RoomClip編集部に聞く「100均DIY」の驚くべき進化
100円ショップのアイテムを使って気軽にチャレンジできることから、近年主婦の間で人気の「100均DIY」。なぜここまで浸透し、どのような変化をしてきたのでしょうか。月間270万人が利用する、部屋のインテリア実例共有サイト「RoomClip」運営チームの竹野さんにお話をうかがいました。
メディアの発信で浸透した「100均DIY」文化
「日曜大工」という言葉もあるように、DIYには男性のイメージが定着しています。そんななかで登場した「100均DIY」という言葉は瞬く間に主婦たちの間に広まり、今や主婦にとって代表的な趣味として知られるようになりました。
「100均DIYがはやり始めたのは、2015年ごろだったと記憶しています。RoomClipでも『100均』と『DIY』のタグをつけた投稿が増えてきました」(竹野さん、以下同)
100均DIYが浸透していったのは、どのような背景があったのでしょうか。
「2015年に100均アイテムを使ったDIYを紹介するムック本が相次いで発売されました。書籍やテレビ、ウェブメディアなどが目をつけ、積極的に発信したことが大きなきっかけだったと考えられます」
また2015年といえばInstagramが国内のアクティブユーザー数を大きく伸ばした年。「自分でつくった作品の写真をネットに投稿する」というアクションが定着したことも、100均DIYの発展に一役買ったようです。 材料5つ、計500円余りでつくれるという消臭ビーズ入れ。写真ではフックと瓶のワイヤー部分を塗料で白く塗り、インテリアに溶け込ませる工夫も(画像提供/miyuさん)クローゼット内の収納を3段に増やす便利ワザ。子どもの服を畳む手間を削減し、衣替えもスムーズに(画像提供/taitaiさん)
100均DIYの醍醐味は「自分で家をカスタマイズできる楽しさ」
「100均DIYにチャレンジする動機として最も多いのは、『100円なら失敗しても怖くない』という理由。『いきなりホームセンターで本格的な道具と材料を買うのはハードルが高い』という方も、100均ならチャレンジしやすかったと言います」
100均DIYで慣れた方が、やがて本格的なDIYへとスキルアップしていくこともあるのだとか。 突っ張り棒1本でトイレットペーパーの収納を実現。カフェ風のカーテンはダイソーで購入(画像提供/tentenさん)壁収納は100均DIYの基本技とも言える。こちらは黒ワイヤーを結束バンドで固定するだけの手軽な壁収納DIY(画像提供/ayakaさん)
安価だからこその安心感、手軽さから、初心者もチャレンジしやすいという100均DIY。その楽しさはどこにあるのでしょうか。
「やっぱり、オリジナリティを出せるところだと思います。自分の手でつくったものに囲まれ、使ううちに、より一層自分の家に愛着をもてるようになることが100均DIYの醍醐味です」(竹野さん) 自作のフラワーインテリア。ペンキを塗ったメイソンジャーに、グルーガンで造花とプリザーブドフラワーを接着(画像提供/Disneyさん)100均の材料にお子さんたちが拾ってきたドングリや石を活用し、インテリアを自作(画像提供/crowさん)
一方で、憧れの生活を手に入れるために100均DIYに取り組む人もいると言います。
「個別の作品をつくって終わりではなく、家全体を1つのコンセプトに向けてカスタマイズしていく人が増えていますね」(竹野さん)あちこちに100均DIYの工夫がなされた部屋。意識しているのは「フレンチナチュラル」と「フレンチカントリー」(画像提供/Disneyさん)
最新の100均DIYトレンドは「創造性を加えた“自分だけのインテリア”」
ここで最新の100均DIYのトレンドについても教えていただきました。
「RoomClipでは、アイテムそのものを生活に取り入れるのではなく、自分の創造性を加えて、『自分だけのもの』につくり変えようとする投稿が増えています。例えば先日は、お皿とカップを貼り合わせてオリジナルのケーキスタンドをつくった投稿がありました。私たちでも思いつかないようなアイデアが、日々投稿されています」(竹野さん)
短期的なトレンドで言えば、今は新生活が始まる時期。普段のメインユーザー層は主婦ですが、この時期は一人暮らしの人の投稿が増えるのだそうです。靴収納に便利な自作ラック。すのことアイアンバーを組み合わせて作成。新生活にもおすすめ(画像提供/yunakoさん)
新生活を機に100均DIYを始めたいという人には「まずは簡単なものからチャレンジしてほしい」と竹野さんは言います。
「100均の材料を使って簡単な木箱などをつくるところから始めて、慣れていく。その後段々と『色を塗りたいからハケを使ってみよう』『ディアウォールやラブリコを使った壁面収納のDIYにチャレンジしてみよう』とやりたいことに挑戦する、その繰り返しでみなさんスキルを上げてこられたようですね」
もはや100均DIYは、理想の住環境を気軽に手に入れるための手段のひとつとなっているようです。既製品だけに囲まれた暮らしではなく、自分が手がけたものに囲まれて暮らす生活を求める人が増えているのかもしれません。●取材協力
●画像提供
・ayakaさん(RoomNo.874680)
・crowさん(RoomNo.1211179)
・Disneyさん(RoomNo.810832)
・miyuさん(RoomNo.535462)
・taitaiさん(RoomNo.610489)
・tentenさん(RoomNo.2937148)
・yunakoさん(RoomNo.974057)
※ローマ字順
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/04/152955_main.jpg
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