遺品整理の見積りや作業中でのご依頼者様とのやり取りでよくあること

遺品整理の見積りや作業中でのご依頼者様とのやり取りでよくあること

最近は家財道具や趣味の小道具の買い取り・処分依頼が多い

当社はリユースショップが本業で、山形県鶴岡市で創業して30年になります。買い取り見積りをお願いされご自宅へお邪魔致しますと、その処分対象のほとんどが先人の使用されていた家財や小道具(趣味の物)である事に気付かされます。

新しい物を求めたので入れ替えに古い家電や家具の下取り買い取りといったご希望ももちろんございます。一昔前の生活苦などで現在使用している家財や家電品の買い取りを希望する方は最近では滅多にございません。

先人(親)が亡くなり身辺、親の身の回りの整理や処分作業で残された家族達の家庭内での生活、活動範囲を広くすることで、親の使用していた空間、家財や他の動産を買い取りもしくは処分で運び出し作業依頼が多いという事になります。

この事は同居していた家族間での作業となり、もちろん共有家財もございますので買い取り品や処分品も少ないのは言うまでもございません。

同居していない親子間での作業は遺品整理、全ての家財買い取り・処分が多い

これが同居をしていない親子間での作業依頼となりますと、現在の流行り言葉で言う遺品整理作業となり全ての家財等の買い取り、もしくは処分作業依頼となります。その後はこの地ではほとんどが解体、一部が不動産中古市場にも出ますが動きは渋いのが現状です。

遺品整理とは親の家(実家)の全ての動産を処分して、まさに家中をカラッポにするという作業になります。自身の生まれ育ったその生きてきた証をも処分することになります。

同居人とそうでない人では遺品に対する感情・思い入れが違う

ここで問題になりますのは祭祀継承者(相続人)である方が結婚し、子供さんも成人されておりますと同居されていた方とそうで無い方とでは大きな違いが出て来ます。それぞれが口を挟み相続人の思うような遺品整理もままなりません。

遺品を整理する上で物の見る目(感情)に違いが出ます、それは現場に居る私共は肌ですぐ解ります。相続人はその道具を親の物では有りますが過去にその道具を親が使用している光景などが蘇り直ぐに回顧、自身ももちろん幼い頃から見て触って育った感情が物を透して出て来ます。ただし処分依頼をする段階で相続人の妻や子供さんが出て来ますと彼らには全てが単なる古道具、現状判断でしかできず、全てが粗大ゴミに見えるようです。

家族や親戚が写る写真、アルバム。「そんな物どうするの、要らない!家に持って帰っても置くとこも無いし、重いし・かさばるし」「そんな壊れたカメラやラジカセ、どうするの!捨ててよ!汚いし・・・」とか…。
現場での家族間のやり取り・・・小声ですがしっかりと聞こえてきます。

一家内での力関係でも違いが出ますが本当に可哀想なご依頼人が多いのにも驚かされます。
実家の遺品整理作業でご依頼人が取置き持ち帰りたい品、仕分け作業段階で直系で無い家族が入りますと現場でのやり取りに大きな差が出ます。

いつでも処分できるような品、想い出の品などは必ず持ち帰り保管をお勧め

親が苦労して買え与えた想い出の品を整理中に20数年ぶりに再会、あの一瞬、ご依頼者の笑顔など私共は忘れることが出来ません。皆さんがそうだと思います、長い間、親も捨てずに整理保管していた品物、それを透しては子供の笑顔や遊んでる様を想像し捨てられず整理仕舞い込んでいた親心。

双方に思い出深い品です、大きさや重さに違いこそありますがミカン箱に納まるような品などはいつでも処分ができます。周りの声に惑わされず保管・持ち帰りする事を勧めております。

後に感謝の言葉も多数頂きます、「へ~、親父にこんな趣味があったんだ~」など息子とも
話が弾んだとか・後のおもしろいお話も報告が入ります。

もちろん多くは相続人の意のままでご家族皆様が協力して仕分け作業に入る方が多いのもご説明しておきましょう。目の前の物を目で見るのも当然ですが心の目で見る必要もございます。全てがこの様な現場ではございませんが、遺品整理は心の整理でもございます。また、整理する物によっては新品以上に輝きを持つ物も多数有ります。

処分依頼で困ること・時には意見も

相続するものには大きく分けて二つございます。継ぐ物が違います。
1.祭祀継承→ 土地や建物・現金預金や保険・権利など・・・
2.祭祀承継→ お墓や仏壇・遺影や位牌・神棚・集落や神社等のお付き合い行事など・・・

一家の跡取りとは限りませんが祭祀承継者にはお墓の管理や仏壇(先祖供養も含め)色々な経費や精神的な重圧もあります。

遺品整理現場で仏壇や神棚、遺影なども含め処分を依頼される方も少なくございません。自宅の解体作業など工事現場責任者が自宅に立ち入り、仏壇や神棚がそのままにある場合はどちらの工事関係者も作業には入りません。この事からも無宗教の多い現在日本と言えども信仰、神道に係わり無く心の区切り、作業員の事も考えてのことなのでしょう。

私共とは少し考え方に違いがございますが、同じ火を付け燃して無くする事に何ら変わりは無いのですが先様の心の仕え、後々の後悔、正にこの心の置き所を考えて、たとえ閉眼供養の済んだ仏壇や神棚と言え、先人が家族や一家の平安を願い毎日手を合わせていた仏壇、一般廃棄物と一緒に解体焼却処分する事には抵抗がございます、それ以上にご依頼人のお気持ちを考えますとなおさらのことです。

私共ではご依頼人ご一緒のお焚き上げ業をお勧め致しております。

ご相談頂く多くの方からやって良かった、心穏やかに過ごせます、など感謝の言葉を多く頂いております。遺品整理、祭祀財産整理時のお話しでした。

(入澤 和志郎/遺品整理士)

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