ひろゆき・菊竹龍・濵田俊也、アイドルの世界挑戦を考える。アイドルLOUNGE オフイベントVol.9レポート

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タイでのアイドルファン

濵田: ところで日本から一緒に行ってくれたアイドルさんは、現地ではそもそも人気があったの?

菊竹: その時点ではそこまで認知はされていなかったと思いますね。
日本から、◯◯さんというアイドルが一緒にいきます、って発表したら、現地の人たちは、速攻でYouTubeを見て全部勉強するんですよ。
で、現地ではみんな一斉に振りをやる。日本って、ミックスだったりとかケチャだったりだと思うんですけど、タイがユニークだと思うんですが、歌うんですよね一緒に。

濵田: ん?歌を歌う?

菊竹: 歌を歌うんです。

濵田: タイの人、分かんないよね、日本語。

菊竹: でも日本語で歌うんですよ。覚えてきて。

西村: ちゃんと覚えるんだ。もともとそんなファンでもないけど、イベントが来るからYouTube見て、ちゃんと覚えるっていうことなんですね。

菊竹: そうなんです。ちゃんと見て、振りも覚えてくる。

西村: なんか、いいお客さん多いですね(笑)。

菊竹: そうですね(笑)。なんか前向きな人が多かったですね。

西村: 物販の単価設定って、日本と比べてどうですか。

菊竹: 日本より高いですね。

西村: 日本より高くっても、全然、売れる?

菊竹: 全然、売れます。「今しか買えない」「今しか来てない」っていうのはあるのかもしれないですけど、4000円、5000円の商品がガンガン売れていきました

西村: なんか最近、アジアって、偽物より本物を追求する文化になりつつありますよね。

菊竹: そうですね。
タイでも、『Japan Manga Alliance』という法人がタイにできて、版権元や販売元が合弁会社を設立して、「コピー商品をなくそう」という取り組みをしているんです。結果、今ではコピー商品よりもやっぱり本物のほうが価値が出ていて、売り上げもどんどん上がっているそうです。実際に店に行って見てみたんですけど、日本より高いんですよ、輸入してるから。それでも全然、売れ行きはいいってことだったので、そういう風潮があるんだと思いますね。

西村: じゃあ、物販商品を持ってって、高値で売るようにすれば、結構費用の回収もできる。

菊竹: 回収もできると思いますね。

濵田: すごくいいファンがいっぱいいるってことだよね。物販の商品は高くても買ってくれ、1時間半開催が遅れても怒りもせず(笑)。

菊竹: そうですね、振りコピまでしてきて(笑)。時々「なんかリフトしてる人いるな」と思ったら、日本から来たファンの方だったりして、そこは日本語で注意しました(笑)。

濵田・西村: (笑)。

濵田: 勘弁してほしいよね…でも、暴れるそういう人は除いて(笑)、いいファンもいたと思うんだけど、海外での日本の一般的なファンって、どういう感じだったの? 

菊竹: きちんと、自分の推してるアイドルに現地のファンが付くように、みたいな動きをしてくれてましたね。僕らは直接は絡んでないですけど例えば、『TIF in BANGKOK』のライブが終わった後に事務所さんが仕切って現地でオフ会とかを開いていたらしいんです。そこにはタイの現地のファンも来るし日本のファンも来るしっていう中で、きちんと日本のファンがタイのファンへホスピタリティというかちゃんといろんなことを説明したりとかしていた、と聞きました。

西村: 言葉の問題は?

菊竹: タイの方は英語しゃべれる人が多いいんですよね。

西村: じゃあ日本のファンも英語しゃべれる人が説明して。

菊竹: そうですね。

濵田: そういういい風景が現場にはあったってことだね。
菊竹:タイっていう国がそうなのかもしれないですけど、一緒に行った運営の人たちはめっちゃ楽しそうでした(笑)。

濵田: (笑)。なんかいいね、そういう話は。

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タイへのアイドルとアイドルフェスの進出は、機が熟してきている

濵田: アイドルが海外に行くって、なかなか、きっかけつくるのは難しいとは思うんです。こういう機会がもっとたくさんあったらいいのにね。

菊竹: アイドルの海外進出でいうと、単体で行くのは厳しいですよね。どうしても日本のファンを連れていくというところに終始してしまうので、そうなっちゃうと海外でやる意味が減ってしまい、「海外行ったね」で終わっちゃうことも少なくないと聞きます。だから「どれだけ現地のファンが来てくれるか」という話になると思うので、そういうときに僕らのような、オムニバス形式のイベントを利用して頂けると嬉しいです。僕らも現地のファンがいる場で、日本のアイドルたちがアクトをするという場を今後も作っていければと思います。

濵田: 冒頭で、収支が、っていう話があったけど、そういう(チケットを買う)文化がないって判断したからチケッティングしなかったの?

