関車牽引がレアすぎる!暑さも吹き飛ぶSLばんえつ物語の旅
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やった! あの人気列車「SLばんえつ物語」のグリーン車指定席がとれたぞ!
そこから、この旅はスタートしました。
はじめまして、ホリプロのマネージャー南田裕介です。昔から鉄道が好きで、乗ったり撮ったりしています。
2階建て新幹線「MAXとき」で新潟へ
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JR東京駅からJR新潟駅までは上越新幹線に乗ります。悩んだ挙げ句「MAXとき」にしました。近い将来、引退が見込まれるE4系MAX。しっかりと乗っておきしょう。2時間ほどで新潟駅に着きました。
高架化が完成した新潟駅からは、普通列車に乗って20分ほどのJR新津駅へ。実は新津駅は鉄道の要。信越本線、羽越本線、磐越西線が交わる4差路になっていて、車庫もありキュンキュンします。
いざ、SLばんえつ物語に乗車!
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すでにSLばんえつ物語がスタンバイしていました! 高貴な雰囲気の客車にワクワクが一気に高まります。同時に少しソワソワしてもいました。前日にリリースが発表され、SL機関車の不具合で、珍しくディーゼル機関車が代打で牽引※することになりました。
※厳密にいうと、今回乗車した列車は「SLばんえつ物語」ではなく「臨時快速列車」。ですが、客車は「SLばんえつ物語」で使われているのと同じ車両なので、以下、「ばんえつ物語」と表記します。
「SLばんえつ物語」は車両の大規模修繕につき、2018年度の運行は見送りになっています。8月と9月の3連休期間中は快速「DLばんえつ物語」が運行するそう。
詳細はこちら。
このディーゼル機関車が客車を牽引するスタイルの列車は、私が少年だったころ日本全国各地を走ってました。しかし21世紀に入ってどんどん姿を消し、ほぼ見られなくなりました。なので、自分が少年のころにタイムスリップしたような気持ちになれるのです。
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ホームの先端に行ってみると、代走のDE10型ディーゼル機関車が。普段は車庫内の入れ換えなどに使われているこの朱色の機関車は、SLに比べると小ぶりですが、しっかり走ります。「しっかり頼むぜ」「任せといて」そう機関車と心の会話を交わして、車内に乗り込みます。まもなく出発です。
「SLばんえつ物語」とは?
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ここで改めて「SLばんえつ物語」のお話を。1999年から、主に週末を中心に、磐越西線で運転されているSL列車です。
現在の運行区間は、新潟県新津駅から福島県会津若松駅まで。およそ111キロを3時間30 分で結んでいます。牽引する蒸気機関車はC57 180号機で、昭和21年製の現在72歳。石炭をたいて水を沸かし、その水蒸気の力を使って走るのが蒸気機関車で、“steam locomotive “の頭文字を取って”SL”と呼ばれています。
黒々しい車体と国内を走るSL最大の動輪(車輪)、まるで人間の息遣いのような蒸気の音、もくもく煙を出しながら力強く走る姿にはファンも多く、全世代から愛されています。また、火を使うため、運転席はものすごく暑くて過酷。さらに運転もアナログで、機関車それぞれのクセや特色を制御し運転する機関士さんの姿に圧倒されます。
客車は7両編成で、全席指定。グリーン車指定席や展望車もあります。特にグリーン車の席数はわずか30席しかなく、超人気の列車なのです。
SLばんえつ物語のグリーン車は最高!
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いよいよ新津駅を発車します。
今回乗車するグリーン車は、一番後ろの7号車。客席と展望室とに分かれており、1席+2席の3列のシートが並びます。座席はリクライニングし、頭の部分には布のカバーがついていて、いかにもグリーン車という印象。壁やドアなども木目調で落ち着いていて、最高の空間です。
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展望室からは、過ぎ去っていく線路の様子を目の前で見られます。足元までガラス張りになっていて、眺望が素晴らしい! 展望室はグリーン車の乗客専用なので、プライベートビーチならぬプライベート展望室感がある。いやー、さすがグリーン車! 人気なのがうなずけるなぁ。チケット取れてよかった!
SLばんえつ物語の乗車記念手帳をゲット
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五泉(ごせん)駅が近づいてくる頃、スタッフの方から乗車記念手帳をいただきました。乗車記念のカードやはがきはもらったことがありましたが、手帳は珍しい!
SLばんえつ物語の車内を探検!
ここで、車内を探検してみます。グリーン車が7号車なので、6号車から順番にめぐってみましょう。6号車、5号車は普通車で、ボックスシートがずらっと並んでいます。5号車には売店があり、軽食やアイスクリームなどを購入することができます。
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この車両は観光用に改造されているのですが、間接照明と、えんじ色のシートがシックで落ち着いた雰囲気です。
景色を堪能できる展望車
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4号車は展望車になっています。ソファや腰掛けバーを備え、ゆっくりと窓の外を眺めることができます。ハイデッキ部分は屋根の一部が窓になっていて、上空の眺望まで楽しめます。また大きなモニターがありC57のドキュメント映像が流れています。乗車記念スタンプもあるので要チェックです!
