発電施設の水消費量を最大30%削減する集水システムをMIT出身スタートアップが開発
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・大気中の水蒸気を荷電粒子ビームで捕らえて収集
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そこで、「Infinite Cooling」は、電界を使って冷却塔から排出される水蒸気を最大80%収集し、水資源として再利用させるシステムを開発。
水蒸気を含んだ空気を電荷を帯びた荷電粒子ビームで捕らえ、水蒸気を帯電させて収集する仕組みだ。
帯電した水蒸気は集水スペースに流れ落ち、質の高い蒸留水として発電所で再利用することができるほか、飲用水として地域の水道システムに供給することも可能。
これによって、発電所における水の消費量を20%から30%削減でき、600メガワット規模の発電所で年間100万ドル(約1億1000万円)のコストを節約できるそうだ。
・2018年夏、MITキャンパス内の発電施設で試験的運用へ
「Infinite Cooling」の画期的なテクノロジーはMITの学内外で注目を集め、2017年8月には米エネルギー省が主催する「Cleantech University Prize」で優勝したほか、2018年5月には、MITのスタートアップ向けコンペティション「MIT $100K Launch」でも大賞を獲得した。
「Infinite Cooling」では、いよいよ、2018年夏、キャンパス内に電力を供給するMITの発電施設の屋根にこのシステムのプロトタイプを設置し、秋以降、試験的運用を開始する方針だ。(文 松岡由希子)
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