ゲイアイドルがMVに込めたメッセージに共感 トラウマを乗り越える意志
画像はすべて二丁目の魁カミングアウトTwitterから
ひな祭りに行われた「劇場版絶対に埋まらないワンマンライブ」のレポートを紹介した、筆者イチオシのゲイアイドル「二丁目の魁カミングアウト」の新曲MVが4月4日に公開されました。
トラウマだらけのすごろくを突き進み、「あと少し」の歌詞に込められた彼らの願いとは?
不思議なタイトルに込められた想い
「#1000年に一度のゲイアイドル」こと二丁目の魁カミングアウト(「二丁ハロ」から改名)。
リーダーのミキティー本物は、コリオグラファー(振付師)としても活動していて、BiSや私立恵比寿中学、フィロソフィーのダンスといったアイドルたちの振付も手がけてきました。
これまでに2枚のアルバムを含む17曲を発表している彼らの新曲タイトルは「ウサギと賽子さん-usagi to Saikosan-」。
作曲は、これまでも二丁目の魁カミングアウトの楽曲を何度も手がけてきたサクライケンタさん。現在はMaison book girlをプロデュースする作曲家です。
ちょっと不思議なこのタイトルは、童話の「ウサギとカメ」から付けられています。走ることが得意なウサギと違い、一歩一歩ゆっくりでもゴールしたカメを、人生のゴールまでのレースの鍵を握る神様が振る「サイコロ(賽子)」に置き換えたと、作詞担当のミキティー本物は明かしています。
タイトルはウサギとカメの物語からきてます。
カメは一歩一歩しか進めなくても最後にちゃんとゴールできる。そんな希望を込めてカメを賽子さんに変えたんです。
一歩一歩しか進めなくても、あと少し優しくなって前髪切って視野を広げて生きてみたら、自分なりのゴールが見えるかなと思ったのです。 https://t.co/tIyysU4wOf— ミキティー本物【二丁目の魁カミングアウト】 (@mikity_sakigake) April 4, 2018
また、これまでの二丁目の魁カミングアウトの楽曲とは一線を画し、「ウサギと賽子さん」は彼ら4人の人生観を反映したものとなっています。
現役アイドルとは思えないトラウマのカミングアウト
「ウサギと賽子さん」のMVで最も注目されているのが、メンバーが挑戦しているすごろくのマス。
このマスは彼らが本当に体験した過去の出来事を中心に構成されています。
「同級生とケンカ 学校を休む」、「クラス替え 新しいクラスにとけこめない」、「修学旅行 どのグループにも誘われない」、「好きな人が出来てゲイだと気付く」、「二丁ハロに加入するもメンバーについていけず悩む」、「二丁ハロのオーディションに落ちて先が見えなくなる」など生々しく衝撃的な言葉が並びます。
サイコロを振る度に蒸し返される心の痛みと向き合いながら4人はサイコロを振り、すごろくを進め、未来に向かって歩むというストーリー展開。
STOPのマス以降は、それまでそれぞれ1人でマスを進めてきた4人が合流し、一緒にすごろくを進めていきます。しかしその先のマスは「対立」や「脱退」、「解散」という、アイドルグループが直面する問題が立ちはだかります。
この「対立」や「脱退」、「解散」のマスについて、MV初披露の場でミキティー本物はこう語っています。
好きなアイドルが脱退して悲しい気持ちになってトラウマになっている人もいると思う。だけどわたしたちはこの4人で、絶対にそのマスを回避して進んで行くって確信したからこの「脱退」や「解散」のマスを入れる決心がついた。ミキティー本物
「絶対にそのマスを回避する」。それは、自分たちの決意の表れであり、強いメッセージが込められた内容となっています。
過去と向き合うこと、過去から逃げないこと。
そして、その過去と向き合うのは「ウサギとカメ」のカメのように一歩一歩で構わない。
誰のせいでもなく、サイコロの目が1しか出なくてもそれぞれのゴールが必ずある。ミキティー本物
誰かのせいじゃなくて、自分の力で前を向く強さ
「ウサギと賽子さん」の歌詞で登場する「あと少し」「もう少し」。
「あと1分早く家を出てたなら」「あともう少し早く走れたら」「あともう少し可愛くなれたのなら」「あと少しほんの少しだけで人生はうまく回ることも」と、歌い出しから登場する「あと少し」が、彼らがこれまでに抱いてきた悩みや葛藤という形をとって、何度もリフレインされます。
やがてそのフレーズは終盤、「あと少しだけ前髪切って」や「あと少しだけ生きてみたら」と、自分を奮い立たせる意味に変わり、前を向く強さを示していきます。
少しだけ悲しい想いを他人より多く重ねて来た彼らだからこそ言える「あと少し」の強さは、優しさであり、知らず知らずのうちにできてしまった心のささくれを癒してくれる魔法の言葉でもあります。
二丁目の魁カミングアウトの魅力の一つは、彼らにしか伝えられないメッセージが込められた楽曲だと筆者は感じています。
恋愛をモチーフにした王道のアイドルソングではないものの、胸がすくようなメロディーライン、共鳴せずにはいられない歌詞は、「ゲイアイドル」の彼らにしか歌えない唯一無二のアイドルソングです。
「TO BE CONTINUED…」に隠された真実は??
MVのラスト「GOAL」の文字が不気味に「TO BE CONTINUED…」へと変化します。
この「TO BE CONTINUED…」の意味は明かされていません。
もしかしたら彼らにもこの先の未来は、まだ想像できていないのかもしれません。
誰のせいでもなかったと、過去と向き合い強さを優しさに変えた彼らが今、目指す未来の先にあるのは5月1日(火)に開催される「絶対に埋まらないワンマンライブ in Shibuya O-EAST」。1200人の観客動員を目指し、4月も精力的に活動しています。
新宿二丁目AiSOTOPE LOUNGEにて「無料版絶対に埋まらないワンマンライブin新宿二丁目AiSOTOPE LOUNGE」を全9回開催中。
【公演情報】4/9(月)-4/12(木)
『無料版 絶対に埋まらないワンマンライブ』
@ 新宿AiSOTOPE LOUNGE
OPEN 19:00/START 19:30
入場無料!
来週はなんと4日連続公演!
4/9(月)の公演では新グッズ「LOVEチェキTシャツ」を発売致します!!#二丁魁
pic.twitter.com/efd2cF4ULi— 二丁目の魁カミングアウト (@sakigake_gay) April 8, 2018
GOALの先に隠された「TO BE CONTINUED…」の真実を知るヒントが、「絶対に埋まらないワンマンライブ」に隠されているのかもしれません。
アイドル界で今一番“アイドル”な存在の二丁目の魁カミングアウトからますます目が離せませんよ。
引用元
ゲイアイドルがMVに込めたメッセージに共感 トラウマを乗り越える意志
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