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4号車の注目は、どーんと置かれた郵便ポスト。大正時代から使われていたポストで、ここに投函すると、特別な消印が押されるとのこと。とりあえず、びゅうたび編集部に取材が順調な旨、はがきを書きました。
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3号車、2号車は普通車で、家族連れや、仲間同士、楽しんでいます。そして、1号車はオコジョ展望車両。森をイメージしたこの車両には、滑り台やボールプール、塗り絵コーナーなどがあり、お子さんが楽しそうに遊んでいます。1号車にあった顔出しパネルで、記念に写真を撮りました。
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1号車は展望室になっていて、展望窓からは、先頭の牽引する機関車が見えます。代走をがんばっているDE10。「走ってるよー!」といわんばかりの勇ましい姿です。
車内では、じゃんけん大会が!
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日出谷駅を過ぎたあたりで、車内ではじゃんけん大会が始まりました。スタッフの方とじゃんけんをして、勝った上位2名は記念品のプレゼントをもらえます。よし、記念品ゲットするぞ!
……結果は、惜敗。勝った方、おめでとうございます!
山都(やまと)駅で、10分停車。
磐越西線は、いくつかの鉄橋やトンネルを通ります。特に注目したいのは、JR山都駅~JR喜多方駅の間にある、「一ノ戸川橋梁(いちのとがわきょうりょう)」。たくさんの写真家がばんえつ物語に向けてシャッターを切り、みなさんこちらに手を振っています。
まもなく喜多方駅。マラソンでいうと最後の競技場に入ったところ。終点の会津若松駅まで、ばんえつ物語の旅は終盤に入ります。
感動のフィーナーレ、走ってきたぞ会津若松まで
最後に、車掌さんが「ありがとうございました」と各席にやってきました。オルゴールの車内放送が流れ、終着駅が近いことを告げます。「ああ、もう着いてしまうのか……」車窓には、街の風景がだんだん目立ち始めます。本当に乗り応えのある3時間半でした。
これぞ「会津ソースカツ丼」!めちゃうまかったぞ!
お昼ご飯には会津若松名物の「ソースカツ丼」を求めて、会津若松駅から徒歩1分のまるたか食堂へ。
さっそく「会津ソースカツ丼」を注文しました。
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で、でかい! ふたが閉まらないくらいのカツだ! よく見ると、トレイにはソース瓶が。ご主人によると「ウチのソースは自家製のブレンドで、自慢のソースです」とのこと。
分厚いトンカツはさくっと揚げられ、ソースはしっとり。ライスとカツの間に挟まった千切りキャベツが、いいアクセントに。ずばり、おいしいです。スープとお新香がついて1000円はお得。ごちそうさまでした。
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ばんえつ物語を撮り鉄したぞ!
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列車に乗ったら、写真も撮りたくなるものです。
列車は小さくてもいい、とにかくこの暑い夏の磐越西線を表現したかったので、田んぼの横のスポットを探しました。会津若松駅からやや堂島駅寄りの道で、ようやくイメージ通りの場所を見つけました。アングルを決めていると、踏み切りの音が。やってきました「ばんえつ物語」。夢中でシャッターを切ります。最近のカメラは連写ができて超便利です。なかなか満足のいく写真が撮れました。
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撮影スポットまでは、会津若松駅前のレンタサイクルを利用しました。電動アシスト機能もついていたのでかなり楽でしたが、ももはパンパンになりました。普段から、もっと運動しなくては……。翌日に備えて、会津若松駅周辺の宿で早めに就寝しました。
喜多方駅付近で撮り鉄!
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翌朝、会津若松駅を出発し、20分ほどで喜多方駅到着。あらかじめ狙っていた鉄橋のポイントへ、駅から西へ徒歩10分ほど。
ここで、私が実践している鉄道撮影のコツをご紹介します。撮影ポイントの選び方は、「逆光を避ける」、「なるべく障害物のないところを探す」。そして「カメラのズーム(接写モード)を極力使わず、なるべく近づいて撮る」、「焦点を決める」、「何を伝えたいかを考える」、などの撮影テクニックがあります。SLの場合だとそれにプラスして、坂を登るなどSLが煙を吐く場所を確認する、煙のなびく方向を予測するため風向きを読むなど、テクニックはさらに高度になります。私はできるだけ俯瞰でもローアングルでもなく目線の高さに列車を入れるというこだわりがあります。
ちょうどいい位置があったのでスタンバイ。ここは近くに踏切がなく、列車が接近しても気づかない場合があるため、常に臨戦態勢です。
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遠くからタタンタタンと列車の近づく音がしてきました。よし今だ。カシャカシャカシャ。ばんえつ物語は軽快に鉄橋を渡り、走り去ってゆきました。よかった。よく撮れました。暑い思いをしたかいがありました。ちょっと青空を入れすぎたかな。撮影後は喜多方駅へ戻り、東京駅を目指します。
2日間堪能したばんえつ物語は、乗って楽しい、見て楽しい、魅力的な鉄道でした。
今回はたまたまディーゼル機関車の牽引でしたが、「SLばんえつ物語」が運行再開した際には、SLの牽引する「ばんえつ物語」で、素敵な物語を作りにきたいと思います。
※SLばんえつ物語号、およびDLばんえつ物語号の最新の運転計画はHPをご確認ください。
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