これからのPTAのあり方とは?組織の目的を見失わない活動が期待される
PTAでのトラブルがニュースになっている
私達にとって当たり前のように存在したPTA。今、このPTAへの対応で保護者が困惑しているケースがあります。任意加入の為、入会しない人がいる。非加入の子どもにはPTAから卒業式でコサージュが贈られなかった。子どもが卒業するまでに1度は役員になる事が暗黙の了解で義務付けられている。非協力的な家庭は村八分にあう。その他にも平日の昼間に行なわれる会議や非効率的な作業に困惑している保護者もいます。このような問題を抱える中、PTAはどのようなあり方が望まれるのでしょうか。
PTAの目的は「児童生徒の福祉を実現する」事にある
それを解決するヒントの1つが「PTAの目的」にあると私は考えます。そもそもPTAは何のために存在をするのか。学校によって違いはあるでしょうが、一言でいうと児童生徒の福祉の為ではないでしょうか。(もちろん、会員相互の親睦を深める事等も目的ですが、それらは児童生徒の福祉を実現するための補足的要素かと思います)。
加入が強制か任意か。あるいは会員が協力的か非協力的かはさておき、組織としての目的は児童生徒の福祉という点をまずは認識する事が大切です。
相次ぐ非加入トラブルや参加ノルマは「大人の事情」にすぎないのでは
一方、最近のトラブルを見てみると卒業までに1度は役員をする事。学校行事に3回以上は参加等のノルマを達成する事。また、ノルマを達成しなかったらペナルティを与える等、大人の事情を貫く事が目的になっていないでしょうか。
運動会での手伝いや卒業生へのプレゼント等は、児童の福祉を実現するためのツールの1つであって、その事自体が目的ではないはずです。仮に保護者が学校行事に3回以上参加等のノルマを達成したとしても、児童生徒自身の福祉に結びつかなかったのであれば、組織としての目的を達成した事になりません。
イベント参加や手伝いなどの「手段」が目的化しているのは問題
児童生徒の福祉につながる事とは一体何なのか。もちろんその答えは明確ではありません。その中で、運動会の手伝いが本当に児童の福祉に結びついているのか、その検証がなされず、手伝う事が目的化しているのも少なからず現実です。任意団体であったとしてもPTAは組織です。組織である以上目的があり、目的に沿った活動をするのが大前提です。
PTAのあり方が複雑化されている今だからこそ、「PTAの目的」という基本に立ち返り、子どもの福祉につながる活動とは何かを再考し、実践していく事が大切かと思います。その結果、取りやめになる行事等があるかもしれません。しかし、無駄だからといって取りやめになる行事と、児童の福祉につながらない為に取りやめる行事とは違います。
(中原 崇/社会福祉士)
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