サマータイム、日本に導入すると害しかない可能性が高いのをわかりやすく説明してみるよ (((・ω・)))(黒翼猫のコンピュータ日記 2nd Edition)

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サマータイム、日本に導入すると害しかない可能性が高いのをわかりやすく説明してみるよ

今回は黒翼猫さんのブログ『黒翼猫のコンピュータ日記 2nd Edition』からご寄稿いただきました。

サマータイム、日本に導入すると害しかない可能性が高いのをわかりやすく説明してみるよ (((・ω・)))(黒翼猫のコンピュータ日記 2nd Edition)

世論調査―質問と回答〈8月4、5日実施〉:朝日新聞デジタル*1

*1:「世論調査―質問と回答〈8月4、5日実施〉」2018年8月6日 『朝日新聞デジタル』
https://www.asahi.com/articles/ASL855GWDL85UZPS007.html

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策についてうかがいます。大会組織委員会は、気温の低い早朝を有効に使うため、日本全体で夏の間だけ時計を2時間進める「サマータイム」の導入を提案しています。あなたはこの案に賛成ですか。反対ですか。

賛成 53 反対 32 その他・答えない 15

サマータイムには次のようなメリットがあるとされているため、賛成してる人も多いようです

・直接効果(省エネ/温室効果ガス削減効果)
・間接効果(犯罪・交通事故の減少)
・経済波及効果(「自然」「健康」「文化活動」をキーワードとする活動が活発化)

ところが…。

1. 実は、健康被害が大きい

・2007年に報告されたドイツでの55,000名を対象にした大規模な調査でサマータイムに起因する健康被害が報告

1. 新たな時刻に身体が慣れるまでに、時計を早める変更で4週間以上・時計を遅くする変更後で3週間かかった。
2. 夜型人間では春の時刻変更後4週間経っても生体リズムと新たな時刻とのズレは消失しない。
3. 春の時刻変更後、睡眠不足に

・ロシアが時刻変更を中止した理由は健康被害。夏時間への移行時に救急車の出動回数が増え、心筋梗塞患者が増加
・1987年から2006年のスウェーデンでのデータに基づいた検討では、夏時間が始まった直後(春)の初めの3日間(月、火、水)に心筋梗塞発症の危険率が有意に増加したというのです。1週間の平均で見ると、危険率は5%高まる

・18~25歳の6名(若年群)と、37~52歳の8名(中年群)で、生活時間帯を6時間早めることの影響を見た実験
中年群は若年群に比べ、睡眠中に途中で目覚めることが増え、かつ目覚めも早くなってしまう結果。
また中年群ではぼんやりとし、体調が悪く眠気におそわれ、日常活動にも努力が必要と感じる割合が増えた。
高齢者は更に負担が増える。

・「2005年北海道サマータイム月間」

*アンケート調査結果における「心身に対する影響」も参考になります。2004年で従業員の40% が「体調が悪くなった」と答え、2005年にも43%が「体調が悪くなった」「不都合が生じた」と答えています。現場での健康被害が実証されたといえるでしょう。

まとめると

・夏時間の切り替えで合計2ヶ月間、体調が悪い状態になり、生産性が落ちる
・高齢者と夜型の人間が多い日本では悪影響が大きい。
・以前日本でサマータイムをやったときは、労働時間が増えてひどいことになった

何もいいことありませんね。

サマータイムは日本に合わないのか 戦後に導入・廃止された経緯も、残業が増える?*2
*1:「サマータイムは日本に合わないのか 戦後に導入・廃止された経緯も、残業が増える?」2018年8月2日 『ハフポスト』
https://www.huffingtonpost.jp/abematimes/summertime-20180802_a_23494283/

一方、小学生の時にサマータイムを経験したという80代の男性は「前やって良かった。昔は1時間(の時間変更)、だから今度も賛成。そんなに(生活リズムが)狂った記憶はない」と、自身の経験から語った。

自分が小学生の時はやってよかったので、今度も賛成だ!っていうのは愚かにも程があるよ! (・ω・)ノ

2. 実は、交通事故が増える

日常生活と生産活動への影響

英国で、サマータイム導入前の1970年と1971年を対照年、導入後の1972年と1973年を実験年とし、春の時刻変更前後1週間における傷害を伴う交通事故件数の比較が行われました。その結果、導入後の実験年では交通事故が10.8%増加しています。

