増える『孤食』習慣・その注意点と楽しみ方とは?
『1日の食事のすべてを一人で取る』孤食が15%に増加
5月末、農林水産省より平成29年度の食育白書が発表されました。
食生活のスタイルも多様化されており、様々な問題が浮き彫りになっています。今回の食育白書で注目を集めたデータは『孤食』(こしょく)の急上昇でした。
『孤食』と聞いてピンと来る方、どれぐらいいらっしゃるでしょうか?そもそも『孤食』とは農林水産省の定義では『1日の食事のすべてを一人で取る』という状態のことを指しますが、この『孤食』の割合が15%にも達しており、問題視をされています。
現代の食の問題「6つのこ食」とは?
そもそもこの『孤食』は食育で問題視されている『6つのこ食』の一つです。ちなみに『6つのこ食』とは
1.一人で食べる孤独の『孤食』
2.それぞれが好きなものを食べる個別の『個食』
3.決まったものしか食べない固定の『固食』
4.粉もの(パン、麺類など)ばかり食べる粉の『粉食』
5.食べる量が少ない『小食』
6.味の濃いものばかり食べる『濃食』
この6つが現代の食の問題と言われている『6つのこ食』です。その中でも今回の食育白書で急上昇している項目として注目された『孤食』は他の5つも同時にしてしまいやすい環境を作る、食育上の大きな問題点とされています。
孤食の背景には社会情勢の変化も大きく今後も増えていきそう
しかし、孤食になってしまった原因は社会背景も大きく関係しています。残業などの労働時間の問題、高齢者の単身世帯の増加などは急激に改善できるものではありませんしこれからますます増えていくことが予想されます。
孤食を楽しみながら上手に付き合う方法
家族と一緒に、友人たちと一緒にできるだけ食事を取りたくてもなかなか取れない、孤食が悪いのはわかっている、そんな状況だけにこの孤食とも上手に付き合っていくこと、孤食で健康を害さないため、孤食する際の注意点をいくつかご紹介したいと思います。
孤食と上手に付き合うために
ながら食いに注意・・・テレビを見ながら、雑誌や漫画、スマホを触りながらの食事はやめて食事に集中して食べましょう。
固食にならないように・・・孤食はついつい自分の好きな食べ物ばかり選びがちなので、1週間同じものが重ならないようにしましょう。
冷凍食品を活用・・・栄養価など新鮮なものに比べると落ちてしまうものもありますが、色々な食材を少量ずつ使うには冷凍がおすすめ。野菜や肉などを買った場合、自作の冷凍食品もうまく活用しましょう。
メニュー選びは食材+『味』+『色』で・・・単身世帯の方は毎日の食事選びが一番の難問だと思います。今日はお肉、明日は魚、と言ったように食材でメニューをする方も多いと思いますが、それと同時に『味付け』でメニュー選びもしていきましょう。
気がつくと甘い味、塩辛い味ばかりになりがちです。酸っぱい酸味、や苦味のあるものも意識して入れるようにしましょう。酢の物や苦味のある薬味や野菜なども選びましょう。
またメニュー選びの際はぜひ食材の色にも注意してみましょう。気がついたら『茶色のものばかり』なんてことが特に男性には多く見られます。赤いもの、緑のもの、白いもの、黒いもの、黄色いもの、5つの色を目安にバランスを考えて見ましょう。
ゆっくり食べて孤食を楽しむ
孤食も決して悪いことばかりではありません。一人でゆっくりと食事を楽しむことが好きな方もたくさんいるように、人のペースに巻き込まれないで、ゆっくりと食事を楽しむことができるのは孤食の最大の利点です。
一番カラダに悪い食事は『嫌いな人と一緒に食事をすること』などと言われるぐらいですからそれ比べると孤食の方が健康的かもしれませんね。
また、インスタグラムやツイッターなどのSNSなどを活用して食事内容をアップしたりすることで、食事選びに張り合いがでたり、共感したりしてもらたり、孤食のマイナスを補うことができます。食に対する意識も高まるので、そんな楽しみを感じながら孤食と上手に付き合って、できるだけ健康的な食生活を送っていきましょう。
(早川 弘太/健康管理士)
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