どうしても、プレゼンで「笑い」が必要なときは…

これまで3000回以上のMCを経験されてきた丸山久美子さんに、「上手にあがりを隠して、人前で堂々と話す・ふるまう方法」について伺う連載の第5回目。今回のテーマは「人前で話すとき“笑い”を取るには?」です。f:id:k_kushida:20180226211958j:plain

丸山久美子(まるやま・くみこ)

まるっと空気を掴むMC、展示会専門接客アドバイザー

1982年、和歌山県生まれ。「人前で話せるようになりたい!」という憧れを叶えるべく、20歳で展示会プレゼンターとしてデビューするも、本番中にてが震えてマイクを落とすなど、さまざまな大失敗を繰り返す。「あがりを克服する方法」や「緊張をなくす方法」を模索するが、改善どころか逆にあがりに拍車がかかり、体調にまで悪影響が。しかし、憧れを捨てきれず、「あがり」や「緊張」と向き合い独自のメソッドを開発。再スタートを図る。以来、展示会やイベントへ3,000回以上出演し、リピート率90%を超える人気MCに成長。2015年から講師活動を開始。「人前で話せるようになりたい!」と願う全国の人々へ、「あり方とやり方」の両面から具体的なノウハウを提供している。

Twitter:Kumiko Maruyama

「笑いをとりたい!」

そう思って、スピーチの内容を考えた事がある。または、ちょうどこれから考えようと思っていた、という皆さん。今回の記事は必読です。

こんにちは!

まるっと空気を掴むMC・丸山久美子です。

「どうすれば笑いをとる事ができますか!?」私のセミナーは笑いが多いからか、よくこう聞かれます。結論から言うと「笑いをとる事は、最も難しい」です。頭が真っ白にならず堂々と話すより、笑いをとる方がずっとずっと難しいものです。ですから、まだ、人前で頭が真っ白になる段階の人へは、笑いのとり方は教えていません。

しかし、前回のコラムを読んだ皆さんは、すでに頭が真っ白になる件はクリアできた事でしょう。それを前提に、今回は笑いをテーマに筆を進めますね。

笑いは最も難しい

最初にお伝えすべきは「緊張しいな私たちにとって、笑いは最も難しい」という事です。むやみに手を出すと100%失敗します。なぜなら、笑いは、誰でもできるほど簡単なものではないからです。

MCとして、お笑い芸人さんとご一緒させていただく度に痛感します。お笑い芸人さんは、本番のみならず、楽屋でも常にお笑い中心の思考回路で過ごしていらっしゃいます。今日はどんな客層か?どうしたら面白いか?打合せでは情報収集を欠かしませんし、本番直前までネタの確認をしています。まさに「プロ」そのもの。よく考えてみればそうですよね。「お笑い芸人」という1つの職業が成り立つほど、プロの技術が求められるのが笑いです。

笑いにチャレンジする際には、頭が真っ白にならない段階まで、自分をレベルアップさせておきましょう。

本当に笑いが必要?

確かに、笑いをとれた方が場の空気を和らげる事ができますし、得策に感じます。しかし、その笑いは本当に必要なのでしょうか?大きなリスクを背負ってまで笑いを入れるべきなのでしょうか?

そもそも私たちは、伝えたい事があるから、人前で話す事へのチャレンジを決意したはずです。笑いをとるためのチャレンジではないはずです。しかし、予定していた部分で笑いがとれなくて自信を失ったり、自分にはセンスが無いのだと落ち込む人が大勢います。笑いに意識が向いてしまい、伝えたい内容を話せたかどうかは、二の次になってしまう人も少なくないのです。

笑いを入れたくなったら、一度立ち止まって考えてみましょう。伝えたい内容に対して、笑いは本当に必要なのか。わざわざ最難関のリスクを背負う価値があるのか。冷静に検討すると、話したい内容を見直す事もでき、精度も高まります。むやみやたらに使えるほど、笑いは簡単なものではありません。だからこそ、本当に必要か熟考する価値があるのです。

笑いが必要になったら

検討した上で、笑いが必要と判断したら、1人で考えず、大いにマネをさせてもらいましょう!仮に1人で笑いのネタを思いついたとしても、成功するか検証しないまま本番に挑むのは危険です。検証せず本番で試すなんて、ある意味ギャンブル!ただでさえ人前で緊張しながらチャレンジする自分へ、わざわざ勝率不明のギャンブルまでさせるなんて、可哀想すぎます…。

だからこそ、マネをさせてもらうのです。素人の自分が考えても、時間もかかる上にギャンブルになってしまう…1人で全て頑張る必要はありません。「この人、面白い!」と感じる人のネタを、マネさせてもらえば良いのです。

会える人をお手本に

マネをする対象者は、実際に会える人から選ぶ事をオススメします。

よく、テレビを観て、芸人さんやタレントのマネをしようと考える人がいますが、これも、緊張しいな私たちには危険です。テレビは、間が調整されていたり、セリフがテロップ化されるなど、プロによる編集が施されています。しかし、私たちが目指す本番では、編集をする事ができません。ですから、テレビを参考にするのではなく、実際に会って「この人のマネをしたい!」と思える人を選ぶ事が、笑い成功への近道!なのです。

目の前で、リアルな間や言い回しを体感させてもらいましょう。そして、ぜひ質問してみてください。どうやって笑いを生み出しているのか?失敗した時はどうしているのか?など、会える人であれば、直接教えてもらう事ができます。笑いを成功させるために、勇気を出して聞いてみましょう。

ちなみに、私の笑いのお手本は「伊東泰司さん」です。笑いのとり方をレクチャーしていただいています。実際会える人から教えてもらう様になってから、確実に、格段に笑いがとれるようになりました。皆さんもぜひ、会える人の中から「マネしたい!」と思える人を探してみてください。

第1回記事はこちら

第2回記事はこちら

第3回記事はこちら

第4回記事はこちら

【参考図書】

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『上手にあがりを隠して人前で堂々と話す法』

著者:丸山久美子

出版社:同文舘出版

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