米国・カリフォルニア州やドイツでも同様の結果が報告

ただし、スウェーデンやフィンランドからは、春秋の時刻変更後いずれも交通事故 件数は変化していないとの報告もあり、また、米国・ミネソタ州からは交通事故が減 少したという報告

スウェーデンは人口密度 20人/km2
フィンランドは人口密度 16人/km2
ミネソタ州は人口密度 25.9人/km2
——————————–
カリフォルニア州は人口密度 90.49人/km2
ドイツは 230人/km2

そりゃ、時間にあまりこだわらない人たちばかりで、人も少なかったら影響少ないでしょうね
時間に厳密で、人口密度の多い日本でやったら、交通事故はてきめんに増えると思われます。
そんな簡単なこともわからない?・ω・

3. サマータイムは日本では全く省エネにならない

2000年のオリンピック開催に合わせてサマータイムを延長したオースト
ラリアの2州でも、延長によって夕方の電力消費量は節約できたのですが、朝の電力消費量は増加し、全体として省エネ効果はありませんでした。米国・インディアナ州では、2007年のサマータイム導入時に家庭の電力消費量が1~4%増加したようです。
照明の電力消費量は減少したものの、冷暖房の使用がそれ以上に増加したためです。
また、最近の日本における試算(下記コラム参照)でもサマータイムの省エネ効果は否定的です。
次に経済効果ですが、フランスの1996年のEU上院代議員団レポートでは、経済効果も否定されています。

ロシアでは、切り替えの時期に救急車の出動や心筋梗塞による死亡者が増加し、生体リズムに反している、省エネ効果がほとんどなかったとの理由から、2011年3月末の夏時間への移行を最後に時間の移行を廃止しています。
フランスでは、1996年の欧州連合(EU)上院代議員団レポートで「年2回の時刻変更に伴う省エネ等の利益は、国民が感じている不利益には大きくおよばない。この人工的な制度を廃止し、より自然な時間の流れに戻すべき」と結論

大阪大学が大阪市をモデルにサマータイムを導入した場合の予想電力消費量を2007 年に試算しています。その試算によると、家庭の照明用電気消費量は0.02%減少するものの、冷房用電気消費量は0.15%増加し、全体として0.13%増加する

日本では1948年から1951年に実施されましたが、残業量増加など労働条件の悪化により1952年以降は廃止されました

日本で家庭の電力消費を試算した結果、冷房用電気が大量に必要なので逆に、省エネにならないそうです。
そういえば、サマータイムって高緯度地域で導入することが多いシステムですよね

更に、日本で戦後サマータイムを導入したときには、残業時間の増加などの労働条件の悪化が廃止理由にあったそうです。
残業時間が増えたら、当然冷房も必要になるわけですから、更にエネルギーが必要になります。

やだー、害しかないじゃないですか ・ω・!

これ以外にも、IT分野への適用に、1兆円かかるのではないかと言われていたりします。

まぁ、愚かな日本国民の半数以上が賛成してるわけですから、一度導入して見て、痛い目にあってみればいいんじゃないかと思いますけどね ・ω・

一般社団法人 日本睡眠学会 サマータイム制度に関する特別委員会*3
*3:「サマータイム-健康に与える影響-(PDF)」 『一般社団法人 日本睡眠学会 サマータイム制度に関する特別委員会』
http://180.235.226.153/staff/docs/doc_ishihara0507.pdf

そもそも、気温が一番高い時間にオリンピック競技が行われるのを避けるのが導入の趣旨だったと思います。

私は、国民の生活を無理やり変更してまで、たかだか、1~2時間融通するより、
競技時間について、変更できるようにした方が余程有益だと思います (((・ω・)))

関連記事:
もしも、Windows 2000に日本のサマータイムを適用しなくてはならなくなったら?*4
*4:「もしも、Windows 2000に日本のサマータイムを適用しなくてはならなくなったら?」2018年07月22日 『黒翼猫のコンピュータ日記 2nd Edition』
http://blog.livedoor.jp/blackwingcat/archives/1970987.html

夏時間の適用日と終了日のタスクスケジューラーの動作はどうなってるの? *5
*5:「夏時間の適用日と終了日のタスクスケジューラーの動作はどうなってるの?」2018年07月23日 『黒翼猫のコンピュータ日記 2nd Edition』
http://blog.livedoor.jp/blackwingcat/archives/1970989.html

執筆: この記事は黒翼猫さんのブログ『黒翼猫のコンピュータ日記 2nd Edition』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2018年8月8日時点のものです。

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