映画『トップ・ガン』から学ぶ、英語で「はい」「いいえ」をカッコよく言う方法

映画『トップ・ガン』から学ぶ、英語で「はい」「いいえ」をカッコよく言う方法

『頑張らない英語』シリーズ(あさ出版)『TOEIC最強の根本対策』シリーズ(実務教育出版)など数々の英語学習に関する著書を出されている西澤ロイさん。英語の“お医者さん”として、英語学習の改善指導なども行っている西澤さんに「正しい英語学習の方法」についてお話しいただくこのコーナー。第18回目の今回は、「海外アニメ映画に学ぶ英語フレーズです。今回は今話題の映画『トップ・ガン』を題材にしたいと思います。

プロフィール

西澤ロイ(にしざわ・ろい) イングリッシュ・ドクター

英語の“お医者さん”として、英語に対する誤った思い込みや英語嫌いを治療し、心理面のケアや、学習体質の改善指導を行なっている。英語が上達しない原因である「英語病」を治療する専門家。ベストセラーとなっている『頑張らない英語』シリーズ(あさ出版)や『TOEIC最強の根本対策』シリーズ(実務教育出版)他、著書多数。さらに、ラジオで4本のレギュラーがオンエア中。特に、木8の番組「めざせ!スキ度UP」が好評を博している。

前回の記事では、映画「リメンバー・ミー」(原題:Coco)に登場する英語表現を取り上げました。それがとても好評でしたので、引き続き、今回も映画に出てくる英語表現を取り上げて解説します。

今回取り上げたいのは、元々1986年に公開されて大人気を博し、なんと32年ぶりに続編が出ることになった映画「トップ・ガン」(原題:Top Gun)です。

一番有名なセリフは I feel the need… the need for speed.

(俺には必要なんだ…スピードが)

ではないでしょうか。また、ケニー・ロギンスが歌った主題歌「デンジャー・ゾーン」の Highway to the danger zone

(危険なゾーンへのハイウェイ)

という歌詞も有名ですね。

そして、英語を学んでいる方であれば、さらに押さえておくと良いのは No points for second place.

(2位だと得点はない ⇒ 1位にならないと意味がない)

かもしれません。

映画「トップ・ガン」にはカッコイイ表現が満載

映画「トップ・ガン」に出てくる英語表現の中には、「軍隊用語」も多く含まれます。日常的に頻繁に登場することはもちろんありませんが、こういう表現を会話の中でスパイスとして使えたらカッコイイと思いませんか?

例えば、上官の質問に対して Yes, sir!

などと答えるシーン1つ取っても、非常にカッコイイのです。カナカナで「イエッサー」と言うのとはちょっと比較になりません(映画では場面が何度も出てきますのでぜひ実際にご覧ください)。

他にも、上官が「解散!」や「下がってよし」と言う場合には、 Dismissed!

(下がってよし!)

というわずか一言だけです。これは

You’re dismissed.

を略した表現です。dismissは語源的には、dis-が「離れる」、-missが「送る」ことを意味し、「今の場所から離れたところに送る」ことから「解散する」「退散させる」という意味合いになるのです。

ですから、例えば授業が終わったタイミングで先生が You’re dismissed for today.

(今日は解散です ⇒ 今日の授業はこれで終わりです)

などと言うこともあるでしょうし、場合によっては職場で You’re dismissed!

(お前はクビだ!)

などと使われることもあります。

英語の「Yes/No」は「はい/いいえ」ではない!?

ところで、英語でのYesとNoの意味を、「はい」と「いいえ」だと勘違いしている人が、日本人の中には少なくありません。それが、誤解を生むケースがあることはぜひ知っておきましょう。

まず日本語の「はい」「いいえ」というのは、相手の言った内容を肯定する、いわば“相対的”な表現です。

例えば、あなたが「疲れている」とします。 A: 疲れていますよね?

B: はい、疲れています。

A: 疲れていないですよね?

B: いいえ、疲れています。

つまり、日本語の「はい」は、英語では「That’s right.」、「いいえ」は「That’s not right.」に近いのです。

英語で同じやり取りがあったとしたら、以下のようになります。 A: Are you tired?

B: Yes. I’m tired.

A: Aren’t you tired?

B: Yes. I’m tired.

分かりやすいように、逆に「疲れていない」場合のやり取りも載せておきましょう。 A: Are you tired?

B: No. I’m not tired.

A: Aren’t you tired?

B: No. I’m not tired.

英語はいわば“絶対的”であり、Yes/No は相手の言うことと関係がないことに注目してください。基本的なルールとして、疲れている(という肯定文)ならばYes、疲れていない(という否定文)ならばNoなのです。

しかし日本人は「はい」と同じ感覚でYesを使ってしまう傾向があるため、以下のように誤って言ってしまいがちなのです。 英語ネイティブ: Aren’t you tired?

(疲れていないんですか?)

日本人: Yes. I’m not tired.(※Noが正しい)

(疲れてます。疲れてないです)

英語ネイティブ: Are you tired or not…?

(疲れているの、いないの?)

Positive./Negative.を使ってみよう

Yes/Noの本来の使い方を知っておくのは、英語学習者として大切なことですが、どうしても紛らわしいですよね。実は英語には、日本語の「はい」「いいえ」に相当する表現が存在します。軍隊用語ではありますが、それが以下です。 Positive.

(はい)

Negative.

(いいえ)

相手の言った内容に対して、Positive.は「その通りだと肯定」し、Negative.は「そうではないと否定」します。つまり、日本語の「はい」「いいえ」と同じ感覚で使うことができるのです。

この表現をたまに会話で使ったり、YesなのかNoなのか紛らわしく思える場面で使ったりすれば、軍隊用語をカッコよく使いこなせる人として、相手があなたを見る目が変わるかもしれませんよ。

まずは、映画「トップガン」を見て、実際にどのような使い方がされているのかをチェックしてみてくださいね。

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