菊竹: そうですね、全体的にショーにお金を払う、お金を払ってエンターテインメントを見るっていう文化が弱いと感じるところはあって。「ジャパニーズアイドルというものに対してわざわざお金を払って見るという文化まで至っていない」という、僕は認識していました。ただ今回やってみて、BNKのパワーを見てみても、環境は大きく変わってきていると感じました。

西村: そうしたら、もうちょっと単価上げていったり、会場のキャパシティー増やしても、全然いけるって感じなんですか?

菊竹: そうですね。次はきちんとチケットも価格設定してっていうのがいける段階になってきたかなと。タイという市場では。

西村: 15点と言いつつ、未来には全然いけるっていう、そういう感じですね。
そういう意味でいくと、AKBグループが結構開拓してますよね。今、シンガポールのAFAとかのイベントだとアイドルがちゃんとお客さんを連れてきたりしてるんで。だから、過渡期なのかなっていう気はします。

菊竹: その中でも、特にBNKは勢いに乗ってますね。AKBの海外グループでいうと。

濵田: お金も使ってくれる慣習っていうか文化が広がりつつある感じなんだ。

菊竹: そうですね。そういう市場になってきてるんだなというのは感じます。
あと、物販の売れ行きも大きかったので、アイドルが取り組む市場としては、タイは、今、土壌が整ってきてるんじゃないのかな、というふうには感じています。

濵田: ウェブとかを通じて、アイドルが収益を得る方法みたいなのが無いのかなとも思ったんですけど、どうでしょうか。

西村: 韓国の『江南スタイル』とか、YouTubeに載せてその広告収益でウン億円とかになったりするわけじゃないですか。歌とか踊りって別に言葉分かんなくてもいいので、PVで、広告収入っていう形で「外国人の人に見てもらってお金得る」っていうのは、今はそんなに難しくないのかなと思います。

菊竹: そうですね。あとやっぱり国ごとの差が結構あると思うんです、SNS、ネット展開っていうのは。タイで言うと、Facebookが圧倒的に強いんですね。だから、何かプロモーションするなら絶対Facebookです。

濵田: 東南アジアでは強いからね、Facebook。

西村: あと現地の言葉でちゃんと翻訳するとか、結構、重要だったりしますよね。

菊竹: そうですね。

濵田: ローカライズしないと、なんですが、難しいですね。

西村: ネットで探せば、翻訳だってすごい安くやってくれる人いるんで。自分たちでタイ語翻訳。

菊竹: ライブもFacebookライブで全部だだ流しにする。すると彼らは『いいね!』の敷居が低いんで、取りあえず『いいね!』とかシェアとかしまくるんで、すぐ1万『いいね!』とか行くわけですよね。
そもそも基本全部動画配信するんですよ。ライブ全編とか。でもそれが当たり前なんで、日本的な感覚で「そんなの駄目だよ」って制限すると、現地では拡散しないんですよね。
「これをやったら全世界で広がる」なんてものは多分なくて、その国その国のSNSの利用のされ方の差をきちんと勉強して、展開していくっていうのが大事かなと思います。

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アイドルの海外進出の、究極の目的はなんだろうか

濵田: アイドルの海外進出は、どこまで行ったら成功なんでしょうか?
僕は、「グループとしてやっていけるだけの十分な熱量」であったりとか、あるいは収益が、日本、海外を問わず、最終的にグループに得られれば勝ちなんじゃないかな、なんて思ったりもしているんですね。
海外と日本の比率とかそういうのではなくて、最終的にグループとしての目標がちゃんと設定されてて、そこを達成することができれば成功なんじゃないかな、なんて思っています。

