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どんなに回してもうまくいかない ダメなPDCAの特徴

どんなに回してもうまくいかない ダメなPDCAの特徴

人が育たない、チームがうまく機能しないなど、自分のマネジメント能力のなさに悩むリーダーは多いはず。

まして、今は黙って目の前の仕事を回していれば会社の業績が上向く時代ではない。新しいビジネスの立ち上げや、無理難題に思える目標を課されて四苦八苦している人もいるだろう。

ビジネス自体の難易度が高まっている今、リーダーに必要なのはどんな能力なのか。

『逆境のリーダー ビジネスで勝つ36の実践と心得』(集英社刊)の著者で、三井住友信託銀行でリーダーとして辣腕を振るってきた大塚明生さんにお話をうかがった。その後編をお届けする。

――かつてのような「俺について来い」的なリーダーシップではもう部下がついて来ないと言われます。今必要とされているリーダーシップについて、お考えを伺いたいです。

大塚:今に限らず、論拠もなく単に俺について来いというようなリーダーには人はついていかなかったはずですよ。表面的には従っているように見えても、面従腹背だったでしょう。ただ、日本が右肩上がりだった時期は、そんな上司がいても会社は潰れなかったというだけです。

しかし、今は多くの企業は常在戦場ですから、付加価値を出せない企業はやはり潰れてしまう。そんな時期だからこそ、上司は戦略とプロセスを見せて、この人についていけば大丈夫だと部下に納得させること、自ら手本を示すことが必要です。

あとは、これだけ変化の早い時代ですから、自分のチームや会社のビジネス自体がダメにならないとも限りません。そうなった時に、自分で生き残れるためのスキルだとか、人材としての市場価値をいかに部下につけてやれるかという点も、上司の重要な資質ではないかと思います。

――部下への接し方についてはいかがですか?近年は「ほめて伸ばす」が主流になりつつありますが。

大塚:ほめるなら結果ではなく、意図やプロセスをほめることです。なぜ成功したのかを正確に把握して言い当てないと、ほめられた方はうれしくない。特に成長意欲が強い人ほどそうです。

――なるほど。では叱る時はいかがですか?

大塚:叱るからには、部下が何か失敗をしたわけですよね。私は、叱る時は「こうすればよかったんじゃないか」という正解を与えるべきだと思っています。そうじゃないと、叱られた方は「じゃあ自分がやってみろよ」と思うでしょう。少なくとも、正解を与えられない上司に対して「この人についていけば自分は成長できる」とは思いませんよね。

もちろん、上司だからといって100%正しいことが言えるわけではありませんが、叱る時には、改善策や正解を見せてあげることが大切だと思いますね。

――「人材は育てるものではなく、見いだし磨くもの」という人材についてのお考えも興味深かったです。この真意を教えていただけませんか?

大塚:努力や本人の取り組みでカバーできる部分はありますし、もちろん努力はしないといけないものですが、本人の気質はなかなか変わるものではないですし、発想力などは教えてもそう伸びるわけではありません。

スキルは教えて身につくものですが、「スキル」と主体的にビジネスに取り組む「ウィル(意志)」を兼ね備えたプロフェッショナルは育てられないというのが私の考えで、リーダーはそういう素質を持った人をまずは見出さないといけないと思っています。

――「真のPDCA」についても書かれていました。PDCAサイクル自体は一般的に採り入れられているものですが、大塚さんから見てうまくいかないチームやリーダーはどの部分に問題があるとお考えですか?

大塚:成果の出ないリーダーの多くはPDCAの「C」がまちがっているんです。ご存知の通り「C」は「Check(評価)」ですが、これをどうやっているかが問題です。

「P(Plan:計画)」「D(Do:実行)」の後で出た結果を、次のサイクルに繋げるために確認するだけでは不十分で、事前に立てた予測との違いに目を向けるのが本当のチェックです。

計画の段階であらゆることを考え抜いていたら、基本的に事前の予測と結果は、多少の誤差はあれ重なるはずで、そうならなかったとしたらなぜなのかを考えなければいけません。そもそも綿密な計画ができているなら、うまくいかなかった時のためのリスクシナリオも用意できているはずで、予測通りにならなかったらそれを発動するわけですから、結果としてそこまで大きな違いは出るはずがないんです。

もし自分のチームで成果が出ていないなら、「C」がうまくできないことで、PDCAではなくPDPDの繰り返しになってしまっていないかを確認していただきたいですね。

――仕事で思ったような成果が出ていないリーダーにさらにアドバイスできることがありましたらお願いします。

大塚:一つは「適材適所」がきちんとできているかです。プレーヤーとして優秀だった人も、リーダーになるとこれができない人が多い。特に組織が大きければ大きいほど人材の配置は難しくなるので、自分のチームがうまくいっていないなら、まずここを見直してみるべきだと思います。

二つ目は「アンテナ」ではなくて「レーダー」を持つこと。つまり、顧客のニーズを先回りして掴む努力です。すでに顕在化しているニーズをアンテナでキャッチするだけなら、体力がある企業が勝つに決まっています。でも、多くのリーダーは小規模な組織で、大きな相手と戦わないといけない状況ですから、アンテナではダメなんです。

三つめは、たとえ少数であっても熱烈な支持者を作ること。普段は仲間のような顔をしている人も、大抵は劣勢になると逃げていくものです。どんなに苦境に陥っても味方になってくれる支持者を何人作れるかが、リーダーとして成功できるかを分けるのだと思います。

(新刊JP編集部)

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