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【美味しく育つ】家庭菜園で知っておきたい土づくりのコト

【美味しく育つ】家庭菜園で知っておきたい土づくりのコト

ガーデニングシーズンはもうすぐ!美味しい野菜作りには欠かせない、土台となる“土”。意外と知らない、今こそ知りたい土づくりの基礎を学びます。

野菜を育む土のこと、どれだけ知っていますか?

菜園の土台となる土。野菜を育むために欠かせないものですが、どんなにいいタネをまいても、土が野菜の生育に適していなければ、うまく育ちません。
「野菜づくりの第一歩は、土の性質を知ること」とは、土壌と肥料の権威である、東京農業大学名誉教授・後藤逸男先生。
土づくりに必要なことは何なのでしょうか。まずは今の菜園の土の状態、土の扱い方をチェックしてみましょう。
下のチェック項目にひとつでも当てはまったら、見直す必要あり。良質な土づくりのキーワードは「物理性」「化学性」「生物性」です。

 
【CHECK LIST】

土の水もち、水はけが悪い

土がふかふかでなく、硬い

土のpH値を計測したことがない

同じ土で同じ作物を栽培している

肥料はとりあえずの量で入れている

 

土の環境バランスを整えよう。実り豊かな野菜のために必要な3つの要素

良質で野菜の生育に適した土を作るためには、水の「はけ」と「もち」を最適化することが大前提。
「植木鉢やプランター栽培は、赤玉土や鹿沼土のようなふかふかな土を購入し、それのみを使う場合が多いのですが、庭や畑の場合は特に状態を見極める必要があります。まずは土の状態を把握することが大事。これは農家であっても意外とできていないことが多いのです」(後藤先生)
いい土とは、団粒構造が発達し、養分バランスのとれたもの。それを作るには、まずは酸性・中性・アルカリ性の状態を見る「値」を知り、必要に応じた改良が必要になります。

また、土壌動物や微生物がいきいきと活動するための養分となる有機質と適量の肥料を入れること。これが、野菜のタネを蒔いたり、苗を植えたりする前にするべき、土づくりの基本作業です。
「野菜農家でも土壌診断の重要性が見直されています。より、詳しく土壌の状態を調べたいなら、近隣のホームセンターや『全国土の会』で行っている、土壌診断を依頼することをおすすめします。その年の野菜の収穫の出来が変わってくるはずです」

 

おいしい土づくりのための大切なこと01:物理性

良質の土はふかふかでつぶつぶ。この状態を「団粒構造」と呼びます。これが土の水はけと水もちを両立させる要因。団粒を拡大すると、中はさらに小さな団粒で構成され、大きさの違う砂や粘土からできています。これにより水がきちんと貯まり、水分が保たれ、団粒の隙間から、新鮮な水や空気が流れ込むのです。
この構造に必要なのは、適度な有機質肥料や堆肥。土壌の微生物によってそれらが分解され、生成物が砂や粘土をくっつける「のり」の役割を果たし、団粒状態を保ちます。

 

庭や畑で見落としがちなのが、下層土。いつも耕している土のさらに下の部分のことです。この下の土が締まって固くなると、水はけが悪くなりがち。

下層土が締まっていれば、スコップを深さ30cmくらいまで差し込み、亀裂を入れて水はけを改善させましょう。

 

おいしい土づくりのための大切なこと02:化学性

土づくりには、土のpH値を適正に保つことが重要です。pH(ピイエイチ)値とは、「酸性・中性・アルカリ性」の程度を示す値で、一般的な植物の生育には、6.0~6.5が最適と言われていますが、栽培する野菜に応じて最適な生育pH値が異なります。
日本は雨が多いため、土の中に染み込んだ雨水がアルカリ性分のミネラルを溶かして酸性に偏りがち。適切な「苦土石灰」などの石灰資材を用いて、理想の値をめざして土壌改良することが必要です。

 

おいしい土づくりのための大切なこと03:生物性

有機物を分解して養分に変え、土をつぶつぶにしてくれるミミズなどの土壌動物や微生物。これらの生物が多種多様に生息していることも、よい土である大切な条件です。
そのためには、餌となる堆肥や有機質肥料だけでなく、化学肥料も適量施すことが必要。
また、土には善玉菌と悪玉菌(病原菌)が生息しています。同じ野菜を作り続ける「連作」では病原菌が増えるので、栽培する野菜の種類を変える「輪作」がおすすめ。

 
【代表的な有機肥料について】

代表的な有機肥料は”なたね油かす”、”骨粉”、”魚かす”の3つ。動植物に由来する有機物、具体的には食用油や食品、食肉加工場などの副産物を原料とする肥料です。
今日本で最も多く使われている有機質肥料は、なたね油かす。ホームセンターなどで簡単に手に入れることができます。

 

【肥料をやりすぎると土だってメタボになる?!】

野菜の生育が悪いとついつい肥料を足さなければ……、と思いがち。しかし、肥料を多量にやりすぎると、野菜の実がつきにくくなってしまったり、時に病気になってしまうことも。
上の写真は、チッソ肥料をやりすぎてバランスがくずれたために、土が酸性になり、アブラナ科野菜の根にこぶが付く「根こぶ病」という土壌病害の一例。土の健康も人間の健康と同じで、過度の養分摂取で、病気になることも。
肥料だけに頼らず、今回ご紹介した3つの要素がバランスよくとれた土作りを目指しましょう。
後藤逸男先生

東京農業大学名誉教授。専門分野は土壌学及び肥料学。農業生産現場に密着し、野菜や花き生産地の土壌診断と施肥改善対策などについて研究している。
『イラスト基本からわかる土と肥料の作り方・使い方』(家の光協会)など監修書多数。

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