西村: 日本の市場がなくなっても食えるようになったら、本物なんじゃないですか。「日本で一応ライブはたまにやりますけど、別になんか、そんなに日本で頑張ってやんなくても、結構食えます」っていうぐらいになったら、成功って言えるのかなと思います。
twitterのフォロワーとか、YouTubeの再生数って、やっぱり数字がでかいほうが人気があるってみんな誤解するじゃないですか。海外の人たちって、数字すぐ上げてくれるので、なんかTwitterのフォロワーとかでも、ちょっと気に入ったらすぐフォローしちゃうみたいな。数字のかさ上げをすると、日本の中でも割とそういう、フォロワーの数字の多いアイドルっていうふうに見えちゃうので、そういう形で海外をうまく使うといいのかなとは思います。
僕は、AFAアジアっていうイベント関係で4年ぐらい連続でシンガポールやインドネシア行ったりとか、割と海外イベントを見てるんです。アメリカだったらアニメ系のイベントとか。で、これまではアーティスト系が多かったんですけど、ちょっとずつアイドル系の出演が増えてきてるんですよね。
アイドルって、言っちゃなんですけど、歌もまだうまくないし、ダンスもまだそんなにできないじゃないですか(笑)。なのに割と呼ばれるようになってきてるということは、見る側もだんだん変わってきてるのかなっていう気がします。まだ今の時点ではそんなに商売にならない可能性もあるんですけど、多分、時間の問題で、そのうち全然いけるようになるのかなっていう気はします。

菊竹: アイドルさんごとに、目標っていろいろあるんだろうと思います。
そんな中僕らとして、「プラットフォームとして」何ができるかということでいうと、最終的には、アニメ、マンガの次にアイドルって来るように、インバウンドビジネスの柱に育てていくことだと思います。「マンガ・アニメ・アイドル」というのがちゃんと確固たる位置が立ってくれるというか、そうなるように2020年に向けて活動していく。2020年は全世界の視線が日本に、ジャパニーズカルチャーへ注がれます。
そのときに『TIF』として「こんなに、日本のアイドルこんなにすごい人たちいるんだぞ」っていうのを発信できるといいなとは思います。

濵田: 2020年になる前でも、今年の『TIF』でも、海外からのお客さんは結構来るだろうね。

菊竹: そうですね。そこも見越しての今年BNK48の招致でもあるので、きちんと結果を出していきたいです。

西村: ここにいる事務所さんで、『TIF』が海外行くならうちも行きたいみたいな人っています?
(会場で手が挙がる)

菊竹: そう考えてもらえるとうれしいですね(笑)。
『TIF in BANGKOK』の自己採点は「15点」って言ったんですけど、「30点」にしようかな(笑)。

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<写真:(左)菊竹龍氏、(中)西村博之氏、(右)濵田俊也氏>

次回告知:8/7(火)には『鼎談~2018夏、アイドルシーンの広がりを考える~』が秋葉原で開催

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『鼎談〜2018夏、アイドルシーンの広がりを考える〜』(「アイドルLOUNGE」 オフイベント)の開催が決定しました。

出演者は、『@JAM』総合プロデューサーの橋元恵一氏、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏、そして、アイドル関連のフェスや事業を多数手がけ、本イベントのホスト役でもある濵田俊也氏の3名。

それぞれ個性的な経歴を持った3人が、“アイドルシーンの拡大”について語ります。

開催は2018年8月7日(火)19時から。会場はVDC(Vocal & Dance Collection)プロジェクトの発信地でもある秋葉原ガジェット通信フロアです。

鼎談終了後には懇親会も予定されています。
鼎談、懇親会いずれも参加には事前申し込みが必要となりますのでご注意ください。

参加申し込みは7月31日(火)24時となっています。

日時:8月7日(火)19時〜20時(鼎談)/20時20分〜22時(懇親会)
場所:ガジェット通信フロア https://getnews.jp/floor_for_guest
料金:鼎談無料、懇親会6,000円(実費。懇親会はアイドル業界の方だけに限らせていただきます)
募集〆切:7月31日(火)
主催:アイドルLOUNGE
応募:https://goo.gl/forms/wQD87sFlQTGccnWv2
※申し込みが多い場合は抽選

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ウェブサイト: https://vdc.tokyo/

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